2016年07月01日
「 小説家を見つけたら

原題 : Finding Forrester
監督 : ガス・ヴァン・サント
製作国 : アメリカ
製作年 : 2000年
鑑賞日 : 2009年02月04日
鑑賞場所 : ランドマークシネマ
[ キャスト ] ( )内は俳優名。
ウィリアム・ フォレスター
( ショーン・コネリー )
クローフォード教授
( F.マーレイ・エイブラハム )
クレア・スペニス
( アンナ・パキン )
ジャマール・ウォレス
( ロブ・ブラウン )
テレル
( バスタ・ライムズ )
***************
ニヘドンは、俳優さん達は初老の域に達してこそ
人間の魅力マックスになると信じているので、
ショーン・コネリーの爺さんの魅力に頭クラクラでございます。
ちょっとフランス映画のエスプリも感じられる
心と心の交流を描いた秀作です。
*****************************
映画のカチンコが鳴らされた後、黒人の青年がラップを歌い始める。
タイトルロールが流れる。
ニューヨークのあちこちの街並みが、映し出される。
或る室内に、三島由紀夫、キルケゴールの書籍等が積み上げてある。
ジャマールの名前が呼ばれる。
ジャマールはニューヨークのブロンクスに住む16歳の黒人の少年。
ジャマールは学校でバスケットボールをする。
クラスメートからは、「 J 」と呼ばれている。
白い髭の男が建物の中から双眼鏡でバスケに打ち興じる少年達を眺めている。
少年達、皆は、この初老の男の事を「 ウィンドウ 」と呼んでいる。
学生達は、あの男は「 殺人犯 」だとか、「 電話でギャーギャー叫んでいた。」とか
噂をしている。
「 ウィンドウはヤバイ。」
J 「 ただの爺さまだよ。」
「 お前、行ってみろよ。」
Jは、放課後1人でバスケをしながら、ウィンドウの方を眺める。
個人面談が有り、Jの成績はC。ただ、
今回のテストは非常に良かった。
或る夜、Jと4人の仲間は建物の非常梯子からウィンドウを探しに行く。
他の4人は梯子の下で見守り、Jだけがウィンドウの部屋に窓から忍び込む。
2016年06月02日
映画「 オーストラリア 」

バズ・ラーマン監督の代表作を
3つ挙げると
「 ロミオ&ジュリエット 」
「 ムーラン・ルージュ 」
「 オーストラリア 」
となりますね。
ニヘドンが1番好きなのは
「 ムーラン・ルージュ 」です。
1番駄目なのは、
この「 オーストラリア 」でしたね。
3作品に共通するテーマが
「 男女の恋愛 」と云う事なら、
「 広大な大地 」も「 戦争 」も
必要無かったのではないでしょうか?
少なくとも、バズ・ラーマン監督には、
「 広大な大地 」も「 戦争 」も
使いこなせていなかった訳です。
オーストラリアの特殊性を活かしたいなら「 クロコダイル・ダンディ 」の方が良く出来ていました。
「 戦争 」と恋愛を絡めたいなら、「 風と共に去りぬ 」の方が不朽の名作として君臨しています。
恐らく、監督も、主役陣も、この2作品を超えたいという野心が有った事でしょう。
でも、結局失敗に終わったと思います。
この「 オーストラリア 」が上映されてから、7年が経ちました。
もう、世界の誰も、この作品の事を語っていないでしょう?
思い出しさえしないと思います。
日本軍はオーストラリアを空爆したけれども、上陸はしていません。
でも、映画の中では上陸して、子供を守ろうとした男を殺しています。
史実とは違うシーンをわざわざ持って来る。 フィクションなら、
「 ムーラン・ルージュ 」の様に、小さい世界の中で恋愛ドラマを綴っていれば良かったのに。
「 ムーラン・ルージュ 」は、最初から最後まで、フィクションという夢の中で、観客が遊ぶ事が出来た。
だから、あの映画を気に入った人が多かったと思うのです。
「 オーストラリア 」は、 余計な味付けに手を出して、美味しくない料理にしてしまった感が有り残念です。
ニヘドンが評価したいのは、この映画撮影中、ニコール・キッドマンは妊娠中だったのに、
頑張って撮影終了まで降板しなかったと言う事です。
ニヘドンは、妊娠5ヶ月で不正出血したダメ妊婦だったから、無事に赤ちゃんを出産した
ニコール・キッドマンに拍手です!
*************************************
[ 作品DATA ]
監督 : バズ・ラーマン
脚本 : スチュアート・ビーティー
音楽 : デヴィッド・ハーシュフェルダー
公開日 : オーストラリア → 2008年11月13日
アメリカ → 2008年11月16日
日本 → 2009年02月28日
鑑賞日 : 2009年02月03日(火)
鑑賞場所 : 新宿厚生年金会館
鑑賞料金 : 無料。 ( 試写会 )
{ キャスト ]
レディ・サラ・シュレイ ( ニコール・キッドマン ) イングランドの貴族。
ドローヴァー( 牛追い )( ヒュー・ジャックマン ) カウボーイ。
ニール・フレッチャー ( デヴィッド・ウェンハム ) 牧場管理人。 実はキング・カーニーの手先。
キング・カーニー ( ブライアン・ブラウン ) アシュレイ家と対立する大牧場主。
キプリング・フリン ( ジャック・トンプソン ) アル中の老会計士。
キング・ジョージ ( デヴィッド・ガルビリル )アボリジニの呪術師。
ナラ ( ブランドン・ウォルターズ ) 使用人の子。 白人とアボリジニの混血児。
キャサリン・カーニー ( エッシー・デイヴィス ) キング・カーニーの娘。 後にフレッチャーと結婚。
**********************************
1941年 真珠湾攻撃のシーン。
アボリジニの呪術師キング・ジョージが言う。「 I belong no one.」
1939年09月。 イングランドの貴族サラは、ミセス・ポスから話を聞く。
サラは夫のハイトランドに会いにオーストラリア北部の町ダーウィンに水上機でやって来る。
サラ・アシュレイが到着すると、次々に現地の人達に会う。
カーニーは食用牛を独占したい。
ドローヴァー( 牛追いの意味 )。
キプリング・フリン会計士。
夫の最後の所有地である牧場「 ファラウェイ・ダウンズ 」の建物の中に入ると
夫はテーブルの上で死んでいた。
夫の遺骸はアウトバックに埋葬される。
フリン会計士がハーモニカを吹く。
サラ 「 主人はここの何に惹かれたの?」
男 「 不思議な土地なんです。 」
アボリジニと白人の混血児のナラは言う。
「 あのフレッチャーは禍いを呼ぶ。」
フレッチャーのついた嘘をナラが告発した。
サラはフレッチャーをクビにする。
フレッチャーは出て行く。
カーニーは烙印を押していない牛を川を渡して盗んでいた。
Police がやって来る。
彼はサラに主人のお悔やみを言う。
貯水槽に隠れたナラと母は、突然吹き出した水に溺れそうになる。
結局ナラの母親のデイジーは死んでしまう。
ドローヴァー 「 アボリジニは死者の名を口にしない。」
サラ 「 子供が苦手なの。」
ナラは呪い師のガラパの所に行く。
オズの魔法使いの歌の歌詞が歌えなくて、でたらめを歌うサラが可愛い

「 星に願いを 」を歌っちゃったりして。(笑)
彼等は牛を追いながらダーウィンを目指す。
J・バートランド社のブーメランハーモニカで「 over the rainbow 」を吹く。
グーラジとマガリが牛の気を鎮める歌を歌う。
カーニーの連中が牛の野営地に火を放ち、牛が暴走してしまう。
牛の行く先は崖。
牛が1頭、崖から落ちるシーンは、思わず声が出てしまいました。
「 うぎゃあ~!! 」
再びカーニーが行く手に火を放つ。
落馬したフリンは牛に踏みにじられてしまう。
牛達は崖目掛けて突進!!
ナラが牛達の行く手を遮る様に歌を歌い、すると驚いた事に牛は突進を止める。
落馬したフリンは息絶えてしまう。
ドローヴァーは戦争に行く前、結婚していた。
戦争から帰って来たら妻は結核に罹かっていた。
しかし妻は黒人だったので入院出来なかった。
暑さで湯気が立っている。
水はフレッチャー達が毒を入れた。
喉が渇いて仕方が無いナラ。
そこへキング・ジョージが歌を歌いながら進んで行く。
彼は3日間、歩き続ける。
ダットン大尉は売買契約書にサインをしてしまっている。
カーニーは怒りまくる。
競りでサラに500ポンド出したのがキング・カーニーだったのだ。
サラはファラウェイ・ダウンズを売ろうとするが、
そこへ髭を剃って白いスーツを着たドローヴァーがやって来る。
ドローヴァーとサラは2人でダンスを踊る。
フレッチャーはキング・カーニーをライフルで殴り、ワニの餌食にしてしまう。
フレッチャーが新しいキングになる。
フレッチャーがサラを訪ね、ここから出て行く様に脅す。
ナラは walkabout をしたい。
( walkabout = オーストラリアの原住民が一時的に仕事を離れて行なう伝統的な放浪生活 )
サラは、通信教育も有るからと反対する。
ナラは或る日、サラにも一言も言わずに旅に出てしまう。
サラは付近を捜す。
ナラとキング・ジョージは警察に捕まってしまう。
ナラは船で伝道の島へ連れて行かれる。
日本軍の飛行機が伝道の島を爆撃する。
ダーウィンの町は爆撃されて火の海となる。
燃え盛るダーウィンの町に戻って来るドローヴァー。
ドローヴァーは、酒屋のアイヴァン、妻の兄と共に島へ渡る。
逃げようとした所に日本兵がやって来る。
マガリが敵を引き寄せる為に残る。
キャサリン・フレッチャーが死んだ。
マガリは日本兵に射殺されてしまう。
ダーウィンの町に避難命令が出る。
船の上でナラがハーモニカで over the rainbow を吹く。
避難トラックに乗ろうとしたサラが、このハーモニカの音を聞きつけ、港へ来る。
ナラとサラが再会する。 ドローヴァーも。
アイヴァン 「 後で請求書を送るよ。」
フレッチャーがライフルでナラとサラを狙う。
フレッチャーが引き金を引いて撃った瞬間、キング・ジョージが投げた槍に貫かれる。
実はフレッチャーは、ナラの父親だったのだ。
ナラはシャツを脱いで、靴も脱ぎ、キング・ジョージと walkabout の旅に出る。
1973年 同化政策廃止。
***** 「 オーストラリア 」 ・ 完 *****
2015年03月29日
「 乳泉村の子 」

原題 : 清涼寺鐘声( 声の旧字体 )
邦題 : 乳泉村の子
英題 : The Bell of the
Qing Liang Temple
監督 : 謝晋 ( シェ・チン )
音楽 : チン・フーツアイ
製作年 : 1991年
製作国 : 中国・香港合作
日本公開 : 1993年04月03日
種別 : ドラマ
上映時間 : 121分
[ CAST ] 左が役名、右が俳優名。
羊角( ヤン・チャオ ) 産婆 ・・・・・ 丁一 ( ティン・イー )
コ( くさかんむりに胡 )蘆 ( フールー ) 羊角の息子。 耳が不自由。 ・・・ 尤勇 ( ユウ・ヨン )
秀秀 ( シウシウ ) 羊角の娘。 ・・・・・・・ 李女亭 ( リー・ティン )
明鏡( ミンチン )法師 ( 狗娃の晩年 ) ・・・・・・ プー存シン ( プー・ツンシン )
大島和子 ( 狗娃の実母 ) ・・・・・・・・・・・ 栗原小巻
加藤美知子 ・・・・・・ 川田あつ子
一葦 ( イーウェイ )法師 ・・・・・ 朱旭 ( ファン・チャオ )
山本老人 ・・・・・・・・ 稲岡正順
心印法師 ・・・・・・・・ チャン・ホイ
************************************
確かこの映画を見たのはシネマ ジャック&ベティだったと思います。
当時は、この映画館、2本立ての上映をしていてくれていたのよ。
今は全て1本ずつ料金を取るシステムに変更され、何だかなあと思っているのですが・・・。
「 芙蓉鎮 」 と、この「 乳泉村の子 」の2本立てで観ました。
その時には気が付かなかったけれど、今、こうして自分でレビューを書く段になって
迂闊にも気が付きました。
あら! 「 芙蓉鎮 」も、「 乳泉村の子 」も、謝晋( シェ・チン )監督の作品だったのね。
謝晋監督の作品は、心痛む様なストーリーでも、どこか心温まる視点で描いてくれるので好きです。
「 乳泉村の子 」も、素直に泣けました。
中国人は、日本人の戦争責任に関して、絶対に許してくれなさそうな攻撃的な態度に出る人達が
今でも大勢いますよね。
謝晋監督のストーリー・テリングは、決して日本人を責めている訳ではなく、
淡々と人間の心のうつろいを描いていて、難しいテーマなのに、とても良心的に解釈してくれており
第二次世界大戦の加害者扱いされている日本人の1人として見ても、卑屈になる事無く
映画作品を見る事が出来ました。
ハワイの真珠湾記念館に行って、真珠湾攻撃の映画を見た時、周囲のアメリカ人達から、
露骨に冷たい視線を浴びて、肝を冷やした事も有るし、
シンガポールのセントーサ島でモノレールに乗っていたら、嫌でも、戦争記念館みたいな所に
入らざるを得ず、 日本軍が悪の限りをつくしている場面を蝋人形で再現したのを見せられて、
どうしていいのか分からなくなって、ただ俯いていた事を覚えています。
映画監督と云う人々は、1人の人間のちっぽけな心を超越した、大局を把握する力に長けて
いる人種だなあと、再認識した次第。
改めて、謝晋監督の全作品を観てみたくなりました。
*************************************
白井啓介・訳
「 清涼寺鐘聲 」
( 栗原小巻が出てる! )
寺院の中、海外渡航許可証を筆書きする僧侶。
羊角が声に出す。 「 羊角氏 」
羊角氏の墓に柿の実を供え、線香を上げる僧侶。
乳泉村。
明鏡法師は黄色い僧服を着てフェリーに乗る。
「 中国仏教代表団 」の垂れ幕が上がる所。
明鏡法師は日本にやって来てインタビューを受ける。
「 日本の印象は? 」
「 到着したばかりで未だ分かりません。」
明鏡法師は移動するバスの窓から町の様子を見る。
そして、旅館に入る。
部屋の中で白髪の叔母さんが中国仏教代表団来日の新聞記事を読んで固まる。
日本人僧侶 「 中国では第2の仏教の隆盛地。 」
中国残留孤児の明鏡法師の顔がTVに映る。
銀座の夜景と街の騒音で明鏡法師は眠れない。
__________________________________
乳泉村。
天皇の玉音放送が流れる中、 日本軍達が泣き、書類を焚き火で焼く。
大島和子が赤子に乳を飲ませている。
そこへ川だあつ子がやって来て言う。
「 赤ちゃんは全員置いて行かなければならないの。 そういう命令なの。」
母・和子は赤子を籠に入れて置き去りにする。
日本兵が逃げた後、彼らが残した物を拾いに来る中国人達。
残った物を拾いに来た中国人女性・羊角が、籠の中から赤ちゃんが泣いているのを発見する。
羊角は1度は立ち去ろうとしたが、結局、家に連れて帰る。
帯に文字が書いてあるが、羊角は文盲で読めない。
羊角はクレープ様のパンに何か挟んで食べている。
半分に切った長葱が、にょきっと飛び出ている。
豪華&豪快な食べ方。
羊角の息子のフールーは耳が不自由で口がきけない。
フールーは30歳になっても嫁がいない。
羊角は赤子の為にお乳を貰い歩いている。
中には「 息子が欲しいのなら、家の子をやる。
日本のガキよりいいぞ。」と言う村人も。
「 狼の子は狼だからな。」
2015年03月22日
「 イントゥ・ザ・ウッズ 」

(日)
映画館 : MOVIL横浜
原題 : Into the Woods
邦題 : イントゥ・ザ・ウッズ
製作国 : アメリカ
製作年 : 2014年
上映時間 : 2時間05分
言語 : 英語
種別 : ミュージカル
監督 : ロブ・マーシャル
原作 : スティーブン・ソンドハイム、
ジェームズ・ラバイン
[ キャスト ] ( )内が役名
メリル・ストリープ ( 魔女)
ジョニー・デップ ( オオカミ )
エミリー・ブラント ( パン屋の妻 )
ジェームズ・コーデン ( パン屋の主人 )
アナ・ケンドリック ( シンデレラ )
クリス・パイン ( シンデレラの王子 )
トレイシー・ウルマン ( ジャックの母親 )
クリスティーン・バランスキー ( シンデレラの継母 )
リラ・クロフォード ( 赤ずきん )
ダニエル・ハットルストーン ( ジャック )
マッケンジー・マウジー ( ラプンツェル )
ビリー・マグヌッセン ( ラプンツエルの王子 )
ルーシー・パンチ ( ルシンダ )
タミー・ブランチャード ( フロリンダ )
*************************************
いやあ、まさか、こんな映画だったとは!!
何の予備知識も無く、きっと「 ブラザーズグリム 」や「 スノーホワイト 」みたいなノリの映画かな?
なんて思ってみたのですが、冒頭から出演者達が歌い出すからビックリ!
ミュージカルだったんだ!
この映画は様々な要素を含んでいるので多種多様な切り口で楽しむ事が出来ます。
先ずは、B級コメディとして、大いに笑いましょう!
突然転ぶとか、ドリフか吉本新喜劇かと見紛うばかりのギャグ満載です。
赤ずきんが絶叫するシーンが2番としたら、1番笑えたのはジョニデの狼さんが、
岩の上でそっくり返って吠えるシーンです。
ここで大笑い出来ない人は、払った映画代の元が取れないので、
映画を見る前に顔の筋肉と心をほぐしておきましょう。
ジョニデと言えば数々の映画作品で怪演し、その存在感を不動の物として来ましたが、
この「 Into the woods 」に関して言えば、魔女のメリル・ストリープに完全にお株を奪われています。
メリル・ストリープ凄いぜよ~。
まあ、今回はジョニデの出番は、ほんのちょっぴりで、狼メイクも学芸会レベルの、おまぬけさ。
ジョニデのギャラが払い切れなかったんでしょうか?(笑)
もうちょっと文学的に見ると、登場人物が誰でも必ず1つ間違いを仕出かして、
その罪を背負っていると言う事ですかね。
母親の言い付けを聞かずに寄り道をした赤ずきん。
頭が空っぽなばかりに牛の価値を理解出来ず魔法の豆と交換して母親を嘆かせたジャック。
育ての親である魔女の言い付けを破って王子を塔の中に入れるラプンツェル。
総じて、親からの干渉を逃れ、自立し、成長して行く人々への賛歌と読み取る事も出来ます。
ここまでは、如何にもディズニーらしい脚本です。
ニヘドンも、まんまと騙されました。
ストーリーは、シンデレラが、王子様とお城で結婚する場面で、
めでたしめでたしになる筈だったのです。
ここまでなら、今迄のディズニー映画のプリンセス映画のお約束である
「 真実の愛 」「 純粋な心 」が踏襲されているので、単純馬鹿な脳みそでも理解出来るのです。
しか~し、後半はディズニー自身が「 真実の愛 」に鉄槌を降り下ろしてしまいました。
王子様がパン屋の奥さんにキスしてしまうんだな。
女だてらに1人で森の中を歩く彼女の勇敢さに惚れたらしい。
「 森の中 」だからと言い訳をしておりましたが…。
あ~あ。新婚の王子様が浮気しちゃった。
でもね、シンデレラは鳥の言葉が分かり、後で鳥達から
王子の浮気の事を知らされるのですが、全く意に介さない。
そんな事よりも、今は巨人を倒す事が先決だと決断を下します。
こう言う所は正しく21世紀のシンデレラ像だなぁと感心します。
きちんと時代に即した女性像を取り入れて行く。
セクハラ男に迎合する女を応援すると言う訳の分からない炎上 CMを作って
公開してしまった LUMINE とはエラい違いだ。
赤ずきんが、「 巨人だって人間よ。許してあげたら? 」と巨人打倒計画に
疑問を差し挟みます。
こう言う所も、西側諸国にテロを仕掛けて来る輩に置き換えて考えると、
実に深い問題提起の映画と見る事も出来ます。
グリム童話やぺロー童話等、色々なストーリーをオーバーラップさせて作った脚本に
頭の中を掻き乱されて、ニヘドンはどう言う事か村上春樹の「 パン屋大襲撃 」を思い出して、
映画を見ている間中、パン屋大襲撃のストーリーがチラチラしてしまったのです。
楽しい映画です。
自分で続編や、他のオーバーラップ童話を作ってみるのも楽しいと思いました。
ニヘドンは、魔女に素敵な恋のお相手を見つけてあげたいわ。
いやあ、メリル・ストリープが素晴らしい映画でした。
明日もう一度見てもいいと思います。
もし、この映画を見て楽しめなかった人がいたら、恐らく子供時代に物語に親しんだ
経験の乏しい人か、イマジネーションがかなりの度合い、欠如している人だと思うよ。
LUMINE のCMが面白いと思った人には、こういう脚本はついて行かれないだろうなあ。
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2015年01月13日
「 芙蓉鎮 」

監督 : シェ・チン
邦題 : 芙蓉鎮
英題 : HIBISCUS TOWN
原作 : クー・ホァ
音楽 : クー・ヤン
翻訳 : 白井啓介
製作年 : 1987年
日本公開日 : 1988年03月26日
製作国 : 中国
【キャスト( 右が役名 )】
劉暁慶 ( リュウ・シャオチン )
・・・・・ 胡玉音 ( ヒロイン )
チアン・ウェン
・・・・・ 秦書田
( ヒロインと恋仲に )
鄭在石
・・・・・ 谷燕山
( 米穀管理所の主任 )
徐松子
・・・・・ 李国香
( 国営食堂の女店主 )
祝士彬 ・・・・・ 王秋赦 ( 共産党支部書記 )
【 あらすじ 】
1963年春、 湖南省の小さな町・芙蓉鎮で米豆腐を売る若い夫婦が商売で成功していた。
その成功を妬んだ国営食堂の女店主・李国香が、彼らがブルジョアジーであると当局に密告。
若夫婦の夫は殺害され、店は没収されてしまう。
文化大革命の犠牲となった胡玉音は、同じ境遇の青年・秦書田と恋に落ちて行く。
【 二へドンとこの映画 】
高校生の頃から、せっせと映画館に通っていた二へドンは、日本公開から少し遅れて
この映画を名画座で見ました。
2回目に見たのは2009年01月24日(土)。
それから20年以上が経ち、細かいストーリー等を忘れてしまっていたので再び観ました。
最初に見た時よりも、二へドンも大人になったので(笑)、苦しい境遇の中で、
秦書田と恋に落ちて行く様子には、感情移入も甚だしく、
もうどっぷりと芙蓉鎮の映画の世界に浸ってしまったのでした。
いけすかない女、李国香が、中国でもやっぱり、鼻つまみ者なんだ、
どんな国でも共通なんだ、と笑えました。
もし、あなたがネトウヨで、隙有らば中国の事を口撃しようとしている人であっても、
この映画の秀逸さには、頷いてもらえると確信しています。
**************************
お寺の屋根瓦と、背景の山里の映像。 タイトル。
古い家の台所の土間。
胡玉音は歌を歌いながら石臼を回す。
♪ 結婚相手は親の言いなり ♪
夫がやって来て、 玉音の代わりに石臼を回し始める。
2人共、貧しい田舎の身なりなのに、 実に良い表情をしている。
1963年、屋台で米豆腐を売る玉音。
向かいの国営食堂の女店主・李国香は、玉音の屋台が繁盛しているのが気に入らない様子。
谷燕山主任さんが国営食堂を回ったり、玉音の屋台を回ったりしている。
李国香が玉音の所に行って、「 許可証は有る? 」とせまる。
玉音の屋台は無許可での営業であった。
玉音 「 内職ですから。」
谷主任が止めに入る。 「 いつも顔を合わせている仲だろ?」
広場では、「 五悪分子を広場に集めろ!」 とドラを叩いている男が人を集める。
党支部の夜の会議が開かれる。
国営食堂の女店主・李国香が発言する。
「 人民公社の仕事を混乱させてる。
ウスノロと呼ばれた男( 秦書田 )が『 五悪分子 』を集めた。」
会議は「 今後とも行動を慎む様に。」と言う言葉で締めくくられ解散。
ウスノロは、上司の命令で建物の石壁に白いペンキで「 絶対に階級闘争を忘れるな! 」
とスローガンを書く。
玉音と夫は土地を売って貰えたので石や材木を自分達で背負って家を建てる。
石臼を回すシーンと、家を造るシーンが何度も何度も交互に繰り返される。
玉音の真摯に生きている人間の表情が素敵
玉音達の家が完成し、祝宴が開かれる。
一方、国香はボートに乗っている。
国香「 同志よ。解放後15年と言うのに、この暮らし振りはどうでしょう? 」
そこへ爆竹の音が聞こえ、玉音の所の祝宴だと知らされ顔を雲らせる。
国香「 差は広がるばかり。貧富の差はどんどん激しくなるわ。」
宴の後の掃除を玉音がしていると党支部書記の王氏が通る。
玉音「 どうして昨日、来なかったの? 」
王氏は無言で立ち去る。
王氏は李国香と「 私有財産没収 」等を相談する。
玉音の家を李国香が訪ねて来る。
国香「 今日伺ったのは政治工作班の事で少しお話が…。
お宅の収支、市の日に500杯の豆腐を売る事になっている。
あなたの収入は党の最高幹部と同じだわ。
入り口の貼り紙も右派の男が書いたものでしょ?
実態の調査だけよ。」と言って帰る。
町の集会で、「 資産階級で右派 」の秦( ウスノロ )が引き立てられて来る。
李国香が彼を糾弾する。
「 この男に好感を持つか?
この男は党や社会主義を糾弾しました。
ところが、こんな男の政治活動は誰の指示によるものですか? 」
ウスノロ 「 指導部です。」
国香「 幹部は敵味方の区別を着けずに言っている。
ある露店商が家を新築したのですが、2年9ヶ月に6,600元の純益を上げました。
ところが一部の幹部は、この露店商に援助しています。」
谷が立ち上がり「 便所だよ。」と言い、皆が笑う。
家の土間に雨が降る。
夫「 やっぱり新築の家は手放した方がいいよ。
新築の家を守る為なら人殺しだってやるさ。
実際はやらないけど、覚悟が有るって事さ。」
玉音は、へそくりの 1,500元をお婆さんに預ける相談をする。
玉音は書記長のレイの所に、へそくりの包みを隠す様に頼む。
レイは妻と喧嘩をする。
通りを歩く玉音に対する、すれ違う村人達の視線は冷たい。
王書記長は 1,500元を預かった事を妻に言う。
妻は半狂乱になる。
その金を工作班に届けると言う妻を叩きのめし、王書記長は自分の頭を打ち続ける。
書記長 「 弱い者は踏みつけられて、ただ生きるしかないのか? 」
書記長は以前、玉音と恋仲だったが、玉音を棄て、宿屋の娘と結婚した。
玉音は早朝、荷物を1つ持って村を出て行く。
翌朝、書記長は李国香の所へ 1,500元を持って行く。
李国香は谷の家を訪れる。
李国香「 立派な同士だと思って尊敬して来たのに、こんな大問題を起こすなんて。」
谷は煙草をくわえる。
李国香が炭火を差し出すが、谷はそれを無視して自分で火を点ける。
李国香「 1961年から2年9ヵ月の間に 5940kg 売り渡した。
ブルジョアの玉音に米を融通したわね。」
谷は戦争で負傷し不能になった。
その谷に、李国香が、玉音と関係したと言い掛かりをつけ、谷は激怒する。
李国香は更に玉音とウスノロ、レイとの関係を堕落したと糾弾する。
「 班長を消すつもりだったな。 」と言い掛かりをつけられる玉音の夫。
玉音は川で洗濯をしている。
山奥の村に役人が来て、 人民公社の証明が無いと長居出来ないと言われる。
1964年05月証明書を申請するが、役所は閉鎖。
戸を叩くと、 「 谷さんは、あんたの所為で捕まった。 」と告げられる。
レイの家は自己学習センターになって、長くかかりそう。
玉音の夫は1ヶ月前に殺されてしまった。
ショックを受けた玉音は走り出し、 野原に突っ伏して倒れてしまう。
「 桂桂( クイクイ )」 と泣きながら夫の名を呼ぶ玉音。
そこへウスノロの秦が現れる。
玉音「 貴方の所為よ! 私の婚礼で祝い歌等披露したのが躓きの始まりよ!」
秦は石塔を背に座り、 歌を歌う。
朝靄の中を玉音は、何処へとも知れず歩く。
1966年。 人々がシュプレヒコールを上げている。
「 新富豊の玉音を打倒せよ!」
「 谷の仮面を剥げ!」
「 右派の・・・・・・・!」
「 ニセの左派・李国香を糾弾せよ!」
雨が降る中、玉音が箒で掃除をしている。
階段状の通りを李国香が引き立てられて行く。
李国香は破れた靴を首に掛け、雨の中、壁際に立たされる。
秦、 玉音の2人も、利国香の隣りに立たされる。
李国香は泣く。 「 政治運動で成果を上げたわ。」
男 「 男に抱かれたのも成果か!?」
李国香に箒を渡す泰に、李国香は「 右派の反動のくせに!」 と睨みつける。
秦は「 あんたも人間だな。」と言って立ち去る。
王書記に呼ばれたレイが「 打倒 李国香 」のスローガンを書く様に命令された。
朝、玉音は、かつての自分の新築の家に蜘蛛の巣が張ってあるのを見て涙ぐむ。
秦と玉音は、毎日黙々と階段状の通りで掃き掃除をする。
王書記長が芙蓉鎮に帰って来て、歓迎会が行われる。
王が民衆の前で踊りなどを踊り、笑いを取る。
そこへジープがやって来る。 乗っていたのは李国香。
唖然とする王。
李国香は復権させられたのだ。
李国香「 私は前と同じよ。」
玉音はうつろな表情で結婚前の夫との馴れ初め等を回想している。
赤い蝋燭を2本立てて婚礼のシーン。
玉音「 秦さん。 毎朝呼びに来ないで。
私の一生は、貴方の作ったあの歌で破滅したのよ。
夫を死なせて私までこんな風に。」
さめざめと泣く玉音。
秦「 闇夜が明ければ悪党も出没出来なくなるよ。」
李国香の元を王書記長が訪れる。
王は李国香に声を掛ける。
ドスの効いた声で「 忙しい!」と追い返されてしまう。
レイの家を谷が訪れる。
「 私心を捨て、修正主義を批判せよ、だとさ。」
夜半、秦が玉音の家を訪ねるが、応答が無い。
勝手に家の中に入りマッチの火を灯す。
玉音はベッドで寝ていた。
谷 「 この芙蓉町で一番憐れなのは、あの若い後家だ。
党に金を届けただろう。
お前には良心が無いのか!」
秦 「 生きるか死ぬかだった。 他に方法が無かった。
本当は玉音の事を思うと気が咎めて苦しかった。
谷さん、頼むからもう胡玉音の名前は言うな。」
玉音は具合が悪いので、秦がお粥を作って食べさせようとする。
玉音「 要らないわ。もう死んだ方がいいのよ。」
秦は囲炉裏の火をおこす。
谷 「 お前さん、救いは有るぞ。まだ良心が残っている。」
酒を全部飲み切った谷は、
「 終しまいだ。」と言う。
雪の降る道を「 終しまいだ。終しまいだ。」と繰り返しながら千鳥足で歩く。
谷の叫び声が秦や玉音の元へも届く。
「 終わってなーい!! 」
灯火が灯っている窓を見て、戦争状態と錯乱して攻撃をする真似をしている内に
雪の中に倒れてしまう。
王が床屋でおめかしをしている。
王は再び李国香の家を訪れる。
王は谷が大声で喚いて主任の悪口を言ったと告げ口をする。
李国香「 そう。悪あがきは早く止めないとね。」
途端に態度を変え、李国香は王に酒を注ぎ2人で乾杯する。
李国香「 王さん。今度の運動で実力を見せてくれたら。」
王秋赦「 李さん。お願いします。」と跪く。
王の頬を打つ李国香、
王秋赦「 貴女だけにお仕えしますから。」と言ってすすり泣く。
レイが掃き掃除をしていると、或る窓から男が出て来る。
王秋赦だった。
翌朝、その窓の下に秦と玉音は泥を置いておく。
そして様子を窺う。
案の定、又窓から男が出て来る。
王は泥を踏んで尻餅をついてしまう。
堪え切れず笑う玉音。
玉音は石臼を回して米豆腐を作る。
朝ご飯の支度が出来た所に秦がやって来る。
秦は朝食をご馳走になる。
秦「 直ぐに失礼するよ。」
玉音「 駄目よ。」
手を握り合う秦と玉音。
玉音は「 早く食べてよ。」と秦を叩く。
玉音は丘のお堂でお参りをする。
本堂で観音像を見つめる玉音を抱き締める秦。
秦と玉音は2人で掃き掃除をしながら楽しそうにしている。
秦「 こんな仕事だって恥ずかしくないよ。」
そして「 1・2・3. 1・2・3.」とワルツのステップで掃き掃除を始める。
抱き合いキスをする2人。
そこへ杖をつきながら王がやって来る。
とうとうベッドインする秦と玉音。
ベッドの上で子供の時の写真を見て行く。
秦は両親の写真を見て、「 これが君の舅だ。 これが君の姑だ。」と言う。
或る日、玉音は吐き気を催し、秦に子供が出来た事を告げる。
2人は結婚の許可願いを書く。
王の元へ結婚許可願いを届けに行く。
王 「 何回やった?」
王は許可しない。
「 大高生の男女 」の白い貼り紙が玉音の家に貼られる。
泣き崩れる玉音。
秦 「 時には党の幹部だって気の利いた事をしてくれるよ。
正式に夫婦だと認めてくれた訳だ。」
秦と玉音の2人はご馳走を前に2人だけの結婚式をする。
お酒を酌み交わしている所に外からドアを叩く音がする。
怯える2人。
意を決した秦はドアを開ける。
谷だった。
谷 「 結婚には媒酌人が要るだろう?
肉や魚を、こそこそ買っていただろう。
それでピンと来たんだ。
俺以外に来る客もいないだろう。
反動でも疫病神でも夫婦なら子供が欲しいだろう。」
玉音 「 私達の為に濡れ衣を着せられて申し訳ございません。」
李国香 「 いい気なものね。」
王秋赦 「 逮捕して連行しろ! 」
屋外の公開裁判で秦は懲役10年。
玉音は懲役3年を宣告される。
秦は玉音に言葉を掛ける。
「 豚になっても生き抜け!
家畜になっても生き抜け! 」
或る雪の日、玉音が出産間近になる。
谷がやって来る。
玉音 「 もう直ぐ30歳だから初産は大変なの。」
谷はジープを止め、玉音を病院に運んであげる。
医師は帝王切開をすると言う。
家族の承諾サインをしなければいけない書類に谷がサインをする。
医師をじっと見詰める谷。
谷は半泣き状態。
谷は戦争での辛い体験を思い出していたのだ。
「 新中国の為に前進! 」
雪の上に広がる血のおどろおどろしさ。
玉音は無事に出産。
「 谷軍 」と名前を付ける。
男の子はすくすく育つ。
1979年、家に王と役人がやって来る。
没収された1500元と新築の家の返還を告げられる。
王 「 他に何か希望は有りませんか? 」
玉音 「 夫を返してよ。」
川を渡るフェリーに李国香と秦が乗っている。
李国香 「 あなたの名誉回復を書類に私がサインしたわ。」
玉音の家に行くが彼女は留守。
暫くして帰って来た玉音に秦が訊く。
「 何故居なかった? 」
玉音と秦の二人は胡屋米豆腐店を始める。
秦は20年前のポストに戻り名誉回復をした。
玉音は泣く。
谷 「 1番熱心にお上の先鋒担いだ奴が配置変換になった。」
男がドラを叩きながら「 政治運動万歳! 」と叫ぶ。
秦 「 こいつにも米豆腐をやろう。」と言って食わせてやる。
ドラを叩く男が人混みの中に姿を消すシーンで
「 劇 終 」。
***** 「 芙蓉鎮 」 ・ 完 *****
2014年09月01日
「 8人の女たち 」

原題 : 8 femmes
邦題 : 8人の女たち
原作 : ロベール・トーマ
監督 : フランソワ・オゾン
音楽 : クリシュナ・レヴィ
上映時間 : 111分
公開日 : 2002年11月23日
ジャンル : コメディ / ミステリー /
ミュージカル
字幕 : 古田由紀子
出演 ( )内は役名。
カトリーヌ・ドヌーブ ( ギャビー 【 妻 】)
ダニエル・ダリュー ( マミー 【 妻の母親 】)
イザベル・ユベール ( オーギュスティーヌ 【 妻の妹 】)
ファニー・アルダン ( ピレット 【 主人の妹 】)
ヴィルジニー・ルドワイヤン ( シュゾン 【 長女 】)
リュディヴィーヌ・サニエ ( カトリーヌ 【 次女 】)
エマニュエル・ベアール ( ルイーズ 【 メイド 】)
フィルミーヌ・リシャール ( マダム・シャネル 【 ハウスキーパー 】)
******************************
{ あらすじ }
1950年代のフランス。
クリスマスを祝う為に雪深い土地の大邸宅に、とある家族が集う。
主人が刺殺体となって発見されるが、電話線は何者かによって切られ
外部との連絡が取れない。
外部から隔絶された屋敷の中で、8人の女達が互いに疑心暗鬼に駆られ
そんな中で1人1人の秘密が暴露されていく・・・・・・・。
{ 二へドンの感想 }
別に犯人が誰か分からなくても構いません。
突然、歌い始めたり、一体これはミステリーなのか、ミュージカルなのか
判別できなくても構いません。
これがオール日本人キャストで撮影された日には、「 駄作 」のレッテル貼られて
お蔵入りなんでしょうが、フランス映画だから良いのです。
「 あたし、人生背負ってます。 あらんどろん。」 と言わんばかりの
フランスの女優さん達を楽しめばいいのです。
フランス映画って、何故か最近、超大作の映画が生まれないんですけど、
「 個人的に楽しむのがフランス流よ~ん。 えすかるご。」 みたいに観れば、
ムーランルージュのレビューを見ている様で、とっても楽しくて二へドンは好きです。
*********************************
スワロフスキーの暖簾の映像の後、8つの花がアップになり、女優さんの名が出て来ます。
一変して雪に覆われた屋敷の庭が映し出されます。
雌鹿が枯れ木を食んでいます。
クラシックな赤いコートを着た女性のシュゾンが屋敷に到着する所から、ストーリーが始まります。
車椅子の上で昼寝をしている母親のマミー。
ハウスキーパーのマダム・シャネル。
シュゾン 「 生まれた家に戻れて嬉しいわ。」
新しいメイドのルイーズ。
眼鏡を掛けた妻の妹のオーギュスティーヌ。( シュゾンから見ると「 叔母さん 」)
マミー「 ここで暮せるのもギャビーのおかげよ。」
妻のギャビー( マルセル )と長女のシュゾン、妹のカトリーヌの3人で
「 ♪ パパは世間知らず 」の歌を踊りながら歌う。
眼鏡の叔母さんオーギュスティーヌが、「 夜中に電気の灯りで眠れなかった。」と文句を言う。
家に戻ったカトリーヌは2月で17歳になる。
「 ♪ パパはちょっとズレてる。」 と歌う。
メイドのルイーズが朝食のトレイを旦那様の部屋に運んで行く。
旦那様の死体を発見し、大騒ぎになる。
集った人々が次々に発言をして行く。
メイド「 犬が吠えませんでした。」
「 最後に電話をしたのは?」
カトリーヌ 「 Moi 」。
ギャビーやシュゾンも証言を連ねて行く。
ムッシュ・ファルヌーが新しい協力者となる。
メイド 「 此処に来た時、ファルヌーに喜んで犬がじゃれていました。」
「 遺産相続人は?」
カトリーヌ 「 パパの妹に電話しなくちゃ。 パリでふしだらな生活をして、マルセルを頼って戻って来たの。」
ギャビー「 マルセルとは深い絆で結ばれていたのに。」
マダム・シャネル「 オーギュスティーヌは嫉妬してるんです。 彼女はブスで貧乏だから。」
カトリーヌ「 マミーとパパと叔母さんの仲は? 」
「 母は株券を枕の下に隠していたの。 2人はケチ。」
ルイーズは10月から此処で働いている。
「 本当に・・・・・・ 」
マダム・シャネルは主人の妹のピエレットとカード遊びをしている。
ピエレットはマダム・シャネルに事情を訊く。
ピエレット 「 いつ、此処を出たの?」
マダム・シャネル「 12:00です。」
ピエレット「 誰か訪ねて来た? 」
マダム・シャネル 「 誰も。 1度も誰も来ていません。」
マダム・シャネルは「 ルイーズは男をたらし込む。」 と告発する。
マミー「 パパは破産よ。」
マミーの株券が盗まれてしまった。
娘達皆が、枕元に集って来る。
オーギュスティーヌがピアノを弾き、弾き語りを始める。
マミー、ギャビー、シャネル、カトリーヌの4人が会談に座って左右に揺れながらコーラスをする。
歌が終わるとオーギュスティーヌは眼鏡を外してピアノから立ち上がる。
オーギュスティーヌの顔がアップになり
「 ♪ 人生の重荷になっても私を想って ♪ 」と歌う。
ギャビーが戻って来た。 車が動かない。
カトリーヌ「 探偵小説では相続人が犯人よ。」
シュゾン 「 見て! 誰かが庭に! 」
黒髪のネッカチーフを被った女だった。
それは、主人の妹のピエレットで、ヒッチハイクをして屋敷までやって来たのだった。
ギャビー 「 来た事も無いのに、何故、部屋が分かるの?」
ピエレットがピアノの上に有った鍵で部屋を開けようとしたが、開かない。
「 開かない。 別の鍵よ。 誰かがすり替えたのね。」
ピエレットは笑い、歌い出す。
ピエレットが黒いコートを脱ぐと、真っ赤なスリット入りのスカートに、黒いジャケット姿。
「 ♪ 自由に生きて何になるの? ♪ 」
ピエレット 「 マルセルとは1~2度会ったわ。 偶然に。 」
マミー「 私はマルセルの義理の母よ。」
ピエレットとオーギュスティーヌは同じ読書クラブに入っている。
「 週に5冊は借りているわ。」
ピエレットは本に挟んであった兄への手紙を読んでしまう。
『 マルセルへ。 株の事では母の同意無しで。 貴方に貢ぐ為よ。」
オーギュスティーヌ 「 ギャビーを見返してやりたいの。 愛人は他にもいたって。」
シュゾン 「 ピエレット、 此処に来たの初めて?」
ピエレット 「 Oui. 」
シュゾン 「 嘘よ。 シャネルとカード遊びを。」
ピエレットはマルセルにお金の無心を何度かしていた。
ギャビー 「 私は部屋に居たわ。 物音がしてカトリーヌだと思ったわ。」
カトリーヌ 「 トイレだけ。 読書して気が付かなかった。
そう言えば寝る前に、叔母さんがナイフを砥いでいたのよ。」
ピエレット 「 真珠飾りを磨いていたのよ。」
マミー 「 編み物の毛糸を取りに1階へ下りたわ。」
ルイーズ 「 お茶を運んだ時にオーギュスティーヌと会ったわ。」
シャネル 「 5分後に台所を見たの。 ルイーズがお茶を頼まれて。」
ギャビー 「 夫に最後に出会ったのはルイーズね。」
ルイーズ 「 お茶を運んだら、部屋にピエレットが。 私は直ぐに部屋を出ました。
1万フラン渡して、この事を黙っていないと。」
カトリーヌ 「 昨夜 04:00頃、パパの部屋でシュゾンを見たわ。」
シュゾン 「 パパに認めてもらいたかった。」
ギャビー 「 妊娠したの。」
ルイーズ 「 大雪で門が閉まって外に出られません。」
カトリーヌとシュゾンは窓辺で雪を見ながら話す。
2人で歌と踊りの場面。
ギャビーはシュゾンを娼婦と罵る。
ピエレット 「 貴女も兄と結婚した時、貴女も妊娠してたわね。」
ギャビー 「 おしゃべり! 」
オーギュスティーヌが何か言いかけ、心臓発作で倒れる。
皆はルイーズに注射をする様に言う。
部屋から注射液が消えている。
チラっと目を開けて様子を確かめるオーギュスティーヌ。
オーギュスティーヌは、今、気がついた振りをする。
オーギュスティーヌ 「 死んでもいいのね。注射も打たずに。」
注射液はギャビーのベッドの下に有った。
ギャビー 「 1週間前、夫は貴女に200万遺すと言っていたわ。」
ピエレット 「 自分に取り分が少なくなるのね。」
オーギュスティーヌのお尻にルイーズが注射をする。
シュゾン 「 荷造りしたスーツケースが有ったけど、旅行に行く積もりなの?
私の本当の父親は? 」
ギャビー 「 私が愛した人よ。」
シュゾン 「 今どこなの? 」
ギャビー 「 お前が生まれる前に死んだわ。交通事故で。」
マミー 「 ルイーズが注射を拒否するなんて怪しいわ。
お前のコートとショールが居間に有ったわ。」
シャネル 「 01:00に戻って来ました。」
シュゾン 「 何故? 」
シャネル 「 迎えに。愛するピエレットを守る為です。」
シュゾン 「 レズなの? 」
ギャビー 「 治さなきゃ。病気よ。」
マミー 「 レズビアンと未婚の方、意見が合うわね。」
シャネルは1人でキッチンのテーブルに座って歌を歌う。
♪ 独りは寂しいから あなたを待ち続ける
ピエレットが告白する。
「 兄とルイーズは5年間深い関係なの。
在宅の愛人よ。」
ルイーズ 「 Oui. お互いに好きでした。」
ギャビー「 こんな下品な娘と…。」
ルイーズ 「 上品な女は嫌いだと言っていました。」
オーギュスティーヌがやって来る。
「 母親の教育が悪いからこうなるのよ。」
ギャビーがマミーへ向かって言う。「 足の悪い振りをするアル中女!」
シャネルは「 全て解決です。」 と言って外へ出て行く。
シャネルが戻って来ると、皆は隠れてしまう。
パンと音がしてシャネルは倒れてしまう。
ギャビー「 分かったわ。 彼女はシロよ。」
目を剥くシャネル。
オーギュスティーヌ 「 どうやったら誘惑出来るの?」
ルイーズ「 女の魅力は有るか無いかよ。」
ルイーズは歌う。
カトリーヌ「 可哀想な叔母さん。 パパと寝たかったのにメイドに寝盗られると。」
シュゾンは目配せをする。
マミー 「 ルイーズは嘘を。
刀がめり込んでいるのに、どうして短刀だと…。
お前のパパはあらゆる問題から私を守ってくれたの、分かるの?
私には優しかった。本物の紳士よ。
でも最低の男。今みたいに離婚や別居の出来ない時代よ。」
オーギュスティーヌがマミーの首を絞める。
其処へギャビーがやって来て、マミーを瓶で叩く。
「 納戸で休ませますね。」と言って気絶したマミーを納戸に押し込める。
泣きじゃくるオーギュスティーヌ。
「 何故、毒殺した事を黙っていたの?」
ギャビー「 最悪の1日。」
カトリーヌがシュゾンを不感症呼ばわりして掴み合いの喧嘩になる。
シュゾン「 マルセルは本当。お腹の子はマルセルの子なの。」
突然、態度がデカくなるルイーズ。
ルイーズ 「 風格の無い無能な女主人ね。」
ルイーズはエプロンを取り、白い襟を取り、髪を下ろす。
ギャビーは、エプロンのポケットかろはみ出していた写真を取り出す。
ギャビー 「 この写真は、貴女の昔の女主人ね。」
ルイーズ 「 Oui, madam. 」
ギャビー 「 シャネルは無言。 妹は泣いてばかり。ルイーズは大威張り。」
ピエレットの鞄が有り、シュゾンが開けると、中からピストルが出て来た。
オーギュスティーヌがドレスアップして階段を下りて来た。
ドンっ!と階上からピエレットが下りて来て「 トイレよ!」と言う。
シュゾン 「 私達は犯人に閉じ込められたのよ!」
ピエレット 「 愛人が居るわね? 」
ギャビーは歌う。
ピエレット 「 男を誘惑するには、悪女の魅力が無いとね。
私が昼に来た時、彼は私をドアも開けずに追い返したわ。
それで夜中にまた来たの。」
ギャビー 「 私に愛人が居るのを黙っててくれて、ありがとう。
荷造りも済んでいた。
でも別れの日に殺されてしまった。
夫が拒絶したお金をあげるわ。」
ピエレット 「 50万フラン、男にあげたわ。」
「 ファルヌーが愛人!?」
ピエレット 「 私からお金もファルヌーも奪ったわね。」
2人は揉み合うのですが、流石にフランス映画だなと笑っちゃうのは、
揉み合う内に、二人はキスするんですけど。(笑)
そこへ、4人が外から帰って来る。
シュゾン 「 何してるの? 」
「 お喋りよ。」
彼等は納戸の中からマミーを引っ張り出す。
シャネルが起き上がって全てを話す。
シャネル「 これにはカラクリが有るの。
カトリーヌ、話して。」
カトリーヌ 「 正直な男がいて、8人の女にくたくた。
1、義理の母は株券を渡さなかった。そして盗まれた。
2、オーギュスティーヌがご機嫌伺いに来た。
ギャビーは好きだけど。
3、ママは別れ話を突き付けた。
そしてファルヌーと逃げる。
4.ルイーズ。 得意技は家族の破滅。
5. ピエレット。 50万フランせしめた。
6. シャネル。 嫉妬に狂った。
最後はシュゾン。 妊娠を告げた。
That is a question.
まだ登場していない人が1人いるわ。 パパは泣いていた。
お前はいい子だね。 俺が死ねば全ては上手く行くって。
パパは死んでないわ。 生きてるわ。
みんなの本性を暴く為よ。
みんなは殺人事件だと思って震えたわね。
パパを愛して守ってあげるから。 」
カトリーヌがドアを開けると、パパはピストル自殺をする。
カトリーヌ 「 皆が殺したのよ! 」と叫ぶ。
ギャビーがカトリーヌを抱き寄せ、 階段に座って歌う。
後の6人は静かに踊る。
シャネルとルイーズがペアになって踊り、
ギャビーとオーギュスティーヌがペアになって踊り、
ピエレットとシュゾンがペアになって踊る。
♪ 人生を悟ったときには既に手遅れ
女8人が横一列に並んで静かに立つ。
ヴァイオリンの音とピアノの音が響く中、 右端から次々に手を繋いで行って FIN。
***** 「 8人の女たち 」 ・ 完 *****
2014年03月08日
映画「 死亡遊戯 」

原題 : THE GAME OF DEATH
邦題 : 死亡遊戯
監督 : ロバート・クローズ
製作年 : 1978年
製作国 : 香港
上映時間 : 100分
鑑賞日 : 2011年11月18日(金)
映画館 : ブリリア・ショートショート・シアター
撮影中にブルース・リーが亡くなった為、 未完だったフィルムを基にリチャード・クローズ監督が新たに撮り直したシーンと、ブルース・リーの他の映画から取ったフィルムとをあわせて編集した作品。
日本ではヒットしたが、世界ではヒットしなかったそうである。
と言う事は、日本人は映画の財産を有していると言えるかな。
************************
キャスト ( )内は俳優名。
ビリー・ロー ( ブルース・リー ) ・・・ 世界的なアクション映画スター。
アン・モリス ( コリーン・キャンプ ) ・・・ ビリー・ローの恋人。
ドクター・ランド ( ディーン・ジャガー ) ・・・ シンジケートのボス。
カール・ミラー ( ボブ・ウォール )
スタイナー ( ヒュー・オブライエン )
ジム・マーシャル ( ギグ・ヤング )
スティック ( メル・ノヴァク )
ハキム ( カリーム・アブドゥル=ジャパー )
パスカル ( ダニー・イノサント )
チャーリー ( ジェームズ・ティエン )
カールの試合相手 ( サモ・ハン・キンポー )
合気道の達人 ( 池漢載 )
ヘンリー・ロー ( ロイ・チャオ )
*************************
[ 本日の予告編 ]
☆ 皆既月食の午後に
☆ ミステル・ロココ
☆ ゆっきーな 何れもアプリでダウンロード出来ます!
***************************
ブルース・リーの顔のアップ。
ブルース・リーがヌンチャクを振るうシーン。
題字 「 The Game of death 」
上半身をムキムキして見せるブルース・リー。
ROBERT CLAUS 監督
Allan Pattilo 監督
music by John Barry
トランプやチェスのアイテムとブルース・リーの戦闘のシーン。
コロッセオでのブルース・リーと白人との戦闘シーン。
それを撮影するスタッフの様子。
「 カット! 」 監督が叫んだその時、上から大きな金属の部品が落ちて来て、寸での所で
ビリー・ロー( ブルース・リー )にぶつかりそうになる。
楽屋に白人のドクター・ランドがやって来る。 白いスーツを着ている男だ。
ドクター・ランド 「 忠告に来た。 ロックグループが契約を拒んだ。
2本指を失ったのさ。 照明が落ちて来て。」
タグ :ブルース・リー
2014年02月15日
アンダーグラウンド

原題 : UNDERGROUND
邦題 : アンダーグラウンド
監督 : エミール・クストリッツァ
製作年 : 1995年
製作国 : フランス/ドイツ/ハンガリー
上映時間 : 171分
鑑賞日 : 2011年11月17日(木)
映画館 : シネマ ジャック&ベティ
キャスト : ( )内は役者名
マルコ ( ミキ・マノイロヴィッチ )
ナタリア( ミリャナ・ヤコヴィッチ )
クロ ( ラザル・リストフスキー )
イバン ( スラヴコ・スティマチ ) ・・・ マルコの弟
フランツ( エルンスト・ストッツナー )
ヨバン ( スルジャン・トドロヴィッチ )
ベラ ( ミリャナ・カラノヴィッチ )
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
[ 本日の予告編 ]
☆ 監督失格
☆ おじいさんと草原の小学校
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
我らの父と子供
1941年04月06日 ベオグラード
トランペットや金管楽器を吹きながら走る男達。
先頭には馬車に乗った酔っぱらい二人が札束をばら撒く。
一人はピストルをぶっ放す。
題字 「 アンダーグラウンド 」
「 マチェク副大統領。」吃りの少年がカートのオウムに話し掛ける。
「 マルコとクロのおじさんが来たぞ。」
( スクリーンの人々の乱痴気騒ぎ振りが凄い。見ているこちらが、思わずたじたじとなってしまう程。(笑) )
或る家の前でガウン姿のヴェラが怒って男達( マルコとクロ )を馬車から下ろす。
男同士で口にキスをする。
「 キスは止めろ!」
クロの女房であるヴェラが言う。
「 お前さん達は、いつから飲み始めたの? マルコの女房みたい。」
屋台の魚。アヒルの映像。
娼婦達の衣装が素敵。
「 第1章 ・戦争 」
マルコは入浴中の娼婦のお尻を鏡に映して、ご満悦。
彼女の肛門に花を1輪挿して鏡に映す。
少年は虎のロロに肉片を放り投げる。
足にまとわりつくチンパンジーの赤ちゃんに哺乳瓶でミルクを飲ませる。
チンパンジーは怯え、鳥達も乱れ飛ぶ。
何か様子が変だ。
熊も檻から鼻面を出して落ち着きが無い。
上空を飛行機が何台も何台も飛ぶ。
爆撃を受け、檻はメチャメチャ。
虎は横倒しになる。
( 当時の実写映像を交え、臨場感たっぷり )
チンパンジーのママのバンビーナは首から大量の血を出している。
少年がバンビーナの目を閉じてやる。
マルコはベッドで娼婦とお楽しみ中。
爆撃で家が揺れる。
娼婦は立ち上がる。「 逃げないと殺されるわ。」
建物に1人残ったマルコは窓辺で1人でシコシコ。
( いいよね。こういう人って。(笑) )
クロ夫婦は爆撃のさなかに朝食を取る。
象が窓辺の靴を鼻で取る。
クロ 「 この靴泥棒め!」
ヴェラ 「 あの女の所へ行くんでしょ?」
クロ 「 国を守るんだ。」
ヴェラ 「 あの女を守るのね。」
クロ 「 劇場を愛してるんだ。」
ヴェラ 「 あの女を愛してるんでしょ。」
マルコは黒猫の首根っこで自分の靴を磨く。
廃墟の中をさ迷う人々の実写映像。
当時のニュース映像が流れる。
「 マリボル 」 鍵十字の旗。
「 ザグレブ 」 人々はナチの将校に笑顔で手を上げる。
「 ベオグラード 」
廃墟の中をクロは金髪美女にキスをする。
クロ 「 俺を避けてるな。」
ソコフ 「 道連れは御免よ。
みんなのお金を盗んでるんでしょ? 」
クロ 「 まだ俺を? 」
ソコフは1万ディナルの懸賞金の話をする。
軍人のフランツがソコフに声を掛け、一緒に食事へ行ってしまう。
クロ 「 フランツめ。」
クロは隠れ家にヴェラを連れて来る。
マルコの弟の吃りの少年イヴァンは首を吊って蠢いている。
ゲシュタポ司令部からのニュース。
「 ペタル・ポパラ通称クロとマルコが指名手配。」
マルコ 「 誰かが密告したんだ。」
夜、一団は手荷物を持って移動する。
屋敷の地下に入り、扉を閉める。
ヴェラは産気付いて階段をお尻で一段ずつ下りる。
無事出産。
ヴェラは少年のイヴァンに話し掛ける。
「 イヴァン。具合が悪いよ。
お願い。この子の名前はヨヴァンと。」
ヴェラは息絶える。
3年後、ベオグラードは深刻な荒廃に荒んでいた。
クロはヨヴァンの三歳の誕生日に賭博をしながら飲んだくれる。
楽団が音楽を奏でている。
クロとマルコはハグをする。
ナタリアを落としに行くフランツを男達は羨望の眼差しで見る。
マルコはムスタファと殴り合う。
「 お前達はベオグラードのゴミだ!」
クロもやって来る。
クロ「 もっとやれ! 俺もやるぞ!」
バンドの音楽をBGMに乱闘が繰り広げられる。
劇場で、わざとらしい演技の舞台に観客が拍手をする。
クロがロープを持ってステージへ。
クロ 「 私こそ、ベルタの父親です。」
フランツ 「 知らない役者だな。 どこから入って来たんだ?」
クロは舞台の男優に言う。
「 このドイツの御用役者め! 」
そしてクロは男優を平手打ちする。
フランツが立ち上がる。 フランツは、チチチチと手を振る。
クロはフランツを撃ってしまう。
劇場内は大混乱。
クロはロープで女優のナタリアを背負ったまま地下道を歩く。
そしてナタリアをロープで背負ったまま舟の上で宴会をする。 またもや激しいバンド演奏が流れる。
クロ 「 今日は結婚式だ。」
クロがWCに立った隙に、ナタリアはマルコに媚を売る。
ナタリア 「 ほどいてよ。」「 結婚は嫌。」
マルコはナタリアのロープを解く。
マルコ「 君は知らんだろうが、奴は電気技師なんかじゃない。 ただの電気屋だ。
ナタリア。 君は素晴らしい女優だ。 みんなが君を見たがっている。
だから助言者が要る。 教養が有って。」
舟に乗った人々が歌う。「 同志チトーよ。 頼もしきチトーよ。」
クロが船室の中を覗くと、マルコがナタリアをくどいている所を目撃してしまう。
クロは窓ガラスを割る。
クロ 「 俺は自殺したい。 彼女の為に2人も殺したんだ。」
クロはマルコの首を絞める。
( マルコって、孤高の詩人ロッカー高井つよしさんに似ている。笑。)
舟に乗った人々は翌朝まで乱痴気騒ぎをする。
1人の男が忠告する。 「 ドイツ人が来たぞ!」
フランツがやって来る。
クロ「 殺した筈なのに!」
ナタリア 「 防弾チョッキを着てたのよ。」
ナタリアが走り出て「 撃たないで。」と制止する。
フランツ 「 撃つな。」
ナタリア 「 ダンケ。」
ナタリアはフランツのジープの助手席に座り、行ってしまう。
フランツ「 この蛆虫共を捕らえろ!」
マルコは舟を出し漕ぎ出す。
クロ1人が捕まってしまう。
クロは電気ショックの拷問を受け、武器の隠し場所を訊かれる。
マルコはクロが入れられている精神病院へ地下から潜入する。
フランツがクロの前へ立つ。
クロ 「 このファシストめ!」
フランツとナタリアは、ナタリアの弟の病室に居る。
フランツ 「 オーストリアの病院へ移そう。此処は危険だ。」
医者に扮装したクロはフランツの首を絞める。
マルコは弟を車椅子に乗せ、ナタリアを伴いクロを助けに行く。
マルコは拷問部屋に行き、敵を撃つ。
クロを赤い木箱に入れて運び出す。
クロはトランクの中で手榴弾のピンを外し爆発!!
瀕死のクロを隠れ家に運び込む。
マルコはヨヴァンを抱いて傷だらけのクロを見せる。
マルコ 「 ほら、お前のパパだよ。」
ヨヴァンは泣き叫ぶ。
ナタリアは自分の肖像画や写真が飾ってある部屋で、ご満悦。
ナタリア 「 この部屋をくれるのね。」
低くサイレンが鳴り、爆撃が始まる。
マルコ 「 ドイツ軍が終わったら、今度は連合軍だ。
マルコは踊り、ナタリアに詩を捧げる。
ナタリア 「 マルコ。 あんたは嘘が上手ね。」
ナタリアはマルコに口付けをする。
1944年04月連合軍の爆撃は、1940年のナチの爆撃より熾烈だった。
実際のニュース映像が差し挟まれる。
マルコは電柱に登り叫ぶ。「 自由を! 我等に自由を!」
マルコは大衆の前で演説をする。
ドヴォルザークの曲が流れる。 チャーン、チャン、チャン、チャーン、チャチャーン ♪
第2章 「 冷戦 」
マルコは大統領の側近となったが、クロの事が気掛かりだった。
映画監督がナタリアの出演交渉に来る。
マルコ 「 真の主役は私では無い。 革命だ!」
マルコはクロの記念像の除幕式で演説を行う。
「 風よ、何故吹くのか?
何故、風は吹き続け、空は泣くのか?」 詩を捧げるマルコ。
一方、地下ではクロはバスタブの湯に浸かりながらバンドに演奏させて、ご満悦。
腹を撃たれたマルコが地下の隠れ家にやって来る。
「 ゲシュタポにやられた。」
マルコはクロに伝える。
チトーが言ってる。
「 また外に出るな。彼は決戦に必要な人間だ。」
クロは同志チトーを讃える歌を歌う。
地下は立派な町になっていて、何でも有る。
銃製造工場もシャワールームも。
マルコは偽の空襲警報を流し、偽の放送を流す。
人々は皆、避難する。
隠れ家には、いつの間にか戦車まで!!
マルコは隠しカメラで隠れ家の様子をチェックする。
部屋ではナタリアが黒いスリップ姿で踊る。
地下からエレベーターがせり上がって来て、武器入りの木箱が上がって来る。
マルコは、それをトラックに運び、大金を手にする。
映画の撮影が行われる。
船のシーン。
本物のマルコとナタリアが車で来る。
「 春は白馬に乗って 」
役者がマルコに近付いて来る。
マルコ 「 私にそっくりだ。驚いたなぁ。」
フランツが姿を表す。
マルコ 「 フランツ? それとも俳優? 」
監督 「 俳優です。」
ナチスの旗を身体に巻いているクロに、
「 クロ、何故殺された! 」と抱き付くシーン。
マルコはナタリアに、彼に言う台詞を書いて原稿を渡す。
マルコ 「 何が不足だ? 」
ナタリア 「 真実よ。」
マルコ 「 台本に真実など、有りはしない。芸術は嘘だ。」
地下ではヨヴァンの結婚披露宴が行われている。
マルコとナタリアも出席する。
クロがスピーチ。 同士マルコに祝辞を述べる。
マルコ「 我々は先月だけで小銃を200丁作った。」
ナタリアとクロがいちゃつくのをマルコは複雑な表情で見る。
どもりの子は花嫁にマッチ棒で作った教会をプレゼントする。
クロはヨヴァンを連れて外に出る。
クロ 「 もう15年も待った。外に出て闘うぞ!」
踊り狂う人々。ブラスバンドが高速回転しているのには笑う。
ナタリアが戦車の砲台で怪しくダンス。
ナタリア 「 酔わずに、あんたの顔は見られない。
あんたは私の血を20年も飲み続けて来たわ。」
花嫁のエレナは泣いている。
ヨヴァン 「 何故泣く? 幸せだから泣くんだね。」
クロとヨヴァンは戻っている。
ナタリアはクロとマルコを棒切れで叩く。
ナタリア 「 2人も大嫌い! 私の 20年よ! 私の 20年を返せ!」
チンパンジーが戦車の中に入る。
ナタリア 「 戦争が無ければ。」
『 黒い瞳よ 』の歌詞を言う。
ナタリアはクロに秘密をバラす。
ナタリア 「 何もかも嘘! それが言いたかったの。
この嘘の世界で貴方だけが頼りよ。」
クロ 「 息子よ。女の言葉を信じるな。」
武器製造工場でマルコとナタリアは言い合う。
ナタリア 「 あれから彼等を地下室に閉じ込めたわ。」
マルコ 「 君を愛しているからだ。」
ナタリア 「 私まで共犯者にして!」
マルコ 「 俺には君しかいない。」
ナタリア 「 何て嘘が上手なの? 」
そこへクロがやって来る。
クロ 「 友よ。仲間が仲間を殺すのは忍びない。
これでカタをつけろ。」とピストルをかざす。
戦車の中のチンパンジーは様子を伺う。
マルコは自分のこめかみにピストルを当てる。
が、実際には足を撃つ。
チンパンジーは戦車の砲台に弾を込め、大砲を発射。
地下室はめちゃくちゃになる。
チンパンジーのソニは逃げて行く。
クロはナタリアをロープで背負う。
ソニは地上に出てバスの上に乗る。
リヤカーを自転車で押している男女に出くわす。
息子が「 サルを見なかった? 」と訊くが、女性からは相手にしてもらえない。
ライフルを構えたクロとヨヴァンは外へ出る。
クロ 「 ドナウが臭うぞ。」
彼等は映画の撮影現場に出くわす。
兵隊達が行進している。
兵隊2人が立ち小便をしている。
クロは後ろから2人の首にロープを掛ける。
ナタリアはよろよろと隠れ家へ戻る。
エレナ 「 ヨヴァンは? 」
ナタリア 「 外へ行ったわ。」
マルコがナタリアに近付きキスをする。
クロとヨヴァンは小舟を漕ぎ、撮影隊の舟に近付く。
一方、吃りの少年は地下道を戦車が通り、
その上でアコーディオンを弾いているのを口をボカンと開けて見る。
撮影現場ではペタル(クロ )が死ぬ現場を撮影する。
監督が矢継ぎ早に指示を出している。
クロとヨヴァンは匍匐前進で撮影隊に近付く。
クロはフランツ役の俳優を見る。
クロ 「 あいつめ。15年経っても、ちっとも変わらん。」
パーマのお釜が上がると、クロ役の俳優の顔が出て来る。
ヨヴァン 「 パパにそっくりだ!」
クロはフランツを撃ってしまう。
クロ 「 アディオス、アミーゴ。」
監督 「 これがリアルだ! 続けろ!!」
クロとヨヴァンが車で突っ込む。
監督 「 カメラを回せ!」
クロ役は柱を背負ったまま湖に逃げる。
少年は「 西ドイツに行くが、乗って行かないか?」と声を掛けられる。
西瓜を積んだ小舟でクロとヨヴァンは漕ぎ出す。
ヘリコプターが撮影現場に下りて来る。
刑事にクロ役が小声で言う。
「 奴は、いつも怒鳴っている。リアルに演れ。」
小舟のクロとヨヴァンは夜明けの太陽が昇るのを見る。
ヨヴァンは初めての体験に大感動。
「 美しいね。」
ヨヴァンは木の棒に魚を刺して火で炙る。
クロは泳ぐ。
クロ 「 お前もおいで。」
ヨヴァン 「 泳げないんだよ、タタ。」
クロは西瓜に掴まって泳ぐ。
暫くして、西瓜が水面に浮いているが、クロの姿が無い。
ヨヴァンは「 タタ!」と叫びながら水の中へ入る。
クロが水の中から姿を現す。
クロ 「 心配したか? 泳いでみろ。」
そこへヘリコプターが来て機銃掃射を浴びせる。
クロとヨヴァンは岸辺を走る。
ヘリコプターはクロを撃ち、クロもヘリを撃つ。
ヨヴァンは水中で花嫁のエレナと泳ぐ。
クロはヨヴァンの名を叫びながら水中を探す。
クロは魚採りの網に引っ掛かってしまう。
マルコは車椅子に座っている。
マルコ 「 この国には住めない。」
テーブルの上にはダイナマイトがいっぱい。
マルコは最後の偽物の空襲警報を鳴らす。
マルコとナタリアは地下に下り、ダイナマイトを発火させる。
詩人にして革命家のマルコの突然の失踪が報じられる。
チトーの葬儀のニュース映像。
ザグレブの映像。
ベオグラードの映像。
葬儀に参列する各国の首脳達。
第3章 「 戦争 」
イヴァンは精神病院の木の上にいる。
1941年に同じ名前の男が死んでいる。
医者は地図を開く。
医者 「 この地図は何だ? 」
吃りの少年イヴァン 「 ユーゴスラビアに帰りたい。」
イヴァンの隣に居るのは医者。
医者 「 裏切者は誰か教えてやる。」
イヴァンの兄のマルコと、ナタリアにインターポールから手配書が回って来ている。
イヴァンは荷車を下り、電信柱にすがって吐く。
イヴァン 「 彼が嘘をついた。血を分けた兄弟が…。」
イヴァンはマンホールを開け、地下に下りる。
「 ATHENS 」( アテネ )の看板が見える。
車が来る。
イヴァン 「 止めて! ユーゴスラビア。」
運転手 「 ユーゴスラビアは、もう無い。」
医者 「 イタリアへ行って、美味い物を食おう。」
医者は1人で車に乗って行ってしまう。
イヴァンはチンパンジーのソニと会い、隠れ家へ行く。
壁中の血を見て、イヴァンはパニックになる。
地上ではクロが司令官となって戦争が行われていた、
イヴァンは外へ出て見るが、セルビアとクロアチアの殺し合いの最中だった。
車椅子のマルコが武器の商談をしていた。
後ろからマルコを杖で叩くイヴァン。
マルコ 「 イヴァン、許してくれ。俺はお前を3度救った。」
イヴァンは杖で叩き付ける。
イヴァン「 神様、お許しを。」
屋根の抜けた教会の鐘が鳴る。
イヴァンは教会で首を吊った。
チンパンジーのソニが後ろで、りようこを動かしている。
ボッロボロの車からナタリアが下りる。
ナタリア 「 マルコ、何してるの?」
マルコ 「 聞いてくれ。 酷い戦争だ。 弟が兄を殺すとは!」
「 セルビア兵 16名、 国連兵3名を捕まえました。」
兵隊はマルコとナタリアを撃ち、灯油を掛け、火を放つ。
隊長となったクロは、ヨヴァンを探し続ける。
手にはマルコとナタリアのパスポート。
其処へ、マルコとナタリアの火達磨の車椅子が十字架の周囲をぐるぐると回る。
クロは「 何と言う事だ。」 と十字架に縋る。
クロはソニと群集を引き連れて地下の隠れ家へやって来る。
クロは戦車の上に座る。
クロ 「 猿よ。 こんな事になるとはな。 太陽はもう沈んだ。 月も消えた。」
その時、タタ、タタと声が聞こえる。
井戸の水の中にヨヴァンの姿が見え、クロは井戸の中へ身を投じる。
クロの最初の妻、ヨヴァンと、その花嫁、 ナタリア、 ナタリアの弟、 マルコ。
クロの所縁の人々が皆、泳いでいる。
バンドのメンバーも、水中で演奏。
池から牛が顔だけ出して、群れで泳いで岸辺に上がる。
陸では結婚式のテーブルが置かれている。
ヨヴァンと花嫁と、クロの最初の妻、マルコとナタリアも、テーブルの周囲にやって来る。
妻 「 あの女には来て欲しくなかったわ。」
クロ 「 友達の妻だぞ。」
バンドは、いつもの音楽を奏でている。
ナタリアの弟のバタが自力で立って踊っている。
マルコはクロに言う。 「 許してくれ。」
クロ 「 許す。 でも忘れない。」
イヴァンは、どもらずに淀み無く言う。
「 ここに赤い家を建てるよ。」
「 昔、或る国が有った。」
地割れがし、人々がいる陸地の突端が沖に流されて行く。
「 この物語に終わりは無い。」
エンドロール。
字幕 : 清水香
1995年カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞
エミール・クストリッツァ監督作品
デジタル・リマスター版
***** 「 アンダーグラウンド 」 ・ 完 *****
2014年01月21日
「 ミケランジェロの暗号 」 ・ 後半
この記事は、2011年11月18日に「 ドンドン日記 」にアップした
「 ミケランジェロの暗号 ・ 前半 」の続きの記事です。
前半の記事はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e934378.html
****************************
1943年ベルリン。
ミケランジェロの絵を巡ってイタリア代表団がやって来る。
1人の老人が鑑定をする。
「 本物を見せて頂きたい。これは模写に過ぎない。」
大臣 「 1週間以内に本物を探し出せ!
同盟決裂を防ぐのだ!」
ボス 「 父親は収容所で死んだが、息子は生きている。
直ぐにポーランドへ飛んでくれたまえ。」
ルディはレナと一緒に暮らしている。
ヴィクトルは父親の友人ブリンクに呼び出される。
友人はマウトハウゼン収容所の父の話を聞かせる。
ブリンク 「 君に会ったら伝える様、言われた事が・・・。 『 視界から私を消すな。』」
ヴィクトル「 意味は? 」
ブリンク 「 分からん。」
ナチスがヴィクトルの所にやって来る。
ルディ 「 総統を騙すとは、どう言う事だ? Come here!! Come here!!
命運は尽きたぞ、ヴィクトル。」
ヴィクトル「 本物を差し出さないと困るのは、そっちだろう? レナは?」
ルディ 「 俺と婚約した。」
ヴィクトル「 仕方無くか。」
ルディ 「 レナがお前と付き合ったのは、絵と画廊が目的さ。」
ルディ 「 奴は死ぬ気です。 どうやって説得しろと? 」
ボス 「 どれだけヒムラーが怒るか、分かっているのか? 奴をベルリンに送ろう。」
ヴィクトルが助け出したのは、ルディ。
雪が降る中、2人は向こうの小屋を見つける。
ルディ 「 歩けない。」
ヴィクトル 「 優秀な民族は無敵なんだろう? 」
2人は小屋の中に入る。
ルディ 「 何故、俺を助けた? 」
壁に「 ポーランドに自由を 」と書いてある。
ここがパルチザンの小屋だと知り、パルチザンに殺されるのを怖れ、ルディにヴィクトルの服を着させる。
ナチの制服を隠そうとすると、ナチが来るので、ルディの制服を着て出て来るヴィクトル。
2人は、すり代わったまま、演技をするヴィクトル。
( こう言うユーモアが、ヨーロッパ映画では自然に出ていて好感度抜群! )
ボス 「 ズボンを下ろせ。 ユダヤ人なら割礼しているだろう。」
医者がズボンを下ろして見る。
医者 「 これは割礼だ。」
ルディ「 これは包茎を治したんだ。」
ヴィクトルはズボンを下ろそうとして、言う。
「 絵はスイス銀行に有る。 母と奴が行かなければ出せない。」
ボス 「 スイスには、スイスの法が有る。 手は出せん。」
ナチはレナを呼び出し、ポーランドに飛んで婚約者に会えと言う。
ヴィクトルはルディに会う。
ヴィクトル 「 お前がこの制服を着たがる気持ちが分かって来た。」
レナがヴィクトルとルディに会いに入って来る。
呆然と佇むレナ。
レナはヴィクトルに、「 貴方が無事で嬉しいわ。」と言う。
ボスが命令を出す。
レナが母親の護送役にチューリッヒに行く。
モーリッツに無線を送るレナ。
ヴィクトルとレナはキスをする。
レナ 「 制服を脱がないの? 」
ヴィクトル 「 まだ必要だ。」
雪の中、レナは車に乗る。
列車の中でレナと母とナチはコンパートメントに乗っている。
一方、ルディとヴィクトルは、飛行機でチューリッヒへ。
ヴィクトルとレナが送った無線の文面がボスに手渡される。
ボス 「 我々は大まぬけか? 」
飛行機はチューリッヒではなく、ウィーンに到着する。
ヴィクトルは腹を殴られる。
ヴィクトルは電話で母と話す。
母はスイスで逮捕されてしまった。
母 「 刑務所に入るけど、もう収容所に戻らなくて済むのよ。」
レナが代わる。
ルディが電話をもぎ取る。
ベルリンから最後通告が来る。「 06:00迄だと。」
ルディはヴィクトルのこめかみにピストルを当てる。
ヴィクトル 「 絵の在り処なんて知らない。 全ては父が計画し、そして死んだ。」
ルディ 「 奴が戻ろうとした所は?」
ボス 「 屋敷だ。」
ナチはヴィクトルを連れて屋敷で絵を探す。
父の肖像画が失くなっているので、ルディの鞄をルディが探す。
絵が出て来た! 喜ぶルディとボス。
そこへ、ムッソリーニ政権が倒れたと連絡が入る。
ボス 「 総統は倒れない。 ユダヤ人は好きにしろ。 絵は私が預かる。」
ルディ 「 一筆書いてもらうぞ。 あの絵と画廊は俺に譲ると。」
戦争が終わり、次々に人が戻って来る。
星条旗の有る部屋でヴィクトルは1908年の或る部屋でカウフマンと言う男が、
ナチの制服を着て写っている写真を見せる。
「 君の名は、ルドルフ・スメカルだろうって。」
モーリッツと、母、レナが面会に来る。 涙の再会。
画廊の持ち主となったルディがオークションを行なう。
ヴィクトル、母、レナの3人は画廊の近くに来る。
母 「 やっぱり行きたくない。」
ヴィクトルは1人で中に入る。
ヴィクトルはルディと再会する。
ルディ 「 昔の事はともかく、君に会えて嬉しいよ。」
ヴィクトル 「 母が父の肖像画を買い戻したいって。」
ルディ 「 進呈するよ。」
ベロティー二がミケランジェロの絵を鑑定する。「 この絵は本物では無い。」
ヴィクトル、母、レナの3人は、肖像画の裏を破り、中に本物が有るのを確認する。
ヴィクトルは画廊の窓ガラス越しに父の肖像画を掲げてルディにウィンクする。
エンドロール。
***** 「 ミケランジェロの暗号 ・ 後半 」 ・ 完 *****
「 ミケランジェロの暗号 ・ 前半 」の続きの記事です。
前半の記事はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e934378.html
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1943年ベルリン。
ミケランジェロの絵を巡ってイタリア代表団がやって来る。
1人の老人が鑑定をする。
「 本物を見せて頂きたい。これは模写に過ぎない。」
大臣 「 1週間以内に本物を探し出せ!
同盟決裂を防ぐのだ!」
ボス 「 父親は収容所で死んだが、息子は生きている。
直ぐにポーランドへ飛んでくれたまえ。」
ルディはレナと一緒に暮らしている。
ヴィクトルは父親の友人ブリンクに呼び出される。
友人はマウトハウゼン収容所の父の話を聞かせる。
ブリンク 「 君に会ったら伝える様、言われた事が・・・。 『 視界から私を消すな。』」
ヴィクトル「 意味は? 」
ブリンク 「 分からん。」
ナチスがヴィクトルの所にやって来る。
ルディ 「 総統を騙すとは、どう言う事だ? Come here!! Come here!!
命運は尽きたぞ、ヴィクトル。」
ヴィクトル「 本物を差し出さないと困るのは、そっちだろう? レナは?」
ルディ 「 俺と婚約した。」
ヴィクトル「 仕方無くか。」
ルディ 「 レナがお前と付き合ったのは、絵と画廊が目的さ。」
ルディ 「 奴は死ぬ気です。 どうやって説得しろと? 」
ボス 「 どれだけヒムラーが怒るか、分かっているのか? 奴をベルリンに送ろう。」
ヴィクトルが助け出したのは、ルディ。
雪が降る中、2人は向こうの小屋を見つける。
ルディ 「 歩けない。」
ヴィクトル 「 優秀な民族は無敵なんだろう? 」
2人は小屋の中に入る。
ルディ 「 何故、俺を助けた? 」
壁に「 ポーランドに自由を 」と書いてある。
ここがパルチザンの小屋だと知り、パルチザンに殺されるのを怖れ、ルディにヴィクトルの服を着させる。
ナチの制服を隠そうとすると、ナチが来るので、ルディの制服を着て出て来るヴィクトル。
2人は、すり代わったまま、演技をするヴィクトル。
( こう言うユーモアが、ヨーロッパ映画では自然に出ていて好感度抜群! )
ボス 「 ズボンを下ろせ。 ユダヤ人なら割礼しているだろう。」
医者がズボンを下ろして見る。
医者 「 これは割礼だ。」
ルディ「 これは包茎を治したんだ。」
ヴィクトルはズボンを下ろそうとして、言う。
「 絵はスイス銀行に有る。 母と奴が行かなければ出せない。」
ボス 「 スイスには、スイスの法が有る。 手は出せん。」
ナチはレナを呼び出し、ポーランドに飛んで婚約者に会えと言う。
ヴィクトルはルディに会う。
ヴィクトル 「 お前がこの制服を着たがる気持ちが分かって来た。」
レナがヴィクトルとルディに会いに入って来る。
呆然と佇むレナ。
レナはヴィクトルに、「 貴方が無事で嬉しいわ。」と言う。
ボスが命令を出す。
レナが母親の護送役にチューリッヒに行く。
モーリッツに無線を送るレナ。
ヴィクトルとレナはキスをする。
レナ 「 制服を脱がないの? 」
ヴィクトル 「 まだ必要だ。」
雪の中、レナは車に乗る。
列車の中でレナと母とナチはコンパートメントに乗っている。
一方、ルディとヴィクトルは、飛行機でチューリッヒへ。
ヴィクトルとレナが送った無線の文面がボスに手渡される。
ボス 「 我々は大まぬけか? 」
飛行機はチューリッヒではなく、ウィーンに到着する。
ヴィクトルは腹を殴られる。
ヴィクトルは電話で母と話す。
母はスイスで逮捕されてしまった。
母 「 刑務所に入るけど、もう収容所に戻らなくて済むのよ。」
レナが代わる。
ルディが電話をもぎ取る。
ベルリンから最後通告が来る。「 06:00迄だと。」
ルディはヴィクトルのこめかみにピストルを当てる。
ヴィクトル 「 絵の在り処なんて知らない。 全ては父が計画し、そして死んだ。」
ルディ 「 奴が戻ろうとした所は?」
ボス 「 屋敷だ。」
ナチはヴィクトルを連れて屋敷で絵を探す。
父の肖像画が失くなっているので、ルディの鞄をルディが探す。
絵が出て来た! 喜ぶルディとボス。
そこへ、ムッソリーニ政権が倒れたと連絡が入る。
ボス 「 総統は倒れない。 ユダヤ人は好きにしろ。 絵は私が預かる。」
ルディ 「 一筆書いてもらうぞ。 あの絵と画廊は俺に譲ると。」
戦争が終わり、次々に人が戻って来る。
星条旗の有る部屋でヴィクトルは1908年の或る部屋でカウフマンと言う男が、
ナチの制服を着て写っている写真を見せる。
「 君の名は、ルドルフ・スメカルだろうって。」
モーリッツと、母、レナが面会に来る。 涙の再会。
画廊の持ち主となったルディがオークションを行なう。
ヴィクトル、母、レナの3人は画廊の近くに来る。
母 「 やっぱり行きたくない。」
ヴィクトルは1人で中に入る。
ヴィクトルはルディと再会する。
ルディ 「 昔の事はともかく、君に会えて嬉しいよ。」
ヴィクトル 「 母が父の肖像画を買い戻したいって。」
ルディ 「 進呈するよ。」
ベロティー二がミケランジェロの絵を鑑定する。「 この絵は本物では無い。」
ヴィクトル、母、レナの3人は、肖像画の裏を破り、中に本物が有るのを確認する。
ヴィクトルは画廊の窓ガラス越しに父の肖像画を掲げてルディにウィンクする。
エンドロール。
***** 「 ミケランジェロの暗号 ・ 後半 」 ・ 完 *****
2014年01月18日
「 テザ 慟哭の大地 」 ・ 後半
この記事は、「 ドンドン日記 」に 2012年01月08日にアップした
「 テザ 慟哭の大地 ・ 前半 」の続きの記事です。
→ http://nihedon.hama1.jp/e939715.html
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夜、アンベルブルは眠っている母親の頭を、そっと撫でる。
外でアザヌが男にレイプされそうになる。
大声で叫ぶアザヌの声に村人が集まって来る。
村人 「 悪いのは、この浮浪者じゃない。 この女だ! 」
アンベルブルはアザヌにコートを掛けてやる。
母親 「 お前は居なかったから分からないんだから。」
アザヌは出て行く。
母親は「 夜中だから、居て。」と言うが、女は出て行ってしまう。
母親 「 あの女は、この村中から憎まれ蔑まれている。」
カサンドラの母親は人種差別に耐え切れず自殺した。
ケルンでアンベルブルと仲間達は政治にのめり込んで行く。
「 国や愛情より政治が優先だった。」
アンベルブルは長老から「 結婚する事を母親は望んでいる。」と告げられる。
アンベルブルは突然立ち上がる。
アンベルブルは、粉屋で働いているアザヌの所へ行く。
「 あの村になんて戻れないわ。」と大泣きするアザヌを抱き締めるアンベルブル。
アンベルブルとアザヌは二人で船に乗る。
アザヌは、或る男の子供を生んだが、男は別の女と結婚。
その結婚式で、ブチ切れたアザヌは背中の赤ん坊を地面に叩きつけて殺してしまった。
ケルンのアパートで一緒に暮らしている連中は TV を見ている。
ニュースがエチオピア皇帝セラシエの退位を報じる。
バーの人々は大喜び。
カサンドラはギャビが生んだ子供のテオドロスを膝に乗せる。
カサンドラはアンベルブルに訊く。「 子供欲しい? 」
アンベルブルは無言で立ち去る。
カサンドラは寂しそうに俯く。
テスファエは思わず、カサンドラが中絶した事をバラしてしまう。
その後カサンドラは姿を消してしまう。
アザヌの漕ぐ船に乗るアンベルブル。
アンベルブルとアザヌは草むらに座り make love。
アンベルブルの家に戻って働くアザヌ。
アンベルブルが部屋に入ると、鞄の中を漁っている男。
「 この本は全部お前が書いたのか? 」と捨て台詞を吐いて去って行く。
アジス・アベバ 1980年代。
テスファエを追ってアンベルブルもアジス・アベバに入国する。
二人はテスファエの家へ。
アンベルブルは、テスファエの息子、テオドロスの写真を数枚手渡す。
ショックを受けるテスファエ。
アンベルブル 「 二人共、元気だ。」
庭園では結婚式が行われている。
アンベルブル 「 政治は、もういいよ。」
テスファエ 「 此処はドイツじゃないんだ。 味方でないって事は、敵って事だ。」
夜、水道からポタポタ垂れる水滴の音で起きてしまうアンベルブル。
テスファエがアンベルブルを研究室に案内する。
研究員達が勝手に断食明けに牛を屠っている。
アンベルブル達はベランダから、連行される旧政府の高官の夫婦を見る。
子供達が泣き叫ぶ。
アンベルブル 「 我々の世代は自己矛盾に陥っていた。
俺達、知識人が、政府を混乱させたんだ。
結局、同じ火で焼かれる羽目になるのを。」
アンベルブルの歓迎パーティーにしては、全く地味なパーティー。
結婚式が行われている庭で、女性が男に近付く。
女 「 アブドゥル同士。 ファシストに加担した罪で、貴方を処刑します。」
女は有無を言わさず、男の頭部をピストルで撃つ。
返り血を浴びたアンベルブルは呆然としてしまう。
アンベルブルの独白 「 政治には関わらない様にした。 仕事に没頭する為だ。」
アンベルブルの所に運び込まれた死体を前に、「 これは事故だ。 サインをしろ。」
と強要されるが、アンベルブルは断る。
死体の手から血が滴り落ちる。
水道の水滴も、ポタポタ落ちる。
「 メンギスツ万歳!」を叫ぶ人々が行進している。
バーで飲むテスファエとアンベルブル。
1人の軍人がアコーディオンの伴奏で歌を歌う。
母を想う歌だが、節回しは、まるで日本の演歌!
アンベルブルは自己批判裁判に呼ばれた。
だがアンベルブルは母を訪れようとバスに乗る。
結局、自己批判裁判に出頭させられる。
大臣「 貴方は革命を侮辱した。 命に関わりますよ。
貴方が自分の言葉を撤回するかどうかです。」
アンベルブル「 断ります。」
テスファエが弁明をする。
研究室の研究員達に、「 言葉を撤回する位、何よ。」と説得される。
絶対に頷かないアンベルブルに、研究員達は立ち去る。
再び裁判所に出頭させられたアンベルブル。
アンベルブル「 撤回します。」
白い壁に映る、項垂れたアンベルブルの頭のシルエットが印象的。
アンベルブルは研究室の庭で嘔吐する。
夜、バーでテスファエとアンベルブルは乾杯する。
そこへ、大威張りで絡んで来る男のグループがいた。
テスファエとアンベルブルは黙って外に出て車に乗る。
そこへジープが、アンベルブルの乗った車を囲んでしまう。
軍人達は、「 イタリアからエチオピアを解放して!」と演説する老人を連行して行く。
離れた所で車を止め、テスファエは、アンベルブルに休暇の許可が下りたと書類を渡す。
3ヶ月間の休暇の許可が下りたのだ。
テスファエ「 俺は東ドイツに送られる。 もう帰って来ないよ。」
アンベルブル「 自分を誘い込んでおきながら、自分は抜けると言う。酷い裏切りだ。」
研究室の周囲では発砲が起こり、アンベルブルがベランダに出てみると、
テスファエが群集に惨殺されていた。
追っ手がアンベルブルの所に迄来たが、アンベルブルは辛うじて逃げおおせる。
逃げおおせたものの、アンベルブルに心の静けさは無く、水道の水滴にイラつく。
テスファエの事を想うアンベルブル。
「 テスファエはイタリアとの戦争で孤児になった。」
233号室のドアを叩く手の映像。
アンベルブルがドアを開けると、ライフルを持った軍人達にジープの中に連行されてしまう。
大臣の所へ連れて行かれるアンベルブル。
大臣「 テスファエ先生の死は残念でした。」とお茶を淹れる。
大臣「 革命には貴方方、知識人が必要です。 代わりに東ドイツに行って下さい。」
アンベルブルは、青い毛布を被って、水道の蛇口からの水滴の音に耐える。
アンベルブルライプツィヒに着くと、ギャビとテオドロスを訪ねた。
西ベルリンの仲間達とバーで会う。
ギャビ 「 How is he ? 」
アンベルブル「 テオドロスはどうしてる? 」
ギャビ 「 私の手には負えないわ。 女手1つで育てて来たのに、怒ってばかりで。」
ギャビとアンベルブルは、テオドロスの所に行く。
テオドロスは、「 Uncle ! Uncle ! 」とアンベルブルに抱きついて来る。
テオドロスは詩で闘うと言う。
テオドロス 「 朗読会に来て欲しいんだ。 エチオピアの踊りを教えてよ。」
アンベルブルは、テスファエの死を伝えられない。
台詞を練習するアンベルブル。
手に棒等を持った男達が、アンベルブルを殴りかかる。
「 黒んぼめ!」 等と叫びながら、アンベルブルを殴り、ベランダから階下に投げ落とす。
独白「 ワルクの遺体が運ばれる時、ブレヒトの戯曲『 肝っ玉おっ母 』を思い出した。」
******************************
アザヌはアンベルブルの子供を宿す。
家の外の隙間から、老人達が、一緒に寝ているアンベルブルとアザヌを覗く。
伯父達 「 あの女は魔女だ。」
朝、アンベルブルの家にデブ男がやって来る。
アンベルブルの所に、小学校の先生の自転車が運ばれて来た。
「 自転車だけが倒れていた。 先生の姿は無い。 ご無事でいるかのう。」
夜、アンベルブルはアザヌのお腹に耳を当て、パニックに陥る。
長老 「 お前の夢に出て来る穀物は国民だろう。
これはお前の現状への苛立ちだ。
うなされる夢は、お前の苛立ちを現している。
教育が役に立たないと言う苛立ちだ。」
腹部を切り刻まれたワルクが、ずっと唸っている。
アンベルブルが治療をしてやる。
臨月になったアザヌをアンベルブルが舟に乗せて島へ渡る。
デブ男がやって来る。
「 あの女を、この紳士に引き渡して欲しい。 あの女の所為で子供ができん。
あの女の腹を切り裂いてやる。」
アンベルブルはラジオでメンギスツ政権打倒の革命の様子を英語放送で聞く。
「 真の社会主義国家はアルバニアだけです。」
アンベルブルが小学校で子供達を教える。
アザヌは子供を生み、人々は鳥の様な甲高い声を上げる。
言い伝えでは私達は竜の子孫だと言う。
彼等は竜の遺伝子を受け継ぎ、私達の子供はテスファエと名付けられた。
洞穴の中の子供達が松明を灯し、じっとしている。
「 この作品をムル・バスと妹エルサに捧ぐ
そして差別の犠牲となった全ての黒人とエチオピアの若者達に 」
***** 「 テザ 慟哭の大地 ・ 後半 」 ・ 完 *****
「 テザ 慟哭の大地 ・ 前半 」の続きの記事です。
→ http://nihedon.hama1.jp/e939715.html
****************************
夜、アンベルブルは眠っている母親の頭を、そっと撫でる。
外でアザヌが男にレイプされそうになる。
大声で叫ぶアザヌの声に村人が集まって来る。
村人 「 悪いのは、この浮浪者じゃない。 この女だ! 」
アンベルブルはアザヌにコートを掛けてやる。
母親 「 お前は居なかったから分からないんだから。」
アザヌは出て行く。
母親は「 夜中だから、居て。」と言うが、女は出て行ってしまう。
母親 「 あの女は、この村中から憎まれ蔑まれている。」
カサンドラの母親は人種差別に耐え切れず自殺した。
ケルンでアンベルブルと仲間達は政治にのめり込んで行く。
「 国や愛情より政治が優先だった。」
アンベルブルは長老から「 結婚する事を母親は望んでいる。」と告げられる。
アンベルブルは突然立ち上がる。
アンベルブルは、粉屋で働いているアザヌの所へ行く。
「 あの村になんて戻れないわ。」と大泣きするアザヌを抱き締めるアンベルブル。
アンベルブルとアザヌは二人で船に乗る。
アザヌは、或る男の子供を生んだが、男は別の女と結婚。
その結婚式で、ブチ切れたアザヌは背中の赤ん坊を地面に叩きつけて殺してしまった。
ケルンのアパートで一緒に暮らしている連中は TV を見ている。
ニュースがエチオピア皇帝セラシエの退位を報じる。
バーの人々は大喜び。
カサンドラはギャビが生んだ子供のテオドロスを膝に乗せる。
カサンドラはアンベルブルに訊く。「 子供欲しい? 」
アンベルブルは無言で立ち去る。
カサンドラは寂しそうに俯く。
テスファエは思わず、カサンドラが中絶した事をバラしてしまう。
その後カサンドラは姿を消してしまう。
アザヌの漕ぐ船に乗るアンベルブル。
アンベルブルとアザヌは草むらに座り make love。
アンベルブルの家に戻って働くアザヌ。
アンベルブルが部屋に入ると、鞄の中を漁っている男。
「 この本は全部お前が書いたのか? 」と捨て台詞を吐いて去って行く。
アジス・アベバ 1980年代。
テスファエを追ってアンベルブルもアジス・アベバに入国する。
二人はテスファエの家へ。
アンベルブルは、テスファエの息子、テオドロスの写真を数枚手渡す。
ショックを受けるテスファエ。
アンベルブル 「 二人共、元気だ。」
庭園では結婚式が行われている。
アンベルブル 「 政治は、もういいよ。」
テスファエ 「 此処はドイツじゃないんだ。 味方でないって事は、敵って事だ。」
夜、水道からポタポタ垂れる水滴の音で起きてしまうアンベルブル。
テスファエがアンベルブルを研究室に案内する。
研究員達が勝手に断食明けに牛を屠っている。
アンベルブル達はベランダから、連行される旧政府の高官の夫婦を見る。
子供達が泣き叫ぶ。
アンベルブル 「 我々の世代は自己矛盾に陥っていた。
俺達、知識人が、政府を混乱させたんだ。
結局、同じ火で焼かれる羽目になるのを。」
アンベルブルの歓迎パーティーにしては、全く地味なパーティー。
結婚式が行われている庭で、女性が男に近付く。
女 「 アブドゥル同士。 ファシストに加担した罪で、貴方を処刑します。」
女は有無を言わさず、男の頭部をピストルで撃つ。
返り血を浴びたアンベルブルは呆然としてしまう。
アンベルブルの独白 「 政治には関わらない様にした。 仕事に没頭する為だ。」
アンベルブルの所に運び込まれた死体を前に、「 これは事故だ。 サインをしろ。」
と強要されるが、アンベルブルは断る。
死体の手から血が滴り落ちる。
水道の水滴も、ポタポタ落ちる。
「 メンギスツ万歳!」を叫ぶ人々が行進している。
バーで飲むテスファエとアンベルブル。
1人の軍人がアコーディオンの伴奏で歌を歌う。
母を想う歌だが、節回しは、まるで日本の演歌!
アンベルブルは自己批判裁判に呼ばれた。
だがアンベルブルは母を訪れようとバスに乗る。
結局、自己批判裁判に出頭させられる。
大臣「 貴方は革命を侮辱した。 命に関わりますよ。
貴方が自分の言葉を撤回するかどうかです。」
アンベルブル「 断ります。」
テスファエが弁明をする。
研究室の研究員達に、「 言葉を撤回する位、何よ。」と説得される。
絶対に頷かないアンベルブルに、研究員達は立ち去る。
再び裁判所に出頭させられたアンベルブル。
アンベルブル「 撤回します。」
白い壁に映る、項垂れたアンベルブルの頭のシルエットが印象的。
アンベルブルは研究室の庭で嘔吐する。
夜、バーでテスファエとアンベルブルは乾杯する。
そこへ、大威張りで絡んで来る男のグループがいた。
テスファエとアンベルブルは黙って外に出て車に乗る。
そこへジープが、アンベルブルの乗った車を囲んでしまう。
軍人達は、「 イタリアからエチオピアを解放して!」と演説する老人を連行して行く。
離れた所で車を止め、テスファエは、アンベルブルに休暇の許可が下りたと書類を渡す。
3ヶ月間の休暇の許可が下りたのだ。
テスファエ「 俺は東ドイツに送られる。 もう帰って来ないよ。」
アンベルブル「 自分を誘い込んでおきながら、自分は抜けると言う。酷い裏切りだ。」
研究室の周囲では発砲が起こり、アンベルブルがベランダに出てみると、
テスファエが群集に惨殺されていた。
追っ手がアンベルブルの所に迄来たが、アンベルブルは辛うじて逃げおおせる。
逃げおおせたものの、アンベルブルに心の静けさは無く、水道の水滴にイラつく。
テスファエの事を想うアンベルブル。
「 テスファエはイタリアとの戦争で孤児になった。」
233号室のドアを叩く手の映像。
アンベルブルがドアを開けると、ライフルを持った軍人達にジープの中に連行されてしまう。
大臣の所へ連れて行かれるアンベルブル。
大臣「 テスファエ先生の死は残念でした。」とお茶を淹れる。
大臣「 革命には貴方方、知識人が必要です。 代わりに東ドイツに行って下さい。」
アンベルブルは、青い毛布を被って、水道の蛇口からの水滴の音に耐える。
アンベルブルライプツィヒに着くと、ギャビとテオドロスを訪ねた。
西ベルリンの仲間達とバーで会う。
ギャビ 「 How is he ? 」
アンベルブル「 テオドロスはどうしてる? 」
ギャビ 「 私の手には負えないわ。 女手1つで育てて来たのに、怒ってばかりで。」
ギャビとアンベルブルは、テオドロスの所に行く。
テオドロスは、「 Uncle ! Uncle ! 」とアンベルブルに抱きついて来る。
テオドロスは詩で闘うと言う。
テオドロス 「 朗読会に来て欲しいんだ。 エチオピアの踊りを教えてよ。」
アンベルブルは、テスファエの死を伝えられない。
台詞を練習するアンベルブル。
手に棒等を持った男達が、アンベルブルを殴りかかる。
「 黒んぼめ!」 等と叫びながら、アンベルブルを殴り、ベランダから階下に投げ落とす。
独白「 ワルクの遺体が運ばれる時、ブレヒトの戯曲『 肝っ玉おっ母 』を思い出した。」
******************************
アザヌはアンベルブルの子供を宿す。
家の外の隙間から、老人達が、一緒に寝ているアンベルブルとアザヌを覗く。
伯父達 「 あの女は魔女だ。」
朝、アンベルブルの家にデブ男がやって来る。
アンベルブルの所に、小学校の先生の自転車が運ばれて来た。
「 自転車だけが倒れていた。 先生の姿は無い。 ご無事でいるかのう。」
夜、アンベルブルはアザヌのお腹に耳を当て、パニックに陥る。
長老 「 お前の夢に出て来る穀物は国民だろう。
これはお前の現状への苛立ちだ。
うなされる夢は、お前の苛立ちを現している。
教育が役に立たないと言う苛立ちだ。」
腹部を切り刻まれたワルクが、ずっと唸っている。
アンベルブルが治療をしてやる。
臨月になったアザヌをアンベルブルが舟に乗せて島へ渡る。
デブ男がやって来る。
「 あの女を、この紳士に引き渡して欲しい。 あの女の所為で子供ができん。
あの女の腹を切り裂いてやる。」
アンベルブルはラジオでメンギスツ政権打倒の革命の様子を英語放送で聞く。
「 真の社会主義国家はアルバニアだけです。」
アンベルブルが小学校で子供達を教える。
アザヌは子供を生み、人々は鳥の様な甲高い声を上げる。
言い伝えでは私達は竜の子孫だと言う。
彼等は竜の遺伝子を受け継ぎ、私達の子供はテスファエと名付けられた。
洞穴の中の子供達が松明を灯し、じっとしている。
「 この作品をムル・バスと妹エルサに捧ぐ
そして差別の犠牲となった全ての黒人とエチオピアの若者達に 」
***** 「 テザ 慟哭の大地 ・ 後半 」 ・ 完 *****
2013年12月07日
ニューイヤーズ・イブ

原題 : New Year's Eve
邦題 : ニューイヤーズ・イブ
監督 : ゲイリー・マーシャル
製作国 : アメリカ
製作年 : 2011年
上映時間 : 118分
日本公開 : 2011年12月23日
鑑賞日 : 2011年12月28日(水)
映画館 : 109シネマズ川崎
キャスト ( )内は役名。
ハル・ベリー ( エイミー看護師 ) ジョン・ボン・ジョヴィ ( ジェンセン )
ジェシカ・ヒール( テス ) アビゲイル・ブレスリン( ヘイリー )
クリス・“ リュダクリス”・ブリッジス ( ブレンダン )ロバート・デ・ニーロ( スダン )
ジョシュ・デュアメル ( サム ) ザック・エフロン ( ポール )
ヘクター・エリゾンド ( コミンスキー ) キャサリン・ハイグル ( ローラ )
アシュトン・カッチャー( ランディ ) セス・マイヤーズ ( グリフィン )
リア・ミシェル ( エリーズ ) サラ・ジェシカ・パーカー( キム )
ミシェル・ファイファー( イングリッド ) ティル・シュヴァイガー( ジェイムズ )
ヒラリー・スワンク( クレア )
***********************************
高度な文学書ばかり読んでいると、ふと、ハーレクイン・ロマンスが読みたくなる。
そして読んでみると、なかなか楽しい。 芸術的価値なんか無くても、楽しいものって有る。
健康の為にカロリー計算や栄養計算された良妻賢母の作った手作り料理ばかり
食べていると、たまには無性にジャンクフードが食べたくなって、そういう時の
ジャンクフードは、これがまた、たまらなく美味しいものである。
映画だって同んなじ。 たまには内容の無い、軽い恋愛物を観てみたくなる。
アメリカのお馬鹿な恋愛映画は、お洒落で、二へドンが愛好している映画ジャンルだ。
そういう訳で、何の期待も無く、普通に観て、普通に忘れる・・・・・・・・筈だった。
しかし!! この映画を観てから、かれこれ2年が経過している。
なのに、なのに、なかなか良い映画だったと今でも記憶に残っているのだ。
これがヒット・メイカー、監督のゲイリー・マーシャルの実力なのか!?
この作品には、洋画ファンならずとも、1度は聞いた事の有る俳優さんの名前が
わんさか登場して来る。
言うなれば、「 芸能人新春かくし芸大会! 」みたいなノリの映画作品なのだ。
俳優さんを知らなくったって、ストーリーだけで充分楽しめる。
内容が無い恋愛娯楽映画の筈なのに、何故か、ぐっと心に残る物が有る。
映画ファンの二へドンにとっては、知ってる俳優さん達が次々にスクリーンに登場する
同窓会に参加した様な気分に浸れて嬉しかった作品でも有る。
また観たいな。 季節は丁度、師走だしね。
*******************************
映画館に入ると、凄い満席状態でたまげた。
いつも映画館、貸切かの様な空いている状態で映画鑑賞をしているので、
2列目と言う、映画を観るにはふさわしく無い様な席に二へドン以外に8人も座っているんだよ!?
[ 本日の予告編 ]
☆ 僕等がいた 前編
☆ シャーロック・ホームズ 2012年1月公開 ロバート・ダウニーJr. が凄いイケてる!!
☆ ものすごくうるさくて ありえないほど近い 3月10日
「 多くの人に出会って別れる 」のフレーズに心震えた。
自分も、どれだけ多くの人に会って別れて来たのだろう・・・・。
****************************
馬車の乗って笑い声を立てる子供の姿。
ロックフェラー・センターのクリスマス・イルミネーション。
モノローグ「 何故この1日に集るのか? new year 」
タイムズスクエア周辺の雑踏の映像。
クレア・モーガン( ヒラリー・スワンク )が車から下りてイラジオのンタビューに応える。
ショートヘアの女性が14丁目でバスを下りる。
その直後タクシーに撥ねられそうになりゴミの山の上に倒れ込んでしまう。
妻が臨月のお腹を抱えたハーン夫妻が病院の待合室で、
新年を迎えて初めて生まれた赤ちゃんに25,000ドル貰えるとTV番組で聞き、その気になる。
髭面のランディ( アシュトン・カーチャー )は部屋に居る。
2013年09月07日
「 メガトロン 」

英題 : Megatron
邦題 : メガトロン
監督 : マリアン・クリサン
制作国 : ルーマニア
種別 : ドラマ
特記事項 : 2008年カンヌ国際映画祭
短編部門パルムドール
( 最優秀賞 )受賞
***************************
両親の離婚で離れ離れになった父親を恋い慕う少年の一こまを
淡々と描いたドラマ。
日本や韓国でこういうシナリオの映像作品を作ったら、
お涙頂戴の、臭い臭~い作品に仕上がると思うのだけれども、
さすがルーマニア(?) 白い妖精コマネチの様に、サラリと描きました。
タイトルのメガトロンとは、世界の少年たちを風靡した
「 トランスフォーマー 」シリーズノロボットの名前。
実は二へドンの息子ちゃんも、小さい頃はトランスフォーマーに嵌まり、
国内で売っていたフィギュアのおもちゃは全部買い与えました。
それでも足らずに、シンガポールのトイザラスでも日本未発売のロボットを
買った程です。
だから、メガトロンが欲しい少年の心情と、自分の息子ちゃんの思い出を
重ね合わせて、それだけでもう、涙が出そうになりました。
少年にとっての絶対的なヒーローがメガトロンだとすると、
家庭の中でヒーローの役割をすべき父親が不在である少年の心が
まるで演出が施されていない様な、素っ気無さの映像の中に滲み出ていて、
切ないねえ。
少年に取って、メガトロンも手に入らなければ、父親も手に入らない。
そんな少年が悪知恵を働かせて、父親には会える様になった。
健気な少年の姿に拍手です。
やっぱ欧米人は、早くから子供を自立させようと言う意識が徹底しているよなあ。
そんな感想を抱いた二へドンですが、皆様はどの様に感じるのかしら?
*****************************
食卓に着いている7歳位の男の子の姿が映る。
マキシム 「 メガトロン有るかな? 」
母親は出掛ける支度をしている。
マキシム坊やはおもちゃのピストルを要求し、母親が手渡すと、リュックを背負って母親と一緒に外へ出て自転車に乗る。
マキシム坊やは、母親よりずっと先を走る。
2人の背中をカメラは暫く追う。
2人は駅前に到着し、自転車置き場に自転車を置くと鍵を掛ける。
プラットホームの無い駅。
鶏の鳴き声が聞こえる。
列車がやって来て、目の前で停まる。
列車に乗り込む2人。
マキシム坊やはポータブル・ゲームをやり始める。
列車のガタゴトいう音。
列車を下りると建物が1つも見えない道路っ端でヒッチハイクをする。
白いバンが停まってくれる。
助手席に座る2人。
運転手 「 坊や、名前は? 」
マキシム 「 マキシム・アドリアン。今日で8歳になったんだ。」
運転手 「 将来の夢は? 」
マキシム 「 宇宙飛行士かパワーレンジャーだよ。」
運転手 「 お父さんは? 」
母親 「 離婚したの。」
マキシム坊やはロボットのメガトロンが欲しくて町にやって来たのだ。
ヒッチハイクの車を下りると、今度はバスに乗るマキシムと母親の2人。
彼らはマクドナルドへやって来る。
ロボットがおまけに付いて来るハンバーガーセットを頼む。
生憎メガトロンは品切れ。
マキシム坊やは、メガトロンじゃないと嫌だと言う。
マクドナルドの店内は音楽が流れている。 ポップスの曲だ。
( 二へドンはルーマニアに行った事は無いが、ソ連の陣営だった時代の面影は
影をひそめてしまったのか。 ちょっと感傷に浸る。)
レジの店員が値段を告げる。
「 13レイ20バン。」
母親は財布が無いと言って必死に探す。
店員 「 ゆっくりお探し下さい。」
結局頼んだ物を受け取らずに、そのまま店を出る。
マキシム「 パパにお金借りたら? お願い! パパに電話して!」
マキシム坊やが携帯で父親に電話して、父親に来て貰う事になった。
店の中に戻り、父親を待つ2人。
母親 「 皆と遊んでらっしゃい。」
マキシム坊やが席を立つと、エンドロール。
****************************
え!? これでお終い!?
今まで多種多様の映像作品を見て来た二へドンも、この唐突な終わり方に
唖然。 茫然。 面食らってしまいました。
再会した夫と、よりを戻しそうな雰囲気になるとか、もうちょっとオチ付けられなかったのかしらね?
***** 「 メガトロン 」 ・ 完 ************
2013年09月03日
「 offside 」

邦題 : オフサイド
監督 : Leanna Creel
上映時間 : 12’34’’
種別 : ドラマ
製作年 : 2000年
製作国 : イスラエル
フライヤーの解説 : 第一次大戦下、英独両軍が銃を向け合い対峙する最前線。
そこで1つのサッカーボールが引き起こした出来事・・・。
映画館 : ブリリア・ショートショート・シアター
鑑賞日 : 2009年05月16日
****************************
戦争物の戦争映画は、ともすれば、戦闘シーンをお金を使って荒々しく描けば
戦争スペクタクルとして評価されると言う誤った認識が、
製作側も、観客の側も有るのが、二へドンが気に入らない点なのだが、
ショートフィルムだと、もっと本質的な主張が見られて、
ドキュメンタリーの訴求力が有って好きだな。
*****************************
鉄条網の横を警備の兵士2人が歩きながらサッカーのラジオ中継を聞いている。
が、電波の状態が悪く、レシーバーを持っている男はレシーバーを色々な方角に
向けて、より良い電波を探してみる。
突然、柵の向こうにライフルを構えた兵士が出て来て、お互いに銃を構えながら
睨み合う。
レシーバーを持った男は、うっかりとレシーバーを落としてしまう。
レシーバーは境界線に落ち、その拍子にサッカーの中継がクリアに聞こえ始める。
イタリアとブラジルの試合であった。
ロナウジーニョ、ロベルト・カルロス、ロナウド・デスピエロ等の名前が聞こえる。
突然、電波の具合が悪くなり、音声が途切れる。
しばらくして、ラジオの音声が聞こえる。
「 ロナウドが決めました!」
兵士達はお互いに撃ち合い、双方が倒れる。
ラジオ「 オフサイド! 信じられません!
こんな判定を下されるなんて! 予想外の展開でした!! 」
***** 「 offside 」 ・ 完 ***************
2013年09月02日
「 座って! 座って! 」

邦題 : 座って! 座って!
英題 : Sit down! Sit down!
監督 : 笹田留美
上映時間 : 22’00’’
種別 : コメディ
製作国 : 日本
製作年 : 2007年
映画館 : ブリリア・ショートショート・シアター
鑑賞日 : 2009年05月16日
[ CAST ]
☆ 笹田留美 ・・・ 万引き女
☆ 大江原正樹
☆ 長谷川大輔
☆ 川崎桜
*******************
このショートフィルムはインパクト有りました!
日本映画とは思えないインパクト!
こういう作品がニヘドンのツボなのだが、毎月ブリリア・ショートショート・シアターに通ってショートフィルムを見続けているニヘドンでも、残念ながら、この作品に続くインパクトの有る日本製ショートにはお目にかかっていないのです。
俳優さん達の演技も素晴らしい!
ショートフィルムのスピード感、凝縮されたエスプリ、日本の作品に欠けている要素を十二分に持った秀作だと思います。
もっともっと上映されて良い作品です。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
白いレースの襟の付いたブラウスを着たショートカットの女性のアップ。
女 「 存じません。知りません。
きっと誰かが私のバッグに入れたのよ。
そうだわ。私一度バッグを床に置いたんです。
きっと子供が悪戯したんだわ。」
店長 「 警察を呼ぶぞ。」
女 「 どうして私が警察へ? 」
店長 「 じゃ警察を呼ぼう。」
女 「 盗ってません。迷ってただけです。」
泣き始める女。
店長は煙草を吸い始める。
店長 「 あんたは出身どこ? 」
女 「 生まれは東京です。育ちは静岡です。」
店長 「 あっちはいいよね~。何の職業? 」
女 「 声楽を教えています。
店長さん。お鼻が詰まっているでしょ? 」
と言って発声練習を指導する。
女 「 さっき、私の書類、見て笑ったでしょう?
伊藤つかさ。昔のアイドルの名前。
私が小さい頃、父が失踪して私はいつもお腹を空かしていました。
音楽の先生になるのが夢でした。
でも家は何時まで経ってもピアノを買えなくて。
店長さん、このブラジャー、地味だと思います?
そうですよね。私には合っているわ。
私、2年間好きな人がいたんです。
お友達にオペラに誘われて、そこで彼に会ったんです。
彼から連絡が有って、お食事に行ったり、ども段々疎遠になり…。
フィアンセがいたんです。
彼は国立音大の助教授なんです。
初めてこんなに人を好きになったのに、一途な女は駄目ですか?
待つ女は駄目ですか?
私の何処が駄目ですか?
私、泣きませんから。
絶対泣きませんから。」
と言って泣き出す女。
女 「 私、寂しいんです。フラれてから夜も眠れないんです。
私、今年で 37歳なんです。
あ、私は4年前、母が亡くなって、私にはもう、兄しか居ないんです。
実は私、小さい時から兄と一緒に万引きしてたんです。
私、料理も習って、下着も輸入物の高いのを買ってました。
でも、今日、お宅の店で安いブラを見て、つい。
あの人と結婚したい。 でも身分が違い過ぎる。」
店長「 まあ、大変だったなあ。 あんたもね。」
女 「 お優しい方。 もう2度と万引きなんかしません。
あー。 スッキリした。 もやもやが消えて。」
ドアがノックされ、ミニスカートのケバい女が入って来る。
店長は、今迄話を聞いていた女に向かって言う。「 あんたは、もういいよ。」
ケバい女は哺乳瓶を2つテーブルの上に置く。
店長「 あんた、名前は? 」
先ほどの女が店長に声を掛ける。
「 あの店長さん、私、まだお話が・・・・・・。
今度はレジを通ります。」
女は部屋を出て行く。
*****「 座って! 座って! 」 ・ 完 ************
2013年08月30日
「 タクシー 」

この日に見たのは2つのプログラム。
「 ラテン・プログラム 」と「 祭りプログラム 」。
朝夕、秋を感じさせる風が吹く様になりましたが、
まだまだ映画は熱いよ! と言う素敵なセレクション。
「 ラテン・プログラム 」の中に、
「 タクシー 」と言う作品が有りました。
実はこれ、2009年05月16日(土)にブリリア・ショートショート・シアターで見ていたのです。
当時のメモを記したノートがたまたま机の上に乗っていたのでこれも何かの縁だと思い、
ブログにアップしてみようと思います。
******************************
英題 : Taxi ?
邦題 : タクシー
監督 : Telmo Esnal
製作国 : スペイン
製作年 : 2007年
上映時間 : 05分00秒
種別 : コメディ
フライヤーの解説 : タクシー運転手の出す試練にパスしなければ、
目的地にはたどり着けない。
鑑賞日 : 2009年05月16日(土)
プログラム : Z program
*******************************
中年男性が携帯電話で話をしながら駅舎から出て来る。
「 あまり寝てないよ。 寝台は狭いからね。」
男は母親と話をしているのだ。
彼は駅前の路上でタクシーを止める。 タクシーは男の前でキュッと音を立てて急停車する。
男はタクシーのドアを開け、荷物を乗せると、自分はぐるりとタクシーの後ろを回り込んで
反対のドアを開けて乗り込む。
座席に収まると、行き先をメモを見ながら行き先を告げる。
すると運転手は尋ねる。
運転手「 お喋り、有り? 無し? 」
男 「 有り。」
運転手 「 話題は? 」
男 「 政治で。」
運転手 「 テロ対策か? 不動産バブルの崩壊か? 」
話の途中で男の放ったスラングに、注意をする運転手。
男 「 ねえ、話題を変えていいか? スポーツ。 スラング有りで。」
男は、自分の応援チームの話に熱弁を奮う。
キュッとタクシーが止まる。
男 「 もう着いたのか? 早いな。」
男は9.5ユーロを払ってタクシーを降りる。
すると其処は、最初にタクシーに乗り込んだ駅舎の前だった。
呆然とする男の前に、またタクシーが止まる。
男は用心して、タクシーの様子を窺う。
運転席から顔を出したのは、女性の運転手だった。
今度は大丈夫だろうと思ってタクシーに乗り込んだ男に向かって
女性運転手は尋ねる。
運転手「 会話有り? 無し? 」
男 「 無し。」
運転手 「 ラジオかける? 音楽? 」
エンドロール。
黒地の背景が流れる中、音声だけが聞こえる。
「 タクシー!」
「 会話有り? 無し? 」
「 あのタクシーの野郎! タクシー!」
******************************
思わずにやりとしてしまう作品。
ずっと以前にもブログに書いたのだけれども、タクシーに乗って困る事は、
運転手がおしゃべり好きの人なのか、おしゃべりが嫌いな人なのか、
判断が付くのに時間が掛かるって言う事。
車内で気まずい空気が流れるのも嫌だけど、運転手の好まない話題を振るのは
運転の妨げになると思うと遠慮して話しかけられないし。
運転手の方から話しかけてくれるとありがたいのだけれどもね。
だから、日本でも、会話有り無しを最初に選択出来ると、乗客も運転手も楽かもしれないよね。
***** 「 タクシー 」 ・ 完 ***********************
2013年06月13日
ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツアルトの出会い
この記事は2010年05月12日に「 ドンドン日記 」に書いた
「 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツアルトの出会い ・ 前半 」の続きの記事です。
前半はこちら ⇒ http://nihedon.hama1.jp/e841673.html
*************************
[ スタッフ&キャスト ]
監督 : カルロス・サウラ
キャスト ( ( )内が役名 )
ロレンツォ・バルドゥッチ ・・・ (ロレンツォ・ダ・ポンテ)
リノ・グアンチャーレ ・・・ (モーツァルト)
エミリア・ヴェルジネッリ ・・・ (アンネッタ)
トビアス・モレッティ ・・・ カサノヴァ)
エンニオ・ファンタスティキーニ ・・・ (サリエリ)
フランチェスカ・イナウディ
フランコ・インテルレンギ
セルジョ・フォレスティ
*************************
1781年 ウィーン。
黒い外套を着て髭面になったロレンツォは、ウィーンにやって来る。
ロレンツォは部屋で髭を剃り落とし、顔を洗う。
ここで流れる音楽に二へドンは、くすっと笑ってしまった。
だって、♪ 鼻から牛乳~ の、あのメロディーだったのですから。
ロレンツォは窓を開ける。
向かいの教会からオルガンの音が聞こえてくる。
ロレンツォはオルガンを無心に弾いている男の背後に、そっと近寄る。
ロレンツォ「 ロレンツォ・ポンテです。」
モーツァルト「 アマデウス・モーツァルトです。」
2人は握手をする。
( モーツァルト役のリノ・グアンチャーレが可愛い
)
モーツァルト「 ウィーンにようこそ。」
ステージで女性歌手がチェンバロの伴奏でアリアを歌う。
ロレンツォが客席に来て、椅子に座る。
他の女性がうがいをして、ガラガラ音を立てる。
もう1人の歌手が、カヴァリエーリに対抗する様に歌う。
一方、うがい女が邪魔する様に声を張り上げると、カヴァリエーリは怒ってステージを下りてしまう。
指揮をしているサリエリに、女性歌手2人は文句を言う。
ロレンツォがサリエリにジャコモ・カサノヴァからの手紙を渡す。
伯爵がお取り巻きを従えてやって来る。
伯爵「 フェラレーゼ嬢を起用した効果は? 」
サリエリは皇帝にロレンツォを紹介する。
サリエリは皇帝に「 亡命中なので、仕事を探しています。」と進言する。
伯爵はロレンツォに、オペラの台本を書く様に命じる。
側近が「 カスティがいる。」 と言うが、「 作曲家モーツァルトがいる。」と言う。
伯爵「 ザルツブルグの革命児か。」
オペラのステージ。 とは言っても、書き割りも何も無く、ただ歌手が突っ立って歌うだけ。
モーツァルト作曲の「 フィガロの結婚 」を歌う。
♪ 愛が何かをご存知の皆さん
頭が爆発の男の所へ、アドリアーナ・フェラリーゼとロレンツォがやって来る。
頭爆発男はカサノヴァだった。
今は執筆に没頭している。
カサノヴァは洗礼の代母だったヴィアトリスの絵をロレンツォに見せる。
ロレンツォはアンネッタを思い出す。
カサノヴァ「 余り裕福とは言えなかった君が、今ではヨーロッパ1のオペラ作家に。」
( フェラレーゼ嬢は、ソプラノ歌手にしては、喋り声は低くて、
二へドンは違和感を感じてしまいました。 )
カサノヴァは、「 新たなるドン・ジョヴァンニの構想 」をロレンツォに耳打ちする。
モーツァルトは水を入れたお風呂に入っている。
ロレンツォ・ダ・ポンテとサリエリがオペラの依頼にモーツァルトの家にやって来る。
コンスタンツェ「 うちはメイド代も払えないんだし。」
モーツァルト「 イタリア人の悪巧みを聞くとしよう。」
モーツァルトは服を着て、咳をしながら2人の前に現れる。
サリエリ「 陛下の依頼でオペラの新曲をお願いに来た。」
モーツァルト「 題材とは? 」
サリエリ「 機会が来たら、いずれまた。
単純で軽快なオペラの曲をお願いします。」
悪ふざけをするモーツァルトにサリエリは1人で帰って行く。
ロレンツォは「 ドン・ジョヴァンニだ。」と告げる。
モーツァルト「 二番煎じはご免だ。」
ロレンツォはストーリーの構想を話し始める。
『 ドン・ジョヴァンニが貴族の娘ドンナ・アンナを誘惑するつもり。
彼は二階によじ登り、彼は部屋に入ると服を脱ぐ。
ドンナ・アンナを見下ろすドン・ジョヴァンニ。
ヴィヴァルディの「 四季 」が流れる。
「 ドンナ・アンナ。アモレミオ。」
ドンナ・アンナは叫び続ける。
ドン・ジョヴァンニの召し使いレポレッロがバルコニーの見張りに行った。』
ロレンツォは、この様な構想を熱を込めてモーツァルトに話す。
夜、雷鳴が轟く中、ロレンツォは執筆をしている。
アドリアーナがベッドから声を掛ける。
「 私だけの見せ場を作る約束よ。」
一方、モーツァルトは作曲中。
コンスタンツィンが「 出来たのは、これだけ? 」と不満顔。
モーツァルトとコンスタンツィンはドイツ語で話をしている。
コンスタンツィンはモーツァルトの事を「 ヴォルフィ 」と呼ぶ。
コンスタンツィン 「 今日はレッスンの日よ。 現金収入よ。 早く行って。」
モーツァルトは女性のチェロの伴奏をチェンバロで弾く。
ところがモーツァルトは生徒そっちのけで、途中で自分の作曲を始めてしまう。
その生徒はアンネッタだった。
アンネッタはモーツァルトに問い掛ける。「 台本はロレンツォ・ダ・ポンテ? 」
モーツァルト「 知り合いなの? 」
アンネッタ 「 ヴェネツィアでは父の友人でした。」
舞台稽古の現場。
舞台の上でドン・ジョヴァンニと父親が斬り合うシーンをたっぷりと見せてくれる。
休憩に入ると、舞台袖にアンネッタが立っていた。
ロレンツォ「 アンネッタ。 貴女なのですか? 」
アンネッタは黙って軽く頷く。
アンネッタとロレンツォはカフェに行く。
アンネッタ「 最初にお会いした時は、まるで夢の様でした。
でも貴方は悪魔を見る様に立ち去った。」
アンネッタは父の死後、ウィーンに移り住んでいたのだ。
そこへ、アドリアーナ( ロレンツォの愛人の歌手 )が、カーテンの陰からじっと2人を見ている。
ロレンツォ「 アンネッタ。 アモレ・ミオ。」
ロレンツォはアンネッタの手を握る。
アンネッタ「 もう遅過ぎます。 婚約したので。」
ロレンツォ「 婚約? 誰と? 」
アンネッタ「 貴方ではないわ。」
立ち去るアンネッタに、ぶつかる様にアドリアーナがやって来てロレンツォの向かいに座り、
勝手に練習を始めたとロレンツォをなじる。
ロレンツォ「 君こそ僕の掛け替えの無いナイチンゲールです。
アドリアーナは立ち上がり、皆に聞こえる様に言う。
「 デ・ポンテは私の恋人です!」
ロレンツォはアドリアーナを床に突き飛ばし、アドリアーナは泣き叫ぶ。
ロレンツォは玉突きをしているモーツァルトに窮状を訴える。
ロレンツォはアドリアーナに主役の座を約束していたのだ。
モーツァルト「 もう1人、ドン・ジョヴァンニを追う女を作れば? 」
「 ほくろを左目下に2つ、右口元に1つ、首下に1つって多くない?」
フェラリーゼはカサノヴァと出会う。
アドリアーナはフェラリーゼに言う。「 ドン・ジョヴァンニが家庭を持ち、良き夫になったとしたら? 」
フェラリーゼは、アンネッタの事をカサノヴァに言う。
カサノヴァは、ロレンツォの女性遍歴の名を記した紙をアドリアーナに渡す。
ロレンツォは花束を持ってアンネッタを訪ねる。
アンネッタ「 婚約中なので、頂けませんわ。」
ロレンツォは亡くなった男の妹( アンネッタの叔母 )に出会う。
ロレンツォとアンネッタは白いリネンを2人掛かりで畳みながら、話をする。
( このシーンは独創的で面白い。)
アンネッタ「 私は婚約していません。」
ロレンツォ「 アンネッタ。」
そこへアンネッタに手紙が来る。 アンネッタは直ぐに開けて読む。
そして、その手紙をロレンツォに突き出す。
アンネッタ「 2度と私の前に現れないで!! 」
アンネッタは叫び、ロレンツォを外へ追い出す。
モーツァルトは蝋燭を点けたまま、机にうつ伏せになって眠っている。
スタンツィ( 妻のコンスタンツィン ) が手を伸ばし、モーツァルトを起こす。
スタンツィはコーヒーを淹れる為にふいごで火を熾こす。
モーツァルトはピアノに向かい、「 ドン・ジョヴァンニ~。」 と歌い出す。
モーツァルトは急に胸を押さえ、唸って床に倒れる。
スタンツィはモーツァルトをベッドに寝かせる。
モーツァルトがカサノヴァにキャストを紹介する。
カサノヴァ「 世紀の色爺ぃの話なんですよ。
こんなに人数が少なくてはイタリア女性への軽蔑です。
1003人の大台に乗せましょう。」
♪ 大きな女は~ 小さな女は~ ♪
アリアを1曲丸々聞かせてくれる。 オペラ・ファンには嬉しいシーン。
練習が終わり、モーツァルトは手紙を受け取り読む。
モーツァルトの様子がおかしいので、ロレンツォも、その手紙を読んでみる。
モーツァルトのお父さんが亡くなったと言う知らせだった。
モーツァルトは舞台裏に座ってすすり泣く。
モーツァルト「 私は父を愛していた。
他の子供と遊ばせずにピアノを弾かせ、私は神童だった。
彼の世界では私は息が出来なかった。
『 悪魔が連れて行くぞ。 』と叱られ、批判されてばかり。
自分の息子が勝っていると知ると、嫉妬したんだ。
父の死を願った。」
アリアが流れる。 ♪ 誰か助けて ♪
ロレンツォ「 しっかりして、 モーツァルト。
仕事に打ち込めば、不幸は克服出来ます!」
モーツァルト「 このオペラは完成出来ない。
このオペラを完成させれば、僕も地獄に堕ちる。」
ロレンツォ「 跪いて。 」
モーツァルトは、言われるがままに跪き、両手を合わせる。
ロレンツォは祈りの言葉を唱える。「 アーメン。」
サロンでアラビアの音楽が奏でられ、べりーダンスが踊られる。
モーツァルトとロレンツォは酒を飲み、空騒ぎをする。
モーツァルト「 いい店を教えてくれたね。」
客席には誰もいあない。
モーツァルト「 アンネッタの事は残念だったね。」
ロレンツォ「 アンネッタに再会させたのは貴方だ。 貴方の罪だ。」
オペラ本番の日にチェリストが1人急病になり、モーツァルトの要請で
アンネッタが代役で入る。
白いカツラを被り、オーケストラ・ピットでチェロを弾くアンネッタ。
舞台の上ではドン・ジョヴァンニとドンナ・アンナのアリアが演奏されている。
雪の積もった通りを歩くモーツァルト。
そこをロレンツォが掴まえる。
ロレンツォ「 アンネッタはどうでした? 」
モーツァルト「 完璧な演奏でしたよ。」
ロレンツォ「 そうじゃなくて、何か言ってませんでしたか? 」
ロレンツォは1人でブラブラと雪の街を歩く。
「 おいらは鳥刺し 」の音楽が流れる。
ロレンツォが椅子に座って眠っている所を、アンネッタが入って行く。
ロレンツォ「 ドアを開けておきました。」
アンネッタ「 私が来ると思って? 」
ロレンツォ「 祈っていました。」
アンネッタはロレンツォをベッドに寝かせてキスをする。
オペラのラストについて、カサノヴァに語るロレンツォ。
ロレンツォ「 彼は責任を全うします。」
カサノヴァ「 地獄の業火に晒すとは。」
ロレンツォ「 いえ、私がドン・ジョヴァンニなのです。」
カサノヴァ「 彼女の為? 恋に落ちたからね。」
ロレンツォとアンネッタが並んで立っているのを見てカサノヴァは驚く。
アンネッタ「 2人の愛を認められないのでは?」
カサノヴァは杖を搗いて憤然と出て行く。
初日の舞台の日。 客席は満員。
父親が再登場する雷のシーン。
終わった後、客席からの拍手はパラパラ。
伯爵「 見事な作品だ。 ただ何と言うか、ウィーン市民には濃過ぎる内容だ。」
お客A 「 何てふしだらなの。」
お客B 「 モーツァルトも終わりだ。」
モーツァルト「 甲斐が有った。 グラツィエ。」
ロレンツォは広場の男から罵倒される。「 破廉恥だ! 放蕩者を描くなんて!!」
モーツァルトは3年後に35歳で死去。
ロレンツォはニューヨークにて87歳で死去。
ロレンツォとアンネッタはキス。
エンドロール。
***** 「 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツアルトの出会い 」 ・ 完 *****
「 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツアルトの出会い ・ 前半 」の続きの記事です。
前半はこちら ⇒ http://nihedon.hama1.jp/e841673.html
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[ スタッフ&キャスト ]
監督 : カルロス・サウラ
キャスト ( ( )内が役名 )
ロレンツォ・バルドゥッチ ・・・ (ロレンツォ・ダ・ポンテ)
リノ・グアンチャーレ ・・・ (モーツァルト)
エミリア・ヴェルジネッリ ・・・ (アンネッタ)
トビアス・モレッティ ・・・ カサノヴァ)
エンニオ・ファンタスティキーニ ・・・ (サリエリ)
フランチェスカ・イナウディ
フランコ・インテルレンギ
セルジョ・フォレスティ
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1781年 ウィーン。
黒い外套を着て髭面になったロレンツォは、ウィーンにやって来る。
ロレンツォは部屋で髭を剃り落とし、顔を洗う。
ここで流れる音楽に二へドンは、くすっと笑ってしまった。
だって、♪ 鼻から牛乳~ の、あのメロディーだったのですから。
ロレンツォは窓を開ける。
向かいの教会からオルガンの音が聞こえてくる。
ロレンツォはオルガンを無心に弾いている男の背後に、そっと近寄る。
ロレンツォ「 ロレンツォ・ポンテです。」
モーツァルト「 アマデウス・モーツァルトです。」
2人は握手をする。
( モーツァルト役のリノ・グアンチャーレが可愛い

モーツァルト「 ウィーンにようこそ。」
ステージで女性歌手がチェンバロの伴奏でアリアを歌う。
ロレンツォが客席に来て、椅子に座る。
他の女性がうがいをして、ガラガラ音を立てる。
もう1人の歌手が、カヴァリエーリに対抗する様に歌う。
一方、うがい女が邪魔する様に声を張り上げると、カヴァリエーリは怒ってステージを下りてしまう。
指揮をしているサリエリに、女性歌手2人は文句を言う。
ロレンツォがサリエリにジャコモ・カサノヴァからの手紙を渡す。
伯爵がお取り巻きを従えてやって来る。
伯爵「 フェラレーゼ嬢を起用した効果は? 」
サリエリは皇帝にロレンツォを紹介する。
サリエリは皇帝に「 亡命中なので、仕事を探しています。」と進言する。
伯爵はロレンツォに、オペラの台本を書く様に命じる。
側近が「 カスティがいる。」 と言うが、「 作曲家モーツァルトがいる。」と言う。
伯爵「 ザルツブルグの革命児か。」
オペラのステージ。 とは言っても、書き割りも何も無く、ただ歌手が突っ立って歌うだけ。
モーツァルト作曲の「 フィガロの結婚 」を歌う。
♪ 愛が何かをご存知の皆さん
頭が爆発の男の所へ、アドリアーナ・フェラリーゼとロレンツォがやって来る。
頭爆発男はカサノヴァだった。
今は執筆に没頭している。
カサノヴァは洗礼の代母だったヴィアトリスの絵をロレンツォに見せる。
ロレンツォはアンネッタを思い出す。
カサノヴァ「 余り裕福とは言えなかった君が、今ではヨーロッパ1のオペラ作家に。」
( フェラレーゼ嬢は、ソプラノ歌手にしては、喋り声は低くて、
二へドンは違和感を感じてしまいました。 )
カサノヴァは、「 新たなるドン・ジョヴァンニの構想 」をロレンツォに耳打ちする。
モーツァルトは水を入れたお風呂に入っている。
ロレンツォ・ダ・ポンテとサリエリがオペラの依頼にモーツァルトの家にやって来る。
コンスタンツェ「 うちはメイド代も払えないんだし。」
モーツァルト「 イタリア人の悪巧みを聞くとしよう。」
モーツァルトは服を着て、咳をしながら2人の前に現れる。
サリエリ「 陛下の依頼でオペラの新曲をお願いに来た。」
モーツァルト「 題材とは? 」
サリエリ「 機会が来たら、いずれまた。
単純で軽快なオペラの曲をお願いします。」
悪ふざけをするモーツァルトにサリエリは1人で帰って行く。
ロレンツォは「 ドン・ジョヴァンニだ。」と告げる。
モーツァルト「 二番煎じはご免だ。」
ロレンツォはストーリーの構想を話し始める。
『 ドン・ジョヴァンニが貴族の娘ドンナ・アンナを誘惑するつもり。
彼は二階によじ登り、彼は部屋に入ると服を脱ぐ。
ドンナ・アンナを見下ろすドン・ジョヴァンニ。
ヴィヴァルディの「 四季 」が流れる。
「 ドンナ・アンナ。アモレミオ。」
ドンナ・アンナは叫び続ける。
ドン・ジョヴァンニの召し使いレポレッロがバルコニーの見張りに行った。』
ロレンツォは、この様な構想を熱を込めてモーツァルトに話す。
夜、雷鳴が轟く中、ロレンツォは執筆をしている。
アドリアーナがベッドから声を掛ける。
「 私だけの見せ場を作る約束よ。」
一方、モーツァルトは作曲中。
コンスタンツィンが「 出来たのは、これだけ? 」と不満顔。
モーツァルトとコンスタンツィンはドイツ語で話をしている。
コンスタンツィンはモーツァルトの事を「 ヴォルフィ 」と呼ぶ。
コンスタンツィン 「 今日はレッスンの日よ。 現金収入よ。 早く行って。」
モーツァルトは女性のチェロの伴奏をチェンバロで弾く。
ところがモーツァルトは生徒そっちのけで、途中で自分の作曲を始めてしまう。
その生徒はアンネッタだった。
アンネッタはモーツァルトに問い掛ける。「 台本はロレンツォ・ダ・ポンテ? 」
モーツァルト「 知り合いなの? 」
アンネッタ 「 ヴェネツィアでは父の友人でした。」
舞台稽古の現場。
舞台の上でドン・ジョヴァンニと父親が斬り合うシーンをたっぷりと見せてくれる。
休憩に入ると、舞台袖にアンネッタが立っていた。
ロレンツォ「 アンネッタ。 貴女なのですか? 」
アンネッタは黙って軽く頷く。
アンネッタとロレンツォはカフェに行く。
アンネッタ「 最初にお会いした時は、まるで夢の様でした。
でも貴方は悪魔を見る様に立ち去った。」
アンネッタは父の死後、ウィーンに移り住んでいたのだ。
そこへ、アドリアーナ( ロレンツォの愛人の歌手 )が、カーテンの陰からじっと2人を見ている。
ロレンツォ「 アンネッタ。 アモレ・ミオ。」
ロレンツォはアンネッタの手を握る。
アンネッタ「 もう遅過ぎます。 婚約したので。」
ロレンツォ「 婚約? 誰と? 」
アンネッタ「 貴方ではないわ。」
立ち去るアンネッタに、ぶつかる様にアドリアーナがやって来てロレンツォの向かいに座り、
勝手に練習を始めたとロレンツォをなじる。
ロレンツォ「 君こそ僕の掛け替えの無いナイチンゲールです。
アドリアーナは立ち上がり、皆に聞こえる様に言う。
「 デ・ポンテは私の恋人です!」
ロレンツォはアドリアーナを床に突き飛ばし、アドリアーナは泣き叫ぶ。
ロレンツォは玉突きをしているモーツァルトに窮状を訴える。
ロレンツォはアドリアーナに主役の座を約束していたのだ。
モーツァルト「 もう1人、ドン・ジョヴァンニを追う女を作れば? 」
「 ほくろを左目下に2つ、右口元に1つ、首下に1つって多くない?」
フェラリーゼはカサノヴァと出会う。
アドリアーナはフェラリーゼに言う。「 ドン・ジョヴァンニが家庭を持ち、良き夫になったとしたら? 」
フェラリーゼは、アンネッタの事をカサノヴァに言う。
カサノヴァは、ロレンツォの女性遍歴の名を記した紙をアドリアーナに渡す。
ロレンツォは花束を持ってアンネッタを訪ねる。
アンネッタ「 婚約中なので、頂けませんわ。」
ロレンツォは亡くなった男の妹( アンネッタの叔母 )に出会う。
ロレンツォとアンネッタは白いリネンを2人掛かりで畳みながら、話をする。
( このシーンは独創的で面白い。)
アンネッタ「 私は婚約していません。」
ロレンツォ「 アンネッタ。」
そこへアンネッタに手紙が来る。 アンネッタは直ぐに開けて読む。
そして、その手紙をロレンツォに突き出す。
アンネッタ「 2度と私の前に現れないで!! 」
アンネッタは叫び、ロレンツォを外へ追い出す。
モーツァルトは蝋燭を点けたまま、机にうつ伏せになって眠っている。
スタンツィ( 妻のコンスタンツィン ) が手を伸ばし、モーツァルトを起こす。
スタンツィはコーヒーを淹れる為にふいごで火を熾こす。
モーツァルトはピアノに向かい、「 ドン・ジョヴァンニ~。」 と歌い出す。
モーツァルトは急に胸を押さえ、唸って床に倒れる。
スタンツィはモーツァルトをベッドに寝かせる。
モーツァルトがカサノヴァにキャストを紹介する。
カサノヴァ「 世紀の色爺ぃの話なんですよ。
こんなに人数が少なくてはイタリア女性への軽蔑です。
1003人の大台に乗せましょう。」
♪ 大きな女は~ 小さな女は~ ♪
アリアを1曲丸々聞かせてくれる。 オペラ・ファンには嬉しいシーン。
練習が終わり、モーツァルトは手紙を受け取り読む。
モーツァルトの様子がおかしいので、ロレンツォも、その手紙を読んでみる。
モーツァルトのお父さんが亡くなったと言う知らせだった。
モーツァルトは舞台裏に座ってすすり泣く。
モーツァルト「 私は父を愛していた。
他の子供と遊ばせずにピアノを弾かせ、私は神童だった。
彼の世界では私は息が出来なかった。
『 悪魔が連れて行くぞ。 』と叱られ、批判されてばかり。
自分の息子が勝っていると知ると、嫉妬したんだ。
父の死を願った。」
アリアが流れる。 ♪ 誰か助けて ♪
ロレンツォ「 しっかりして、 モーツァルト。
仕事に打ち込めば、不幸は克服出来ます!」
モーツァルト「 このオペラは完成出来ない。
このオペラを完成させれば、僕も地獄に堕ちる。」
ロレンツォ「 跪いて。 」
モーツァルトは、言われるがままに跪き、両手を合わせる。
ロレンツォは祈りの言葉を唱える。「 アーメン。」
サロンでアラビアの音楽が奏でられ、べりーダンスが踊られる。
モーツァルトとロレンツォは酒を飲み、空騒ぎをする。
モーツァルト「 いい店を教えてくれたね。」
客席には誰もいあない。
モーツァルト「 アンネッタの事は残念だったね。」
ロレンツォ「 アンネッタに再会させたのは貴方だ。 貴方の罪だ。」
オペラ本番の日にチェリストが1人急病になり、モーツァルトの要請で
アンネッタが代役で入る。
白いカツラを被り、オーケストラ・ピットでチェロを弾くアンネッタ。
舞台の上ではドン・ジョヴァンニとドンナ・アンナのアリアが演奏されている。
雪の積もった通りを歩くモーツァルト。
そこをロレンツォが掴まえる。
ロレンツォ「 アンネッタはどうでした? 」
モーツァルト「 完璧な演奏でしたよ。」
ロレンツォ「 そうじゃなくて、何か言ってませんでしたか? 」
ロレンツォは1人でブラブラと雪の街を歩く。
「 おいらは鳥刺し 」の音楽が流れる。
ロレンツォが椅子に座って眠っている所を、アンネッタが入って行く。
ロレンツォ「 ドアを開けておきました。」
アンネッタ「 私が来ると思って? 」
ロレンツォ「 祈っていました。」
アンネッタはロレンツォをベッドに寝かせてキスをする。
オペラのラストについて、カサノヴァに語るロレンツォ。
ロレンツォ「 彼は責任を全うします。」
カサノヴァ「 地獄の業火に晒すとは。」
ロレンツォ「 いえ、私がドン・ジョヴァンニなのです。」
カサノヴァ「 彼女の為? 恋に落ちたからね。」
ロレンツォとアンネッタが並んで立っているのを見てカサノヴァは驚く。
アンネッタ「 2人の愛を認められないのでは?」
カサノヴァは杖を搗いて憤然と出て行く。
初日の舞台の日。 客席は満員。
父親が再登場する雷のシーン。
終わった後、客席からの拍手はパラパラ。
伯爵「 見事な作品だ。 ただ何と言うか、ウィーン市民には濃過ぎる内容だ。」
お客A 「 何てふしだらなの。」
お客B 「 モーツァルトも終わりだ。」
モーツァルト「 甲斐が有った。 グラツィエ。」
ロレンツォは広場の男から罵倒される。「 破廉恥だ! 放蕩者を描くなんて!!」
モーツァルトは3年後に35歳で死去。
ロレンツォはニューヨークにて87歳で死去。
ロレンツォとアンネッタはキス。
エンドロール。
***** 「 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツアルトの出会い 」 ・ 完 *****
2013年05月14日
「 17歳の肖像 」 あらすじ偏
2010年03月31日に「 ドンドン日記 」に映画「 17歳の肖像 」の感想を書きました。
→ http://nihedon.hama1.jp/e831896.html
ここでは、映画のストーリーのあらすじを書いて行きたいと思います。
( 注意: このあらすじは、この映画を1回だけ観て、ニヘドンの印象に残ったシーンを
繋ぎ合わせて書いているので、 完全な再録ではありません。
悪しからずご了承下さいませ。 )
************************************
「 17歳の肖像 」
鑑賞日 : 2010年03月30日(火)
[ キャスト・スタッフ ]
監督 : ロネ・シェルフィグ
製作総指揮 : ジェームズ・D・スターン
原作 : リン・バーバー
音楽 : ポール・イングリッシュビー
脚本 : ニック・ホーンビィ
( )内が役名
キャリー・マリガン (ジェニー)
ピーター・サースガード (デイヴィッド) ・・・ Jenny が付き合う大人の男。
ドミニク・クーパー (ダニー)
ロザムンド・パイク (ヘレン)
アルフレッド・モリナ (ジャック) ・・・ Jenny の父親。
カーラ・セイモア (マージョリー) ・・・ Jenny の母親。
エマ・トンプソン (校長)
オリヴィア・ウィリアムズ (スタッブス先生)
サリー・ホーキンス (セイラ)
マシュー・ビアード (グラハム) ・・・ ヴァイオリンを弾くJenny の同級生。
アマンダ・フェアバンク=ハインズ (ヘイティ)
エリー・ケンドリック (ティナ)
******************************
タイトルロールが黒地に白いラインのアニメーションでお洒落。
頭の上に本を乗せて歩く女子高校生達。
女の子同士でダンスの練習をしたり。 お料理のレッスンを受けたり。
雪の降る中、ヒロインのジェニー( キャリー・マリガン )が歩く。
フラフープに興じる女子高校生達。
スーパー「 リン・バーバーの思い出に基づいて 」
ホッケーをする少女達。
先生「 Anybody? 」
Jenny が手を挙げる。
1961年ロンドン。
Jenny に向かって父親は、Oxford の面接の為に、チェロを趣味と言える様に練習しろと勧める。
楽団にも入っておけば、集団への適応性をアピール出来ると、父は勧める事に余念が無い。
楽団の練習。 Jenny がチェロを弾く。
ヴァイオリンの男の子が Jennyに声を掛ける。
「 よそゆきを着た方がいい? 」
大雨が降り、Jennyは学校の前でビショビショになってしまっている。
車を運転していた男が Jenny に声を掛ける。
David 「 怪しい男に見えるだろうけど、君のチェロが心配だ。 Davidだ。
チェロだけ乗せるから。
エルガー。 音楽に訛りが混じっている。 バーミンガム訛りだ。
ユダヤ人との相性も悪い。 」
Jenny 「 I'm not Jew. 」
David 「 I am. 」
結局 Jenny は David の車に乗る。
David 「 Where to? Madame? 」
Jenny 「 直ぐ其処よ。 」
David 「 Smoke? 」
Jenny 「 No. もう着いた。」
父親「 学校の音楽は勉強だが、それ以外は道楽だ。」
Jenny は自分の夢を語る。
Jenny 「 Oxford, if I'm lucky. Thank you for driving me home.」
アコーディオンで奏でるシャンソン「 パリの屋根の下 」が流れている。
Jenny はベッド・カバーの上に寝そべって、レコードを聴いている。
グラハムが Jenny の家に来る。
グラハム「 あちこち放浪でもしようかと思って。」
父親 「 Travelling? Are you Teddy boy ? 」
Jenny が家族と出掛けようとすると、玄関先にバスケットの花が置かれているのを発見する。
Jenny は、花に添えられたメモを親には見せない。 「 あの人ね。」
母親のマージョリーには、適当にごまかす。
Jenny は女の子2人とカフェで喫煙。
店の外へ出ると、David と会う。
Jenny はDavid に「 Thank you. 」と話し掛ける。
David は、Jenny を金曜日の夜の教会での音楽会に誘う。
David は、Jennyの家に迎えに行くと言う。 「 Supper を一緒に。」
Jenny の父、Jack は David と握手して別れる。
その後、父は、「 駄目だ!」と怒鳴る。
聖ジョーンズ教会。
David がやって来て、母に「 お姉さんかと思った。」と言う。
父 「 Would you like to drink ?
10時迄に( 娘を )帰して来れ。」
David 「 11:30 迄には戻します。」
父 「 Well, it's Friday night. 」
David の友人のヘレンとダニーが教会の入り口で待っていて、David と Jenny と Hello と挨拶を交わす。
7人の演奏家による室内楽。
演奏が終わり人々が外へ出て来る。
Helen 「 クラシックよね。」
David 達が次に行った所は生バンド付きのレストラン。
「 恋人はマイルス・デイビスにサルトル、ジュリエット・グレコ。」等と言う会話に興じる。
Danny がバーン・ジョーンズの絵を買うと言うので Jenny は大興奮。
「 オークションは Friday morning. 」
Jenny は家に帰って来る。
母親はキッチンで鍋の焦げが取れないと悪戦苦闘中。
母 「 How was your evening? 」
Jenny 「 Best of my life. 」
学校の教室でJenny と友人が彼について話す。
そこへ先生が入って来る。 作文はJenny が最高点だったと話す。
David が車でJenny を迎えに来る。
2人はオークション会場へ。
David に背中を押され、Jenny はオークションで手を上げ、200ギニーで競り落とす。
→ http://nihedon.hama1.jp/e831896.html
ここでは、映画のストーリーのあらすじを書いて行きたいと思います。
( 注意: このあらすじは、この映画を1回だけ観て、ニヘドンの印象に残ったシーンを
繋ぎ合わせて書いているので、 完全な再録ではありません。
悪しからずご了承下さいませ。 )
************************************
「 17歳の肖像 」
鑑賞日 : 2010年03月30日(火)
[ キャスト・スタッフ ]
監督 : ロネ・シェルフィグ
製作総指揮 : ジェームズ・D・スターン
原作 : リン・バーバー
音楽 : ポール・イングリッシュビー
脚本 : ニック・ホーンビィ
( )内が役名
キャリー・マリガン (ジェニー)
ピーター・サースガード (デイヴィッド) ・・・ Jenny が付き合う大人の男。
ドミニク・クーパー (ダニー)
ロザムンド・パイク (ヘレン)
アルフレッド・モリナ (ジャック) ・・・ Jenny の父親。
カーラ・セイモア (マージョリー) ・・・ Jenny の母親。
エマ・トンプソン (校長)
オリヴィア・ウィリアムズ (スタッブス先生)
サリー・ホーキンス (セイラ)
マシュー・ビアード (グラハム) ・・・ ヴァイオリンを弾くJenny の同級生。
アマンダ・フェアバンク=ハインズ (ヘイティ)
エリー・ケンドリック (ティナ)
******************************
タイトルロールが黒地に白いラインのアニメーションでお洒落。
頭の上に本を乗せて歩く女子高校生達。
女の子同士でダンスの練習をしたり。 お料理のレッスンを受けたり。
雪の降る中、ヒロインのジェニー( キャリー・マリガン )が歩く。
フラフープに興じる女子高校生達。
スーパー「 リン・バーバーの思い出に基づいて 」
ホッケーをする少女達。
先生「 Anybody? 」
Jenny が手を挙げる。
1961年ロンドン。
Jenny に向かって父親は、Oxford の面接の為に、チェロを趣味と言える様に練習しろと勧める。
楽団にも入っておけば、集団への適応性をアピール出来ると、父は勧める事に余念が無い。
楽団の練習。 Jenny がチェロを弾く。
ヴァイオリンの男の子が Jennyに声を掛ける。
「 よそゆきを着た方がいい? 」
大雨が降り、Jennyは学校の前でビショビショになってしまっている。
車を運転していた男が Jenny に声を掛ける。
David 「 怪しい男に見えるだろうけど、君のチェロが心配だ。 Davidだ。
チェロだけ乗せるから。
エルガー。 音楽に訛りが混じっている。 バーミンガム訛りだ。
ユダヤ人との相性も悪い。 」
Jenny 「 I'm not Jew. 」
David 「 I am. 」
結局 Jenny は David の車に乗る。
David 「 Where to? Madame? 」
Jenny 「 直ぐ其処よ。 」
David 「 Smoke? 」
Jenny 「 No. もう着いた。」
父親「 学校の音楽は勉強だが、それ以外は道楽だ。」
Jenny は自分の夢を語る。
Jenny 「 Oxford, if I'm lucky. Thank you for driving me home.」
アコーディオンで奏でるシャンソン「 パリの屋根の下 」が流れている。
Jenny はベッド・カバーの上に寝そべって、レコードを聴いている。
グラハムが Jenny の家に来る。
グラハム「 あちこち放浪でもしようかと思って。」
父親 「 Travelling? Are you Teddy boy ? 」
Jenny が家族と出掛けようとすると、玄関先にバスケットの花が置かれているのを発見する。
Jenny は、花に添えられたメモを親には見せない。 「 あの人ね。」
母親のマージョリーには、適当にごまかす。
Jenny は女の子2人とカフェで喫煙。
店の外へ出ると、David と会う。
Jenny はDavid に「 Thank you. 」と話し掛ける。
David は、Jenny を金曜日の夜の教会での音楽会に誘う。
David は、Jennyの家に迎えに行くと言う。 「 Supper を一緒に。」
Jenny の父、Jack は David と握手して別れる。
その後、父は、「 駄目だ!」と怒鳴る。
聖ジョーンズ教会。
David がやって来て、母に「 お姉さんかと思った。」と言う。
父 「 Would you like to drink ?
10時迄に( 娘を )帰して来れ。」
David 「 11:30 迄には戻します。」
父 「 Well, it's Friday night. 」
David の友人のヘレンとダニーが教会の入り口で待っていて、David と Jenny と Hello と挨拶を交わす。
7人の演奏家による室内楽。
演奏が終わり人々が外へ出て来る。
Helen 「 クラシックよね。」
David 達が次に行った所は生バンド付きのレストラン。
「 恋人はマイルス・デイビスにサルトル、ジュリエット・グレコ。」等と言う会話に興じる。
Danny がバーン・ジョーンズの絵を買うと言うので Jenny は大興奮。
「 オークションは Friday morning. 」
Jenny は家に帰って来る。
母親はキッチンで鍋の焦げが取れないと悪戦苦闘中。
母 「 How was your evening? 」
Jenny 「 Best of my life. 」
学校の教室でJenny と友人が彼について話す。
そこへ先生が入って来る。 作文はJenny が最高点だったと話す。
David が車でJenny を迎えに来る。
2人はオークション会場へ。
David に背中を押され、Jenny はオークションで手を上げ、200ギニーで競り落とす。
2013年05月11日
「 ウルルの森の物語 」・後半
この記事は「 ウルルの森の物語 ・ 前半 」の続きの記事です。
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e822067.html
邦題 : ウルルの森の物語
英題 : A Tale of Ululu's Wonderful Forest
監督 : 長沼誠
脚本 : 吉田智子、森山あけみ
音楽 : 久石譲
演奏 : 東フィル
[ キャスト ]
生野大慈 ・・・船越英一郎
生野千恵 ・・・深田恭子
長谷部一哉・・・ 光石研
大森拓馬・・・ 濱口優
工藤昴 ・・・桑代貴明
工藤しずく・・・ 北村沙羅
工藤夏子・・・ 桜井幸子
知里辰二郎・・・ 大滝秀治
*****************************
夜、しずくは部屋で泣きじゃくる。
父親の大慈は、しずくに話し掛けようとして、泣き声をじっと聞いて止める。
昴は、夜の道路を歩いて行く。
夏子の病院の部屋の電話が鳴る。
夏子「 もしもし? 昴? なーに、へこたれてるんだ。」
昴 「 母さん、ごめん。 ずっと電話出来なくて。」
夏子「 大丈夫よ。 千恵ちゃんから話を聞いているから。」
昴 「 しずくが泣いてるんだ。 泣かないでいい子にしてたらお母さんの鼻のチューブが
取れるのに。 だから頑張ってたのに。」
( このシーンでニヘドンは、涙ドー!! (´;ω;`) )
昴 「 お母さん。 帰りたい。」
夏子「 甘えんな。 お母さんだって会いたいよ。 もっと強く大きくなりなさい。 切るわね。」
昴はトラクターの上で携帯を掛けていた。
拓馬が声を掛ける。 「 おい、何やってんだ? 」
拓馬の牛小屋で昴は質問をする。
昴 「 ねえ? ウルルの話は本当なの? 」
拓馬「 ホロケシに居るさ。 オオカミの国さ。」
拓馬は本を探して昴に手渡す。
昴 「 それって何処に有るの? 」
『 森の守り神 』の本を見る昴。 「 ホル・チウ・オ・イ。 狼の棲む処。」
昴は、そっと部屋に戻り、眠っているしずくを起こすとリュックを背負い、動物研究所の
檻からウルルを出してやる。
鍵束の中からやっと鍵を見つけ、やっと鍵を開ける事が出来、脱出。
長谷部とウルルを引取りに来た連中がゲージに来ると、ゲージは裳抜けの空。
長谷部は直ぐに大慈に電話で連絡を取る。
大慈が子供部屋の覗くと、子供達の姿は無いが、机の上に夏子からの手紙が置かれていた。
手紙には夏子が心臓手術を受ける決心が綴られていた。
昴としずくは、とある農場のトラクターの荷台に乗って、藁の上で仮眠を取る。
そのトラクターの前を、拓馬と千恵が通る。
「 小学生の男の子と女の子を見ませんでしたか? 」
「 さあ、知らねえなあ。」
すれ違ってしまう。
しずくが目を覚まし、昴を起こす。
地図に載っていた「 イアヌサプリ 」の近くで下りる。
ハゲ山。
そこでウルルを放すと、ウルルは自分で走って行く。
黄色い花畑の中を、ウルルと子供達は進んで行く。
森の中で子供達はサンドイッチを食べる。
川を渡る陸橋を渡る。
しずく「 お兄。 疲れたよお。 もう歩けない。 おんぶ。」
ウルルは、しずくのジャケットを引っ張る。
そこへ列車がやって来て、子供達は一目散に走る。
大人達は必死に2人を探す。
拓馬「 あ、あのー。 もしかしたらホロケシに行ったんじゃ?
すみません、先輩。 僕、オオカミの国が有るって言っちゃったんです。」
大慈 「 消防団を集めろ。」
雲行きが怪しくなり、遠くで雷鳴が轟く。 大雨が降って来た。
大人達は大雨の中、「 おーい! おーい!」 と呼びながら、森の中を探して行く。
昴、しずく、ウルルは洞穴の中に居る。
昴 「 ウルルは、どう思ってるんだろう? 」
しずく 「 ウルルは絶対お母さんに会いたいと思う。」
ウルルが突然吠え出し、土砂崩れが起こる。
( しかし、このシーンは、わざとらしい映像だ。 (´・ω・`) )
昴が起き上がると洞穴は詰まっていた。
ウルルが遠吠えをし、大慈がその声に気付く。
昴はしずくを穴から引っ張り出す。
大慈はウルルの遠吠えを頼りに昴達の所へ行く。 大慈はじっと見ている。
昴はしずくを引っ張り上げる。
晴れ渡った空に白い入道雲。
大慈は無線で千恵に連絡をする。
千恵「 これから迎えに行く。」
大慈「 いや。 行かせてみようと思う。 見届けてやりたいんだ。」
長谷部「 ちょっと待って下さい。 先輩! 先輩!!」
しずくは鷲が10羽程飛び回る所を発見する。
「 アノロ・ワン・オロ 」 鷲小屋の所。
クンネレーク・カムイ ( 夜啼く鳥 ) → ふくろうを発見。
トムトムト ( 光る湖 )
吊り橋を渡っている時、しずくが落ちる。
そこへ大慈が助っ人に現れる。
までたし、めでたしかと思いきや、大慈は丸太を踏み抜いてしまった!
大慈は川へ落ち、急流に流される。
ウルルが川沿いを走り、川に飛び込む。
画面暗転。
「 お父さん! お父さん! 」と言うしずくの声で大慈は起きる。
辰二郎が無線で連絡。
ウルルは川下に走り、子供達を呼び、子供達は父親を引っ張り上げる。
皆は川岸で焚き火を起こす。
しずくは千恵の膝で寝ている。
昴 「 ずっと着いて来てたんだ。」
大慈「 ああ。 悔しいか? 俺も悔しいよ。 転んじまえ。 泣いてしまえ。
何度もそう思ったさ。 悔しいんだよ。 親父って言うのはそういうものさ。
大きくなったな、お前。
昴。 お母さんの心臓、かなり悪いんだよ。 だから母さんはお前達を
俺に託したんだ。 だが、お前達の姿を見ていて、託されて良かったと思う。」
昴が、蛍の光の様な緑色の光を見る。
昴はしずくを起こし光の後を追う。
森の中に花が現れ、光る。 ( このシーンはダサい演出で引く。)
青く光る沼の上に蛍が飛び交う。
昴 「 トムトムト? 」
しずく 「 光る沼だ!」
皆で景色を眺めうっとりとする。
翌朝マタギに先導され、森の中を行く。
マタギは立ち止まり、腕を上げ、方向を指し示す。
しずく 「 ホロケシ有るよね? 」
マタギ 「 ホロケシは此処に有る。」 と右手で胸を押さえる。
マタギは去り、大慈は深々と頭を垂れる。
大慈「 さ、行こうか。」
大慈は千恵に「 ありがとう。」と言って別れる。
大慈、昴、しずくの3人は歩き続ける。
昴 「 きっと有るぞ。 ホロケシ。」
千恵は家に帰ると、ウルルの写真を焼いてしまう。
森の中は霧が立ち籠める。
大慈「 もう諦めよう。 お父さんはなあ、もうこれ以上お前達を危険な目に遭わせる訳には
行かないんだ。 お前達は本当によくやった。 もう充分だよ。」
しずく「 ウルル。 ごめんね。」
大慈「 さあ、帰ろう。」
その時、オオカミの遠吠えが聞こえる。
そしてオオカミが姿を現す。 3人の前で遠吠えをする。
大慈「 居た! 居た! 本当に!!」
しずくと昴はウルルを撫で、ウルルの首輪を外してやる。
しずく 「 ウルル。 お母さんだよ。 良かったね。 ウルル。 バイバイ。」
なかなか行こうとしないウルルに、昴はビー玉を投げつける。
昴 「 行け! 行くんだよ! 戻って来るな!!」
しずくもウルルにビー玉を投げつける。
ウルルは子供達に向かって吠える。
大慈 「 もういい。 よし、もういいぞ。」
夏子の病室がノックされ、看護師が入って来る。
看護師 「 手術の時間です。」
ひまわり畑の映像。
昴としずくは北海道の小学校に通う。
手術室のカット。
大慈のモノローグ「 手術は必ず成功する。 手術が終わったら、こっちで一緒に暮らそう。
俺1人では支え切れないけれど、今なら昴が居る。 しずくも居る。
3人でなら支えられる。」
秋の風景。 そして冬の風景。
流氷。 ミミズク。 エゾシカ。 鷲。 白鳥。 雪に覆われた平原。 そして花に覆われた平原。
1年後の紫色のラヴェンダーの花畑で花を摘む昴としずく。
白いバンが止まり、中から母親の夏子が下りて来る。
夏子 「 ただいま。 」
母と子供達は抱き合う。
昴のモノローグ「 ウルル。 またいつか会えるかな? それとも夢だったのかな? 」
知床の映像。
エンドロール。
エゾザクラ。 富良野の花畑。 家族4人の一緒の映像。
( 鉄道雑誌の出版社 ネコパブリッシングも出ていました。 )
***** 「 「 ウルルの森の物語 」・後半 」 ・ 完 *****
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e822067.html
邦題 : ウルルの森の物語
英題 : A Tale of Ululu's Wonderful Forest
監督 : 長沼誠
脚本 : 吉田智子、森山あけみ
音楽 : 久石譲
演奏 : 東フィル
[ キャスト ]
生野大慈 ・・・船越英一郎
生野千恵 ・・・深田恭子
長谷部一哉・・・ 光石研
大森拓馬・・・ 濱口優
工藤昴 ・・・桑代貴明
工藤しずく・・・ 北村沙羅
工藤夏子・・・ 桜井幸子
知里辰二郎・・・ 大滝秀治
*****************************
夜、しずくは部屋で泣きじゃくる。
父親の大慈は、しずくに話し掛けようとして、泣き声をじっと聞いて止める。
昴は、夜の道路を歩いて行く。
夏子の病院の部屋の電話が鳴る。
夏子「 もしもし? 昴? なーに、へこたれてるんだ。」
昴 「 母さん、ごめん。 ずっと電話出来なくて。」
夏子「 大丈夫よ。 千恵ちゃんから話を聞いているから。」
昴 「 しずくが泣いてるんだ。 泣かないでいい子にしてたらお母さんの鼻のチューブが
取れるのに。 だから頑張ってたのに。」
( このシーンでニヘドンは、涙ドー!! (´;ω;`) )
昴 「 お母さん。 帰りたい。」
夏子「 甘えんな。 お母さんだって会いたいよ。 もっと強く大きくなりなさい。 切るわね。」
昴はトラクターの上で携帯を掛けていた。
拓馬が声を掛ける。 「 おい、何やってんだ? 」
拓馬の牛小屋で昴は質問をする。
昴 「 ねえ? ウルルの話は本当なの? 」
拓馬「 ホロケシに居るさ。 オオカミの国さ。」
拓馬は本を探して昴に手渡す。
昴 「 それって何処に有るの? 」
『 森の守り神 』の本を見る昴。 「 ホル・チウ・オ・イ。 狼の棲む処。」
昴は、そっと部屋に戻り、眠っているしずくを起こすとリュックを背負い、動物研究所の
檻からウルルを出してやる。
鍵束の中からやっと鍵を見つけ、やっと鍵を開ける事が出来、脱出。
長谷部とウルルを引取りに来た連中がゲージに来ると、ゲージは裳抜けの空。
長谷部は直ぐに大慈に電話で連絡を取る。
大慈が子供部屋の覗くと、子供達の姿は無いが、机の上に夏子からの手紙が置かれていた。
手紙には夏子が心臓手術を受ける決心が綴られていた。
昴としずくは、とある農場のトラクターの荷台に乗って、藁の上で仮眠を取る。
そのトラクターの前を、拓馬と千恵が通る。
「 小学生の男の子と女の子を見ませんでしたか? 」
「 さあ、知らねえなあ。」
すれ違ってしまう。
しずくが目を覚まし、昴を起こす。
地図に載っていた「 イアヌサプリ 」の近くで下りる。
ハゲ山。
そこでウルルを放すと、ウルルは自分で走って行く。
黄色い花畑の中を、ウルルと子供達は進んで行く。
森の中で子供達はサンドイッチを食べる。
川を渡る陸橋を渡る。
しずく「 お兄。 疲れたよお。 もう歩けない。 おんぶ。」
ウルルは、しずくのジャケットを引っ張る。
そこへ列車がやって来て、子供達は一目散に走る。
大人達は必死に2人を探す。
拓馬「 あ、あのー。 もしかしたらホロケシに行ったんじゃ?
すみません、先輩。 僕、オオカミの国が有るって言っちゃったんです。」
大慈 「 消防団を集めろ。」
雲行きが怪しくなり、遠くで雷鳴が轟く。 大雨が降って来た。
大人達は大雨の中、「 おーい! おーい!」 と呼びながら、森の中を探して行く。
昴、しずく、ウルルは洞穴の中に居る。
昴 「 ウルルは、どう思ってるんだろう? 」
しずく 「 ウルルは絶対お母さんに会いたいと思う。」
ウルルが突然吠え出し、土砂崩れが起こる。
( しかし、このシーンは、わざとらしい映像だ。 (´・ω・`) )
昴が起き上がると洞穴は詰まっていた。
ウルルが遠吠えをし、大慈がその声に気付く。
昴はしずくを穴から引っ張り出す。
大慈はウルルの遠吠えを頼りに昴達の所へ行く。 大慈はじっと見ている。
昴はしずくを引っ張り上げる。
晴れ渡った空に白い入道雲。
大慈は無線で千恵に連絡をする。
千恵「 これから迎えに行く。」
大慈「 いや。 行かせてみようと思う。 見届けてやりたいんだ。」
長谷部「 ちょっと待って下さい。 先輩! 先輩!!」
しずくは鷲が10羽程飛び回る所を発見する。
「 アノロ・ワン・オロ 」 鷲小屋の所。
クンネレーク・カムイ ( 夜啼く鳥 ) → ふくろうを発見。
トムトムト ( 光る湖 )
吊り橋を渡っている時、しずくが落ちる。
そこへ大慈が助っ人に現れる。
までたし、めでたしかと思いきや、大慈は丸太を踏み抜いてしまった!
大慈は川へ落ち、急流に流される。
ウルルが川沿いを走り、川に飛び込む。
画面暗転。
「 お父さん! お父さん! 」と言うしずくの声で大慈は起きる。
辰二郎が無線で連絡。
ウルルは川下に走り、子供達を呼び、子供達は父親を引っ張り上げる。
皆は川岸で焚き火を起こす。
しずくは千恵の膝で寝ている。
昴 「 ずっと着いて来てたんだ。」
大慈「 ああ。 悔しいか? 俺も悔しいよ。 転んじまえ。 泣いてしまえ。
何度もそう思ったさ。 悔しいんだよ。 親父って言うのはそういうものさ。
大きくなったな、お前。
昴。 お母さんの心臓、かなり悪いんだよ。 だから母さんはお前達を
俺に託したんだ。 だが、お前達の姿を見ていて、託されて良かったと思う。」
昴が、蛍の光の様な緑色の光を見る。
昴はしずくを起こし光の後を追う。
森の中に花が現れ、光る。 ( このシーンはダサい演出で引く。)
青く光る沼の上に蛍が飛び交う。
昴 「 トムトムト? 」
しずく 「 光る沼だ!」
皆で景色を眺めうっとりとする。
翌朝マタギに先導され、森の中を行く。
マタギは立ち止まり、腕を上げ、方向を指し示す。
しずく 「 ホロケシ有るよね? 」
マタギ 「 ホロケシは此処に有る。」 と右手で胸を押さえる。
マタギは去り、大慈は深々と頭を垂れる。
大慈「 さ、行こうか。」
大慈は千恵に「 ありがとう。」と言って別れる。
大慈、昴、しずくの3人は歩き続ける。
昴 「 きっと有るぞ。 ホロケシ。」
千恵は家に帰ると、ウルルの写真を焼いてしまう。
森の中は霧が立ち籠める。
大慈「 もう諦めよう。 お父さんはなあ、もうこれ以上お前達を危険な目に遭わせる訳には
行かないんだ。 お前達は本当によくやった。 もう充分だよ。」
しずく「 ウルル。 ごめんね。」
大慈「 さあ、帰ろう。」
その時、オオカミの遠吠えが聞こえる。
そしてオオカミが姿を現す。 3人の前で遠吠えをする。
大慈「 居た! 居た! 本当に!!」
しずくと昴はウルルを撫で、ウルルの首輪を外してやる。
しずく 「 ウルル。 お母さんだよ。 良かったね。 ウルル。 バイバイ。」
なかなか行こうとしないウルルに、昴はビー玉を投げつける。
昴 「 行け! 行くんだよ! 戻って来るな!!」
しずくもウルルにビー玉を投げつける。
ウルルは子供達に向かって吠える。
大慈 「 もういい。 よし、もういいぞ。」
夏子の病室がノックされ、看護師が入って来る。
看護師 「 手術の時間です。」
ひまわり畑の映像。
昴としずくは北海道の小学校に通う。
手術室のカット。
大慈のモノローグ「 手術は必ず成功する。 手術が終わったら、こっちで一緒に暮らそう。
俺1人では支え切れないけれど、今なら昴が居る。 しずくも居る。
3人でなら支えられる。」
秋の風景。 そして冬の風景。
流氷。 ミミズク。 エゾシカ。 鷲。 白鳥。 雪に覆われた平原。 そして花に覆われた平原。
1年後の紫色のラヴェンダーの花畑で花を摘む昴としずく。
白いバンが止まり、中から母親の夏子が下りて来る。
夏子 「 ただいま。 」
母と子供達は抱き合う。
昴のモノローグ「 ウルル。 またいつか会えるかな? それとも夢だったのかな? 」
知床の映像。
エンドロール。
エゾザクラ。 富良野の花畑。 家族4人の一緒の映像。
( 鉄道雑誌の出版社 ネコパブリッシングも出ていました。 )
***** 「 「 ウルルの森の物語 」・後半 」 ・ 完 *****
2013年04月24日
「 重力ピエロ 」 ・ 後半
この記事は「 重力ピエロ ・ 前半 」の続きの記事です・
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e102713.html
***************************
[ スタッフ ]
監督 : 森淳一
原作 : 伊坂幸太郎
音楽 : 渡辺善太郎
脚本 : 相沢友子
[ キャスト ] ( ) 内が役名。
加瀬亮 ・・・・・ (奥野泉水) ・・・・・ 兄。
岡田将生 ・・・・ (奥野春) ・・・・・・・・ 弟。
小日向文世 ・・・・ (奥野正志) ・・・・・ 泉水と春の父親。
吉高由里子 ・・・・ (夏子) ・・・・・・・・ 同級生のストーカー。
岡田義徳 ・・・・・・ (山内)
柏木陽 ・・・・・・・・ (遺伝子学者)
コッセこういち ・・・ (大学の研究員)
北村匠海 ・・・・・・ (奥野春(幼少期))
Erina
松澤仁晶
田口主将
森下サトシ
渡部篤郎 ・・・・・ (葛城由紀夫)
鈴木京香 ・・・・・ (奥野梨江子) ・・・・・ 泉水と春の母親。
ウッチー ・・・・・・ ピエロ
**************************
梨江子は、夫に言う。「 気になっている事が有るの。 10周目だって。」
正志 「 生もう。 生んで育てよう!」
梨江子「 名前考えたの。 泉水と春。 どっちも英語にすると、 spring なの。
一家は、画家が使っていた別荘へ引越しをする。
( 転換 )
泉水は父の病室を見舞う。 父は雑誌のクロスワードをやっている。
泉水達は、グラフィック・アートのイニシャルを合わせると、遺伝子情報になると推理を働かせる。
コドン表に照らし合わせると二重螺旋が見えてくる。
AGA - tot TCA - AGT
「 これは遺伝子配列を使った暗号だよ。 暗号を使って放火場所を予告してるんだ。」
泉水の学校の同級生が昔の連続レイプ魔の情報を知らせてくれる。
友人「 30人も被害者がいるのに、少年院に5年居ただけで、出て来て、
今はデリヘルをやっている。 全然懲りてないよな。」
回想シーン。 春の絵が金賞を取り、家族で記念写真。
大学の同僚がPCでDNA鑑定の結果を見せる。
泉水は葛城由紀夫についての調査結果を受け取る。
泉水は犯人がいるバーへやって来る。
泉水はカウンターに座っていて、2つ右にはストレートのロングヘアの女。
犯人の男が外に出ると、泉水は男の煙草の吸殻をケースに入れる。
そして、その現場をカウンターの女にバッチリと見られてしまう。(笑)
実家で、泉水は春のベッドから髪の毛を採取する。
泉水はオートロックのマンションのインターフォンで、
「 家出した妹の事で。」と話し掛ける。
「 入れてくれないと、警察に通報しますけど、いいんですか? 」
と、半ば脅して入れてもらう。
泉水「 こういう仕事、楽しいですか? 」
葛城 「 ついでだから、やってくか? 」
泉水「 結構です。
1つだけ質問していいですか? こういう事やって、何考えてるんですか? 」
葛城 「 強姦ってあるでしょ? 悪い事だよね。 どうしてだか分かりますか?
相手が可哀想だからだよ。」
葛城はレイプした写真を撮って保管していた。
回想シーン。
二段ベッドで、ちゃんばらをする幼い泉水と春。
春 「 お兄ちゃん、レイプって何? 」
泉水「 何で? 」
春 「 みんな言ってる。」
「 レイプ。 グレイプ。 ファンタ・グレープ。」 と言って話をはぐらかす兄の泉水。
歩道橋を渡りながら、動揺を隠せない。
母は交通事故で死亡。
警察は、「 自殺の可能性も一応考慮に入れて。」と言う。
父 「 妻は自殺なんかしません。」
研究室でDNA鑑定作業をする泉水。
実家で父は泉水と春の2人に言う。
「 お前達に話しておく事がある。 本当は2人が成人してから言おうと思っていたんだが。
実は17年前に連続レイプ事件が有った。 母さんも襲われた。 そして妊娠した。
天から声がした。 『 自分で考えろ! 』」
春 「 それでどうしたの?」
父 「 俺は即座に決断したんだ。 春は俺の子。 俺の次男だ。
俺達は最強の家族だ。 」
PCの結果は、「 99.7% matched. 」。
「 殺人方法 」で検索をすると、「 ニコニコ殺人俱楽部 」のサイトが出て来る。
泉水は、それに ENTER する。
泉水はレンタカーを借りる。
泉水は葛城に電話をする。
「 妹は無事に見つかった。 例の写真を高く買い取らせて頂きたいと思いまして。」
夜の 10:00 に葛城を呼び出す。
泉水のアパートに春が訪ねて来る。
泉水は「 散らかっているから外で話そう。」と言って喫茶店に行く。
春 「 また落書きが見つかったよ。 明日、見張りに行こう。」
泉水「 駄目だよ。 将来の事も有るし。
俺だって、いつまでも、お前の面倒見れないんだよ。」
夏子が、また居た。(笑)
泉水は彼女を追い掛ける。
「 その節は無言電話を掛けたり、勝手に家に入ったりご迷惑をお掛けしました。」
夏子は春が心配だから、また後を尾けるている。
グラフィックアートは、春が描いたものであった。
夏子「 私、見たんです。 ペットボトルの灯油を撒いて火を点けているのを。」
春は路上のゴミを蹴りまくる。
泉水は父親の部屋に行く。
父 「 どうした? 」
泉水「 ちょっと用が有って、寄っただけ。 もう帰るよ。 父さん? 」
父 「 ん? 」
泉水「 俺達は最強の家族だよね。」
父 「 ん? どうした? 」
泉水 「 行って来る。」
泉水は春の部屋のガンジーのポスターの裏に、地図に赤いピンを刺した物を見つける。
更に、犯人の男の顔写真。
夏子が、泉水の実家にやって来る。
夏子「 私、この人、見た事あります。」
地図は、レイプ魔の事件の場所を示している。
春から電話が入る。「 グラフィックアートが見つかった。 また放火が起きるよ。」
グラッフィク・アートに残されたイニシャルが全部ATGCの遺伝子記号になっている事に気付く。
「 UGA はストップコドンと言って遺伝子情報の終わりを意味している。
Unforgiven. Gets Attacked. 」
春は、昔に自分達が住んでいた家に犯人の葛城を呼び出す。
葛城 「 お前は俺の息子なんだって?
俺は生まれてこの方、何も反省する事なんて無いんだよ。」
春が男に送りつけたものを出す。
葛城 「 何やってんだよ。」
春 「 浄化だよ。 火には浄化作用が有るんだよ。」
火の点いた家に到着した泉水。
葛城 「 俺があの女をやらなければ、お前はここには居ないんだぞ。
それが分かってるのか? 俺はお前の父親なんだよ。」
燃え盛る火の中でバットを振りかざす春。
泉水は外から物を投げてガラスを割る。
何度もバットを振るう音。
朝、実家では父がよろよろと起き上がる。
居間では2人の息子達が、死んだ様に眠っていた。
事件の事がラジオで放送されたが、父はそ知らぬ顔で蜂の世話をする。
春 「 警察に行くよ。」
泉水 「 お前がやった事は悪い事ではない。」
春 「 でも世間的には、それじゃ駄目だろ。」
泉水 「 お前以上に、この事を考えられる人間は、お前しかいない。」
春 「 無茶苦茶だな。」
そこへ父がやって来る。
父 「 2人で遊んで来たのか?
昨日病院に行って来た。 リンパに転移していて、やっぱり手の施しようが無い。
大丈夫だよ。 死ぬ事なんか怖くない。
お前達に聞きたい事が有る。 こっちに来い。」
泉水と春の2人は父の前に座る。
父 「 お前達は俺に隠れて何かをやった。 そうだろ? 」
泉水 「 何かって? 」
父 「 悪い事だ。 」
泉水「 何も無いよ。」
春 「 何も無い。」
父は春の右手を掴む。
父 「 春。 お前は俺に隠れて何か大事な事をやった。 そうだろ? 」
春 「 何も無いよ。」
父 「 春は、いつも嘘をつく時、唇を触わる。」
サーカスのシーンが繰り広げられる。
ピエロが空中ブランコでおどける。
それを4人で見上げる家族の姿。
父 「 楽しそうに生きていたら、地球の重力なんて消してしまうんだ。」
蜂の巣箱から蜂蜜を作る親子3人。
自分自身が、この世で見たいと思う変化になりなさい。とガンジーは言った。
何かを見つけ、ベランダから庭に向かって本を1冊投げつける。
もう1冊、本を投げつける。
草むらに、夏子さんの姿。 (笑)
***** 「 「 重力ピエロ 」 ・ 後半 」 ・ 完 *****
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e102713.html
***************************
[ スタッフ ]
監督 : 森淳一
原作 : 伊坂幸太郎
音楽 : 渡辺善太郎
脚本 : 相沢友子
[ キャスト ] ( ) 内が役名。
加瀬亮 ・・・・・ (奥野泉水) ・・・・・ 兄。
岡田将生 ・・・・ (奥野春) ・・・・・・・・ 弟。
小日向文世 ・・・・ (奥野正志) ・・・・・ 泉水と春の父親。
吉高由里子 ・・・・ (夏子) ・・・・・・・・ 同級生のストーカー。
岡田義徳 ・・・・・・ (山内)
柏木陽 ・・・・・・・・ (遺伝子学者)
コッセこういち ・・・ (大学の研究員)
北村匠海 ・・・・・・ (奥野春(幼少期))
Erina
松澤仁晶
田口主将
森下サトシ
渡部篤郎 ・・・・・ (葛城由紀夫)
鈴木京香 ・・・・・ (奥野梨江子) ・・・・・ 泉水と春の母親。
ウッチー ・・・・・・ ピエロ
**************************
梨江子は、夫に言う。「 気になっている事が有るの。 10周目だって。」
正志 「 生もう。 生んで育てよう!」
梨江子「 名前考えたの。 泉水と春。 どっちも英語にすると、 spring なの。
一家は、画家が使っていた別荘へ引越しをする。
( 転換 )
泉水は父の病室を見舞う。 父は雑誌のクロスワードをやっている。
泉水達は、グラフィック・アートのイニシャルを合わせると、遺伝子情報になると推理を働かせる。
コドン表に照らし合わせると二重螺旋が見えてくる。
AGA - tot TCA - AGT
「 これは遺伝子配列を使った暗号だよ。 暗号を使って放火場所を予告してるんだ。」
泉水の学校の同級生が昔の連続レイプ魔の情報を知らせてくれる。
友人「 30人も被害者がいるのに、少年院に5年居ただけで、出て来て、
今はデリヘルをやっている。 全然懲りてないよな。」
回想シーン。 春の絵が金賞を取り、家族で記念写真。
大学の同僚がPCでDNA鑑定の結果を見せる。
泉水は葛城由紀夫についての調査結果を受け取る。
泉水は犯人がいるバーへやって来る。
泉水はカウンターに座っていて、2つ右にはストレートのロングヘアの女。
犯人の男が外に出ると、泉水は男の煙草の吸殻をケースに入れる。
そして、その現場をカウンターの女にバッチリと見られてしまう。(笑)
実家で、泉水は春のベッドから髪の毛を採取する。
泉水はオートロックのマンションのインターフォンで、
「 家出した妹の事で。」と話し掛ける。
「 入れてくれないと、警察に通報しますけど、いいんですか? 」
と、半ば脅して入れてもらう。
泉水「 こういう仕事、楽しいですか? 」
葛城 「 ついでだから、やってくか? 」
泉水「 結構です。
1つだけ質問していいですか? こういう事やって、何考えてるんですか? 」
葛城 「 強姦ってあるでしょ? 悪い事だよね。 どうしてだか分かりますか?
相手が可哀想だからだよ。」
葛城はレイプした写真を撮って保管していた。
回想シーン。
二段ベッドで、ちゃんばらをする幼い泉水と春。
春 「 お兄ちゃん、レイプって何? 」
泉水「 何で? 」
春 「 みんな言ってる。」
「 レイプ。 グレイプ。 ファンタ・グレープ。」 と言って話をはぐらかす兄の泉水。
歩道橋を渡りながら、動揺を隠せない。
母は交通事故で死亡。
警察は、「 自殺の可能性も一応考慮に入れて。」と言う。
父 「 妻は自殺なんかしません。」
研究室でDNA鑑定作業をする泉水。
実家で父は泉水と春の2人に言う。
「 お前達に話しておく事がある。 本当は2人が成人してから言おうと思っていたんだが。
実は17年前に連続レイプ事件が有った。 母さんも襲われた。 そして妊娠した。
天から声がした。 『 自分で考えろ! 』」
春 「 それでどうしたの?」
父 「 俺は即座に決断したんだ。 春は俺の子。 俺の次男だ。
俺達は最強の家族だ。 」
PCの結果は、「 99.7% matched. 」。
「 殺人方法 」で検索をすると、「 ニコニコ殺人俱楽部 」のサイトが出て来る。
泉水は、それに ENTER する。
泉水はレンタカーを借りる。
泉水は葛城に電話をする。
「 妹は無事に見つかった。 例の写真を高く買い取らせて頂きたいと思いまして。」
夜の 10:00 に葛城を呼び出す。
泉水のアパートに春が訪ねて来る。
泉水は「 散らかっているから外で話そう。」と言って喫茶店に行く。
春 「 また落書きが見つかったよ。 明日、見張りに行こう。」
泉水「 駄目だよ。 将来の事も有るし。
俺だって、いつまでも、お前の面倒見れないんだよ。」
夏子が、また居た。(笑)
泉水は彼女を追い掛ける。
「 その節は無言電話を掛けたり、勝手に家に入ったりご迷惑をお掛けしました。」
夏子は春が心配だから、また後を尾けるている。
グラフィックアートは、春が描いたものであった。
夏子「 私、見たんです。 ペットボトルの灯油を撒いて火を点けているのを。」
春は路上のゴミを蹴りまくる。
泉水は父親の部屋に行く。
父 「 どうした? 」
泉水「 ちょっと用が有って、寄っただけ。 もう帰るよ。 父さん? 」
父 「 ん? 」
泉水「 俺達は最強の家族だよね。」
父 「 ん? どうした? 」
泉水 「 行って来る。」
泉水は春の部屋のガンジーのポスターの裏に、地図に赤いピンを刺した物を見つける。
更に、犯人の男の顔写真。
夏子が、泉水の実家にやって来る。
夏子「 私、この人、見た事あります。」
地図は、レイプ魔の事件の場所を示している。
春から電話が入る。「 グラフィックアートが見つかった。 また放火が起きるよ。」
グラッフィク・アートに残されたイニシャルが全部ATGCの遺伝子記号になっている事に気付く。
「 UGA はストップコドンと言って遺伝子情報の終わりを意味している。
Unforgiven. Gets Attacked. 」
春は、昔に自分達が住んでいた家に犯人の葛城を呼び出す。
葛城 「 お前は俺の息子なんだって?
俺は生まれてこの方、何も反省する事なんて無いんだよ。」
春が男に送りつけたものを出す。
葛城 「 何やってんだよ。」
春 「 浄化だよ。 火には浄化作用が有るんだよ。」
火の点いた家に到着した泉水。
葛城 「 俺があの女をやらなければ、お前はここには居ないんだぞ。
それが分かってるのか? 俺はお前の父親なんだよ。」
燃え盛る火の中でバットを振りかざす春。
泉水は外から物を投げてガラスを割る。
何度もバットを振るう音。
朝、実家では父がよろよろと起き上がる。
居間では2人の息子達が、死んだ様に眠っていた。
事件の事がラジオで放送されたが、父はそ知らぬ顔で蜂の世話をする。
春 「 警察に行くよ。」
泉水 「 お前がやった事は悪い事ではない。」
春 「 でも世間的には、それじゃ駄目だろ。」
泉水 「 お前以上に、この事を考えられる人間は、お前しかいない。」
春 「 無茶苦茶だな。」
そこへ父がやって来る。
父 「 2人で遊んで来たのか?
昨日病院に行って来た。 リンパに転移していて、やっぱり手の施しようが無い。
大丈夫だよ。 死ぬ事なんか怖くない。
お前達に聞きたい事が有る。 こっちに来い。」
泉水と春の2人は父の前に座る。
父 「 お前達は俺に隠れて何かをやった。 そうだろ? 」
泉水 「 何かって? 」
父 「 悪い事だ。 」
泉水「 何も無いよ。」
春 「 何も無い。」
父は春の右手を掴む。
父 「 春。 お前は俺に隠れて何か大事な事をやった。 そうだろ? 」
春 「 何も無いよ。」
父 「 春は、いつも嘘をつく時、唇を触わる。」
サーカスのシーンが繰り広げられる。
ピエロが空中ブランコでおどける。
それを4人で見上げる家族の姿。
父 「 楽しそうに生きていたら、地球の重力なんて消してしまうんだ。」
蜂の巣箱から蜂蜜を作る親子3人。
自分自身が、この世で見たいと思う変化になりなさい。とガンジーは言った。
何かを見つけ、ベランダから庭に向かって本を1冊投げつける。
もう1冊、本を投げつける。
草むらに、夏子さんの姿。 (笑)
***** 「 「 重力ピエロ 」 ・ 後半 」 ・ 完 *****
2013年04月16日
「 ひとりぼっちのトン子 」 他

クリエーターのタナカカツキ氏の映像作品を10本集めた上映会。
日時 : 2008年12月16日(火)〜12月31日(水)
19:50〜20:50 金・土のみ 21:10〜22:10
会場 : Brillia SHORTSHORTS THEATER
料金 : 一般 1,000円
タナカカツキのプロフィール
1966年生まれ。マンガ家、映像作家、アーティスト。
1985年小学館『週刊ビックコミックスピリッツ』誌にて新人漫画賞受賞、マンガ 家デビュー。
1991年PARCOのフリーペーパー「GOMES」誌にてマンガ家の天久聖一と共に
「バカドリル」発表以来、「ブッチュくんオール百科」 (ソニーマガジンズ/1999)
「オッス!トン子ちゃん」(アジールデザイン/2002) などの著作多数。
さらに、映像作家としても数々の作品を発表。
1995年フルCGアニメ「カエルマン」を発表後、
2002年映像作品集DVD 「SUNDAY」 (nowondvd)発売。
NHKみんなのうた「月」のアニメーション制作などこの他、CM、ビデオクリップ、
テレビ番組のオープニングやジングル、ス ポット映像などの制作を多数行う。
2008年は「新しいバカドリル」(ポプラ社)上下巻同時発売、
ポニーキャニオンからvisual dragシリーズ初のブルーレイ版 「ALTOVISION」が発売される。
タナカカツキオフィシャルウェブサイト: http://kaerucafe.com/ka2ki/
*****************************
《3》 「 ひとりぼっちのトン子 」 エンディング・テーマのアニメ
トン子はデブキャラの女の子。
アニメの背景はとってもロマンチックなのに、トン子のキャラはどうよ?
トン子ちゃんが抱いているのは、何故かワニの赤ちゃん。
トン子ちゃんは、ダイエットしないのかしら?
あらら、また道端で動物拾っちゃいます。 何と! エリマキトカゲでした!!
うわあ! 今度箱に入っていたのは男です! ♂
直ぐに道端で仔猫を拾ってしまう孤高の詩人ロッカー高井つよしさんを思い浮かべながら
今、このレビューを書いているニヘドンなのでありました。
《4》「 小さいオッサン 」 上映時間 : 4分
実写のオッサンとオバさんのミニサイズ夫婦が道路や公園を歩きます。
すべり台や鹿の遊具を滑り下ります。
こらこら! 頭で滑ったら危険!!
うわああ! 天敵のカラスがやって来たよ!!
あー! オバちゃんをカラスが咥えて飛んで行っちゃったよ!
オッサンは特に騒ぎもせずに歩いて行くよ。
オッサンの無表情振りがいいですね。
オッサンは歩き続けます。
ファミレスの中も。 黄色い百合の花の中も。 公園も。
土鳩よりも小さなオッサンです。
ペンギンやアザラシに追いかけられますよ! (゚o゚;;
おお! カラスの巣の中で、オバさんと再会出来ました。
オッサンとオバさんは2人で巣から飛び降ります。
だったら、オバさん、さっさと1人で逃げなさいってば!
2人は又、公園で鹿の背を滑り下ります。
ああ! オバさんがペンギンに咥えられました。
どこまでもおとぼけワールドなのが、心に染みます。 ニヘドンのテイストです。
《5》 「 SUNDAY 」
ビルの前や空を、黒い人型の影が3つ程、浮かびます。
輪郭が滲んでいて、怪しい感じです。
両腕をパタパタ上下させて、羽ばたいているみたい。
両足もパタパタさせています。
ヴェトナムの少女の写真の様で、何か怖い。
ピンクの雲の中を、黒い物体が遊泳している様の不気味さ。
爆撃で真っ黒焦げになった身体が爆風で宙に浮いている。
《6》 「 悲しみジョニー ~ タナカカツキ リミックス 」
どじょう掬いの装束をした2人の男達。
1人は日本人。 もう1人は黒人のジョニー。 ( もうこの設定でニヘドンのツボ!(´∀`*) )
ビクや、手首から先だけが宇宙空間を遊泳する。
チケット売り場の怪しいサングラスのオバさんの顔も宇宙空間へ。
新幹線の車掌が顔を覗かせた小窓も、何でも切り取ってスクリーンに浮かばせます。
裸の赤ちゃんも、服を着た子供も。
バックではずっと、三味線の音が鳴っている。
オバさんの顔を土台に各パーツが踊ります。
ジョニー!! 結末を締めくくってくれよー! ジョニー!!!!!
《7》 「 GLOVE JUNGLE 」
誰もいない公園の回転ブランコが回っている。
次に子供達が乗って、笑い声が聞こえる回転ブランコの映像が映し出される。
回転ブランコのバーと、周囲の木々の梢がクロスオーバーする。
ブランコの横棒がどんどん上にずり上がり、今度はしたに下がる。
横棒が斜めになったり、極太になったり、しまいには全部横棒で覆ってしまう。
そして膨らんだり、提灯型に集まったり、次々に形を変えて行く。
今度は花が咲き始める。
球体となり、空へ上がって行ってしまう。 向こうには明るく輝く光。
子供を乗せたままブランコは浮遊する。
ブランコに乗りながら浮遊する子供達が多数。
《8》 「 ring a rose 」
アニメ。 アフリカのプランテーションの風景を描いたアニメ。
画面はスピーディーに変わって行き、様々なシーンが次々に現れては消えて行く。
蛇行する白い野原の道を、たんぽぽの綿毛がいっぱい、宇宙空間へ飛んで行く。
《9》 「 いこい 」
輪郭だけのスケッチ。
木の下で寝転ぶ男女。 どんどん色が着いて行く。
時には身体が透明になったり、変幻自在に動いて行く。
群青色の身体の男が、酔っ払っている様な不思議なダンスを踊る。
草原を走る子供の姿。
凧を揚げる人。 蜂。 鳥。
《10》
万華鏡の中心から次々に薔薇やガーベラ等の花が出て来ます。 蝶も出て来ます。
画面が一転して、クラゲの様な、クリスタルの様な物が円形にぎっしりと並べられています。
それが形を変化させて行きます。
今度は円形、三角錐になり、ダイヤの破片の様に、無数の尖ってキラキラした物になりました。
虹色のストライプが、うねりながら、どんどん移動して行きます。
ストライプの中に、豆粒にも見える小さな粒が入り込んで、更に蠢いて行きます。
地層が堆積して行く様を映し出したり、高速カメラで撮ったり。
湖面の上をスケーターがスピンしているみたいに移動して行きます。
無数の人がスピンしています。
人らしき物は光っていてよく見えません。
ボヤーっとした輪郭だけが見えます。
1人の身体を中心に配し、其処から無数に光りや宝石の破片が飛び散って来ます。
新体操のテープみたいな物が、ぐるぐる回転しています。
テープは螺旋状になったり、膨れてドーナツに見えたり、アンモナイトに見えたりします。
白、緑、ピンクの色彩は、アメリカでよく売られている人工着色料たっぷりのお菓子の様。
曼荼羅の様に円形の図形の中で、少女が走り抜けて行きます。
木や、無数に飛ぶ鳥の姿が背景に有ります。
ピンク色の花が咲き乱れ始めました。
無数の花がスクリーンの中心から出て来ます。
止まる所を知らず、次々と・・・・・・・・・・・・・・・・。
***** 「 ひとりぼっちのトン子 」 他 」 ・ 完 ***********