2013年03月24日

Yasunao x Lilis concert  ・  後半

この記事は、「 Yasunao x Lilis concert  ・ 前半 」の続きのレポートです。
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e897333.html

Yasunao x Lilis concert series #6
日時 : 2011年02月26日(土)
   14:30 開場 / 15:00 開演
会場 : 栄区民文化センター リリス
料金 : 一般 3,000円
出演 : 石田泰尚 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
中島剛 ( なかじま ごう ) / ピアノ
演目 : ルクレール / ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品9-3
フォーレ / ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 作品13

〈 休 憩 1 5 分 〉

フォーレ / シシリエンヌ 作品78
ドビュッシー / 「 小組曲 」より 小舟にて
サン=サーンス / 交響詩「 死の舞踏 」
フランク / ヴァイオリン・ソナタ イ長調

アンコール : 1. ドビュッシー /  亜麻色の髪の乙女
          2. ラヴェル( コハンスキー編 )/ 亡き王女のためのパヴァーヌ
          3. ドビュッシー ( ハイフェッツ編 ) /
           ゴリウォーグのケークウォーク

********************

16:00 第2部の開始です。
石田様は黒いスーツに着替え、マイクを持って登場しました。
石田「 えー、今日はありがとうございます。
    えー、えー、中島君です。
    今年、中島君とは初の共演と言う事ですね。
    相変わらず上手いんで、楽しい。」
中島「 楽しいです。 そう言えば1週間前、誕生日だったでしょ?」
客席から拍手が巻き起こります。
中島「 そう言えば、この間、N響と一緒に演奏しました。」
石田「 仙台の方で、僕、誕生日の日にもオーケストラで、
    次の日にN響のメンバーと演りました。
    1st 4人、2nd  4人と言う小編成で『 愛の喜び 』とか
    有名どころで演りましたけど、あのー、やっぱり流石!
    流石ですね。 日本一ですね。
中島「 凄いですね。 その日本一のN響をバックに従えて。」
石田「 N響と言う事で、スーツに着替えまして、やっぱり、
    いつもの格好じゃね。 ま、ね!!
    後半もいっぱい曲弾かなきゃいけないんで、お楽しみに!!」
そして一旦、はけました。

再度、石田様が登場した時には、あれ? 上着を脱いで来ましたよ。
また、袖に切り込みの有る、オーバーブラウスだけで登場です。
石田様は中島さんの方を向いて念入りに調弦を行います。

後半の1曲目は、「 フォーレ / シシリエンヌ 作品78 」です。
石田様ったら、左手の人差し指と中指を立てているよ~!
この曲、二へドンがヴァイオリン教室のレッスンで今弾いている曲やねん!!
二へドンが大の苦手の所を正しく当たり前に弾いています。 ため息。
mf の所をまったく力まずに美しく弾く所は流石です!!

音量の大小は余り激しく出していないのに、メリハリが有るんです。
参った。 二へドン、降参です。

後半の2曲目は、「 ドビュッシー / 「 小組曲 」より 小舟にて 」です。
月光の雫の様な透明感にため息ばかり出てしまいます。
これを聞いたら、どんな悪党の心も澄み渡るでしょう。
最後のハーモニクスのフレーズで二へドンは泣きました。

後半の3曲目はサン=サーンス / 交響詩「 死の舞踏 」。
石田様は演奏前に念入りに調弦をします。
演奏が始まると、二へドンは客席で固まってしまいました。
石田様の余りの迫力の演奏に気おされてしまったのです。
こんな演奏をする石田様は、初めて聞いた様な気がしました。
神奈川フィルの定期演奏会でも、トリオ・リベルタでも、トリオ Beeでも、
YAMATO弦楽四重奏団でも、石田泰尚でも無い、全然別の演奏家が其処に居て
演奏を聴かせてくれている様です。
石田様、新境地を拓く!! って感じです。

うう・・・・・。 二へドンは興奮し過ぎて、この曲を弾く事を、自分の生涯の目標にしよう!
ととんでもない野望を抱いてしまいましたよ!
石田様が今までに聴かせてくれた名演奏は数々有ります。
例えば、フィリップ・グラスやシェラザード等です。
これ等の演奏の時にも、二へドンは魂を奪われたけれども、今日の演奏は、もうそれ以上!!
す・ご・い!!
ツィゴイネルワイゼンどころじゃ、ありません!!
 
後半の4曲目は、「 フランク / ヴァイオリン・ソナタ イ長調 」。
第1楽章 石田様は、じっと下を見てピアノの前奏が始まるのを待っています。
       前奏が始まると、ヴァイオリンを肩に当てて準備します。
       この曲を石田様が弾くのを聞くのは、二へドンはもう数度目ですが、
       最近、富に音が大人の渋さを増して来ましたよね。
       同時に切なさも増して来ました。

       ピアノの間奏の間、石田様は顎当てを持って、ヴァイオリンを逆さに下向きに持ちます。 
       巧く弾いてやろうなんて気負いが全く無く、じっと音と向かい合っている石田様の姿は
       好感度100億倍です!!
       石田様は、これから、あの1挺のヴァイオリンから、どんな宝石を跳び出させてくれるの
       だろうか?
       音の錬金術師・石田泰尚。

第2楽章  狂おしい旋律も以前よりずっと理知的に聞こえます。
        そうすると、尚更、狂おしさがくっきりと浮かび上がって来るから不思議です。
        もう二へドンは、「 私もヴァイオリン習ってま~す!」 なんて愚かな発言は
        出来ない様な、高みに石田様のヴァイオリンは昇ってしまっています。 
        あ~!! 石田様が、どんどん遠くに離れて行く~!!

        中島剛さんの気分ものりのりの様です。
        第1部では彼の上体は比較的動きませんでした。
        でも今は、上体が、ぐるんぐるん動いています。
        二へドンは、「 シドレミ、シドレミ 」と繰り返す部分が大好きなんですぅ。
        第2楽章の終わりで、何故か客席から拍手が起こります。

第3楽章 圧倒されてしまって、もう言葉が有りません。
       ヴァイオリンの弓って、結構幅が有るのですが、石田様の弓は、
       細い1本の銀の糸の様に見えます。

第4楽章 石田様のヴァイオリンは、音がストーリーを語る様になりましたね。
       1人の演奏家を追い掛ける楽しみは、その演奏家の細かい変化を
       感じ取る事が出来る事ですね。
       石田様は、もう単なる演奏家では無いのです。
       ヴァイオリンに語らせるストーリーテラーなのであ~る。
       例えば、一般の人は或る曲の中で、どうして「 ド 」の音の次に
       「 ミ 」が来るのか、そこを説明出来ないと思います。
       でも、石田様の奏でる音を聴いていると、そんなのは愚問だと
       よく分かるのです。 石田様の紡ぎだすフレーズ全体が
       ストーリーを語っているのです。
       そのストーリーに素直に耳を傾けよう。
       ああ! もう凄過ぎて椅子の背に自分の背中がべったりと張り付いています。
       もう、身体もへなへな状態なんです。

素晴らしい演奏会でした!!
でも、まだ有ります。 当然有ります。 カーテンコールを1回した後に、アンコールです!!
アンコールその1.「 ドビュッシー / 亜麻色の髪の乙女 」
       軽~い弓で、情緒たっぷりに聞かせてくれます。
       もの静かな曲ですが、上級テクニック満載の、二へドンには弾けない曲なのぢゃ。
       皆の者、石田様の卓越した演奏を心して聴くが良い。
       あ~。 二へドンは興奮し過ぎて、背中が熱いわ~。

アンコールその2.「  ラヴェル( コハンスキー編 )/ 亡き王女のためのパヴァーヌ 」
       石田様は、右つま先を上げて調弦をします。
       石田様の奏でる音の余りの美しさに涙がボタボタ落ちてしまった。

アンコールその3.「 ドビュッシー ( ハイフェッツ編 ) / ゴリウォーグのケークウォーク 」
       おっと。 石田様は楽譜を床に落としてしまいました。
       でも、演奏は最高でございました。

17:03 演奏会は終了しました。
でも、慌てて席を立っちゃ駄目!
ほら! 場内アナウンスを聞いて!
「 本日の公演は、これを持ちまして全て終了致しましゃしゃしゃ。 ~~~~~ 」
アナウンスの声は男声です。 
語尾がふにゃふにゃの状態で喋るので、客席から笑いが起こります。
そうです。 アナウンスをしているのは、事もあろうに、石田泰尚様なのです!!
演奏で疲れているだろうに、何とお茶目な事!!
「 またのご来場を心よりお待ち申し上げておにゃにゃにゃにゃ。 」( 笑 )

***** 「 Yasunao x Lilis concert  ・  後半 」 ・ 完 *****  


Posted by ニヘドン at 23:30Comments(0)コンサート

2012年11月21日

勝村麻由子ヴァイオリン・リサイタル

今年も「 ろばの会 」より演奏会のご案内を頂いたので、行って来ました。

「 勝村麻由子
ヴァイオリン・リサイタル
〜 秋に聴くプロコフィエフ 〜 」
演奏 : 勝村麻由子 ( かつむら まゆこ )/ ヴァイオリン
河合祝子 ( かわい のりこ ) / ピアノ
日時 : 2012年11月19日(月)
17:30 開場
18:00 開演
会場 : 神奈川大学横浜キャンパス
セレストホール ( 16号館 2階 )
主催 : 神奈川大学今日職員クラシック音楽愛好会・ろばの会
料金 :無料

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ろばの会との出会いは、数年前、ろばの会が魅惑のヴァイオリニスト石田泰尚様をゲストに招んでくれた事に始まります。
あの石田様の演奏が無料で聞ける!?
夢の様な話に、いそいそと出掛けました。
そして、「 また石田様を招ぶなら、是非連絡を下さいっ!!」と連絡先のメモを主催者に押し付けて来たのでした。
それ以来、ろばの会さんから毎回毎回律儀に演奏会のお知らせを頂いています。

ろばの会は恐ろしいですよ。
ただのクラシック音楽愛好家の域を超えていますから。
もう文字通りマニア。
そのマニアな批評眼で選び抜いた演奏家を毎回ゲストに招いています。
ろばの会にハズレ無し。
そんな確かな演奏が無料で聴けるのですから、この演奏会に足を運ばない人は馬鹿だ。
今回の勝村麻由子さんの演奏も、又確かなものでありました。

ニヘドンの音楽経験の中でも、今回の二人は異色でした。
と言うのも、ヴァイオリンの勝村麻由子さんも、ピアノの河合祝子さんも、共に10代の頃にイギリスに音楽留学を経験しているのです。
その音は正しくイギリスの音でした。
ニヘドンが今まで好んで聞いていた演奏家は、ドイツ、オーストリア、イタリア、アメリカ、フランスに留学していた人が圧倒的に多かったのです。
一切の虚飾を取り払った本質だけを聞かせる音。
ニヘドンは結構、無駄の多い音も心憎い演出が伴えば許容範囲なんですけどね。

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MC 「 みなさん、こんばんは。
      クラシック・コンサートが好きな大学教職員達が始めた小さな会から始まりまして、
      皆様のご支援を得て、長く続けて来る事が出来ました。
      お二人共、長年イギリスで活躍されて来ました。」
二へドンが会場を見渡すして見ると、凄く混んでいるのにビックリしました。
数年前、このろばの会で、石田泰尚様をゲストに招んだ時よりも混んでいます。 
が、うるさい!! MCの最中にも、べちゃべちゃ、べちゃべちゃ。
幼児も会場に入ってワーワー言ってるし。 face10
この会場での石田様の演奏会の時にも、客席で喋る婆さん達がいて、これには石田様も気を悪くしたと人づてに聞いた事があります。
大学教職員は、クラシックが好きな様ですが、客層が悪いのは、何とか手を打って欲しいですね。
無料だから、うるさいのは我慢しろって言う事ではないと思うのですよ。

さて、演奏者達がステージに姿を現しました。
勝村麻由子さんは、ラメのロイヤルブルーのロングドレスです。
ピアノの河合祝子さんは、サーモンピンクのジャケット風の上着に、黒いロングスカートです。

1曲目はエルガー/ 「 愛の挨拶 」。
ああ。 イギリスの音だ。 
甘え等、一部の隙も許さない。 余分な物を一切取っ払った、所々擦り切れたトレンチコートの様な、
そんな音が構築されて行きます。
己が存在する事への自信を持った演奏です。
ピアノがまた、頼りないと感じてしまう程にシンプルな演奏を聞かせてくれます。
ガンガン弾いて、ヴァイオリンの音を殺してしまう様なピアノ伴奏が嫌いな二へドンには、
このシンプルさは救いです。
1曲目が終わると、勝村さんが挨拶をします。

「 皆様、こんばんは。 私達は神奈川で演奏するのは初めて。
  最初に弾いた曲ですが、 エルガーの『 愛の挨拶 』です。
  エルガーは自分の結婚式の時に、自分が如何に奥さんを愛しているかを曲に表した曲です。
  今のは前菜。 これからが本番です。」  

Posted by ニヘドン at 21:47Comments(0)コンサート

2012年10月23日

清塚信也 「弾-DAN-」 第3夜 ピアノ・リサイタル 後半

この記事は2008年12月29日に「 ドンドン日記 」にアップした
「 清塚信也 「弾-DAN-」 第3夜 ピアノ・リサイタル 前半 」の続きの記事です。
前半は、こちら → http://nihedon.hama1.jp/e784510.html

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清塚信也 「弾-DAN-」
 第3夜 ピアノ・リサイタル

日時 : 2008年12月25日(木)
      開場  18:30 / 開演 19:00
会場 : 紀尾井ホール
料金 : ¥4,500.-( 税込み・全席指定 )
出演 : 清塚信也 / ピアノ
      山本祥平 / 1st ヴァイオリン
      清塚美耶 / 2nd ヴァイオリン
      横溝耕一 / ヴィオラ
      磯野太佑 / チェロ
      白尾祐介 / コントラバス

演目 : ベートーヴェン / ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調  作品27-2 「 月光 」
      ベートーヴェン / ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 「 悲愴 」
      リスト / 愛の夢 第3番
      ショパン /
      ショパン
      清塚信也 / 劇音楽 「 テンペスト 」
      ベートーヴェン/ ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31-2 「テンペスト」
      武満徹  /   閉じた眼
                小さな空 ( with Violin )
                島へ ( with Violin )
                さようなら ( with Violin )
            Violon: 山本翔平

 〔休憩15分〕

      清塚信也 / わたしが死んでも世界は動く
      清塚信也 / 星の夜に
      渡辺俊幸 / 映画「天国はまだ遠く」より メインテーマ”闇につつまれて”
      渡辺俊幸 / 映画「天国はまだ遠く」より”光につつまれて”
      渡辺俊幸 / NHK「にっぽん 家族の肖像」より”メインテーマ”
      ショパン  / ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21(with Strings)

             1st Violon : 山本翔平
             2nd Violon : 清塚美耶
             Viola : 横溝耕一
              Cello : 磯野太佑
             Contrabass : 白尾祐介
〔アンコール〕

     清塚信也 / オリジナル
     モンティー / チャールダッシュ
     清塚信也編曲 / クリスマスメドレー

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二へドンの席の後ろのお婆ちゃんが、休憩時間中にこんな風に言っていました。
「 清塚さんは、みんなを引き立てるのが上手で。」
うん。 それはファンに取っては、凄く嬉しい事ですよね。
あんまり、ぶっきらぼうの度が過ぎるよりはね。

赤い表紙の楽譜を小脇に抱えて燕尾服姿の清塚さんがステージの上に登場。
さあ、第2部の始まりです!!

清塚「 後半は、『 天国はまだ遠く 』と言うスピンオフ携帯ドラマの曲を作らせて
    頂いたんですが、その中の曲で『 私が死んでも世界は動く 」を演奏します。」
演奏は凄く素敵なんですが、弦楽器チームの譜面台が置いてあって邪魔!!

後半の1曲目は、「 清塚信也 / わたしが死んでも世界は動く 」。
この演奏の後、清塚さんが弦楽器チームのメンバー紹介をします。
清塚「 それでは、チェロの磯野。( 黒いシャツに黒いズボン。)
    ヴァイオリンは、さっきの山本君。」

2人共、控えめに音出しをします。
二へドンの心の夫・石田~リンは、いつも豪快に音を出すけどね。
2曲目は、トリオの演奏で「 清塚信也 / 星の夜に 」。
清塚さんのピアノのイントロが始まります。
美しい~!! 第1部で聞かせてくれた武満徹のピアノ曲に引けを取らないよ~。

演奏後、清塚さんのトークです。
「 ありがとうございます。 続きまして、『 天国はまだ遠く 』より、
  渡辺俊幸先生がお書きになった曲です。 」

コントラバス、ヴィオラ、2nd ヴァイオリンが登場します。
そして3曲目の
 『 渡辺俊幸 / 映画「天国はまだ遠く」より メインテーマ”闇につつまれて”』
  静かに、静かに、心に沁み込ませる様に弾いて行きます。

4曲目は『 渡辺俊幸 / 映画「天国はまだ遠く」より”光につつまれて”』 。
  最後が印象的でした。
  最後にストリングスの拍の長い音の上で、ピアノがメロディを奏でるのです。
  美しいものを聞いた時に、人がハーッとため息をつく状態に皆がなりました。

清塚さんが曲の紹介をします。
「 続きまして、そのままですね、『 「にっぽん 家族の肖像」より”メインテーマ” 』を
お届けします。
5曲目は、『 渡辺俊幸 / NHK「にっぽん 家族の肖像」より”メインテーマ” 』。

演奏後、きよりんがマイクを持って客席に声を掛けます。
「 渡辺先生! もしかしたら、いらっしゃいますか?」
客席の中央から先生が立ち上がります。
あら! 二へドンがトイレに行く時にすれ違った人だわ!!
黒いスーツに、やや長めの髪の毛です。

6曲目はショパン  / ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21(with Strings)。
第1楽章  第1楽章 Maestoso ヘ短調 4/4拍子
   ストリングスの五重奏が格調高い調べを奏でます。
   山本さんのヴァイオリンもいいわ~。 こなれてる感じ。
   でも、チェロの磯野さん、もっと頑張って音を出せばいいのに。
   コントラバスに音が負けちゃってます。
   きよりんは、激しく頭を振りながら熱演!!
   ストリングスの演奏家達は、二へドンが初めて聞く人達ばかりでしたが、巧い!
   こまばエミナースでのコンサートの時の連中より遥かに巧い!!
   
第2楽章 Larghetto 変イ長調 4/4拍子
   おおお! 拍車が入ってしまった!
   この楽章は、当時ショパンが恋心を抱いていた、
   コンスタンツィヤ・グワトコフスカへの想いを表現したと
   友人ティトゥス・ヴォイチェホフスキ宛ての手紙で述べているのです。
   心が震えます。 こういう体験は久し振りです。
   ピアノとストリングスのハーモニーが、しっかりと噛み合っていました。
   「 意思 」の有るきよりんのタッチも素敵icon06

第3楽章 Allegro vivace ヘ短調 4/3拍子
   最後まで聞いて、二へドンは思いました。
   「 協奏曲としては、パーフェクトな演奏!!
   演奏終了後、客席からも、「 良かった。」「 良かった。」の頷きと声が上がりました。
   やっぱり、普段ピアノソロの曲ばかり聞いている人でも、
   このアンサンブル演奏の見事さは分かるよね。

清塚さんが言います。
「 えー、アンコールです。」 ちょっと押しつぶした様な声でしゃべりました。

アンコール
1曲目 : 清塚信也 / オリジナル
       きよりん、チェロ、ヴァイオリンの3人での演奏です。
2曲目 : モンティー / チャールダッシュ
       ピアノ、ヴァイオリンのデュオ演奏。
       ピアノのイントロが情熱に溢れた演奏で、それに負けじと
       ヴァイオリンの山本君も情熱を迸らせます。
3曲目 : 清塚信也編曲 / クリスマスメドレー
       この曲はきよりんのソロ演奏です。
       凄く面白かったです! きよりんお得意の即興風のバリエーションに富んだ
       アレンジが続々と飛び出しました。
       ジャズ・アレンジの「 きよしこの夜 」、
       「 ホワイト・クリスマス 」「 ジングル・ベル」「 きよしこの夜 」
       「 戦場のメリークリスマス 」
       きよりんは、髪がぴょんぴょん飛び跳ねる程、熱演してくれました。
最後にきよりんは、立ち上がってピアノに向かって拍手をしました。
こういうユーモアのセンス、大好きicon06
きよりん、大好きicon06

21:40 楽しかった演奏会も終了となりました。

*****「 清塚信也 「弾-DAN-」 第3夜 ピアノ・リサイタル 後半 」 ・ 完 *****
     


Posted by ニヘドン at 17:58Comments(0)コンサート

2012年04月04日

「 Super Trio 3℃ 」@東京文化会館 ・ 後半

この記事は2010年06月15日(火)に書いたレポ( 前半 )の続きの記事です。
前半はこちらでお読み下さい。 → http://nihedon.hama1.jp/e115595.html

「 Super Trio 3℃ 」コンサート

日時 : 2010年06月15日(火)
18:30 開場 19:00 開演
会場 : 東京文化会館 小ホール
料金 : 4,800円 ( 全指定席 )
出演 : 石田泰尚 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
金子鈴太郎 ( かねこ りんたろう )/ チェロ
清塚信也 ( きよづか しんや ) / ピアノ

演目 : 第1部
ドビュッシー / ピアノ三重奏曲 ト長調
第1楽章 アンダンティーノ・コン・モート・アレグロ ( 約9分 )
第2楽章 スケルツォ・インテルメッツォ ( 約3分30秒 )
第3楽章 アンダンテ・エスプレッシーヴォ ( 約4分 )
第4楽章 フィナーレ・アパッショナート ( 約6分 )

ショパン / ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8
第1楽章 アレグロ・コン・フォーコ ( 約10分 )
第2楽章 スケルツォ・コン・モート・マ・ノン・トロッポ ( 約7分 )
第3楽章 アダージョ・ソステヌート ( 約6分 )
第4楽章 フィナーレ・アレグレット ( 約5分30秒 )

< 休 憩 1 5 分 >

第2部
メンデルスゾーン / ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49
第1楽章 モルト・アレグロ・エダジタート ( 約10分 )
第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ ( 約7分 )
第3楽章 スケルツォ・レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ ( 約4分 )
第4楽章 フィナーレ・アレグロ・アッサイ・アパッショナート ( 約8分30秒 )

アンコール
1. ショパン / ワルツ 第3番 34-2 ( 編曲 / 清塚信也 )
2. ビゼー / アルルの女 第2組曲 「 ファランドール 」( 編曲 / 加藤昌則 )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

第2部が始まる直前、客席の誰かの声が二へドンの耳に届きました。
「 こんなに真剣だとは思わなかったよ。」
ほっへっへ。 だ~か~ら~。
ルックスだけで売っている輩とは、全然違うんだってばよ!!
実力派が、たまたまルックスが良かっただけなんだよ~ん。

ところで、二へドンは、また隣のマダムから足を踏まれてしまいました。
ちょっと足先がぶつかると言う程度のものを除いても、
確かに真上から踏まれるのはこれで3回目です。
相手にクレームつけようかしらんと思った途端に、
スーパートリオ3℃の皆さんが、ステージに姿を現しました。
おお! きよりんは黒いジャケットにお着替えして来ましたよ。

きよりんがマイクを持って喋り始めます。
「 いつも楽屋でトークを誰が喋るのかって言うんですけど、誰も喋りたくないので、困っちゃう。
  この前3人で雑誌のインタビューに答えて、記者の人が
  『 ショパンを取り上げるのは、どうですか?』と質問したら、シーンとなっちゃって。
  ショパンはピアニストなので、彼の曲はピアノが1番難しいのですが、
  チェロのパートは、そうでもないんですよね。
  どうしてかって言うと、ショパンのスポンサーの伯爵はチェロを弾くので、
  伯爵に、いつもお世話になっているので、一緒に弾きませんか? みたいな話の持って
  行き方をする為なんですね。
  でも、僕達3人、ギャラは一緒です。」

次にきよりんは、石田様に向かって質問を投げ掛けます。
清塚 「 ショパンはどうですか? 初めてですか?」
石田 「 そうですね~~~~~~~。 」
清塚 「 これだよ。(笑) どうです? 」
金子 「 この人達、面白いね。 僕はね、もう伯爵になった気分で弾きました。
      でも、1箇所難しい所が有るんですよ。 伯爵は弾けたのかな?
      ところで、石田さん、僕達 スーパートリオ3℃と名前が付きましたね。 」
石田 「 ま~~~、あの~~~。 スーパートリオ3℃と言う名前が付いた訳でして、
      ま~~~、あの~~~、名前が付いてから・・・・
      初のコンサートです。」
客席から拍手が起こります。
清塚 「 誰が付けた訳でも無く、何となく名前が付きました。
      僕達3人、やる気無さそうでしょ?
      楽屋では1人弁当を食べ、1人ガーガー寝て、1人は俺、ラーメン食べに行って来るわ、
      といなくなっちゃう。
      ドルチェとかカンタービレとか、まるで似合わない。
      3℃位かな、俺達。 冷たいよね。 以上です。」
金子 「 それでは、そろそろ後半戦、行きましょう!」
3人は一旦、舞台袖に引っ込みます。

舞台の背面から、大きくチェロの調弦の音が聞こえて来ました。
演奏曲目はメンデルスゾーン / ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49 です。

第1楽章 モルト・アレグロ・エダジタート ( 約10分 )
   うわあ! チェロの深みの有る実存的な音は一体何だろう?
   そう。 非常に哲学的なんだ、彼の音は。 
   ピアノは、やや短めに音を切る感じに弾いて行きます。
   石田様のヴァイオリンは、もう滑らかに美しく
   ヴァイオリンとチェロの音がピッタリとハモります。
   そこへピアノがくっきりと音を嵌め込んで来ます。
   ジグゾー・パズルがどんどん完成して行く満足感を今日は感じる事が出来ました。
   石田様は弓を小刻みに動かす時、首も小刻みに振り大宮デンスケ状態です。
   ( 喜劇役者デンスケを知らない方は、ごめんなさい。)
   石田様の右ひじの角度がいつも 90°って言うのが凄い。
   石田様の奏でる美しい音色は、この美しいフォームの裏打ちが有るからこそ!
   石田様がソロで演奏会をやる時のソロ・ユニット名は「 右ひじ 90°」に決定!?(笑)
   ピアノがテンポを落とし、続いてヴァイオリンとチェロの音が止んだ時の
   底無しの静けさが胸に迫ります。

   ヴァイオリンとチェロの激しいトレモロの後、石田様がジャ~ンプ!!
   むっほっほ。石田~リンの、こういうパフォーマンスには、心がトキメキますわね。
   石田様は右に左に伸び上がり、もう誰にも止められませ~ん!!

第2楽章
 ピアノが哀愁に満ちた旋律を、ややゆっくりと弾いて行きます。
 ピアノの音にそっと沿う様にヴァイオリンとチェロが音を合わせます。
 3人の音のバランスが最高です!!
 余りの見事な演奏に、音の世界の中で我を忘れて、たゆたってしまいました。
 曲の最後に、そっと密やかに石田様が弓を収めます、
 ぞくぞくぞくぞく。

第3楽章
 ピアノが軽やかに鍵盤の上で指を転がして行きます。
 同じピアノ・トリオでも、Bee と、これだけ違うんですね。
 3人の調和が取れているので、各フレーズがくっきり出ていて、
  聞いていて非常に面白いです。
  石田様の弓の使い方の効果が、ちゃんと耳でキャッチ出来るのが嬉しいな。
  例えばテヌートとかマルカートとか。
  ここは3人共かなりテンポ・アップしています。
  柔らかなピツィカートでフィニッシュです。

第4楽章
  演奏は激しさを増し、もの狂おしい程です。
  石田様は足をドスンドスン。
 1人1人の音の美しさ × 調和の美 。
 もう美しさは天文学的です。
 そんな夢の様な世界の中で、1つねアイデアが浮かびました。
 「 きよりん、真っ白なピアノとか、クリスタルのピアノを弾いてみては? 」
   絶対に似合うよ。嫌味無く似合うよ!
 あれ? 石田様のピツィカート、ちょっと走り過ぎ?
 今日な石田~リンの演出?
  ニヘドンとしては、もっと思わせ振りに、ゆっくりの方が石田様らしいと思うのです。

 凄くいいなと思うのがチェロの音です。
   チェロの音がいつも安定しているから、
  聴いていて安心です。
  ニヘドンも自分が演奏する時にチェロやヴィオラの音に乗っかれると楽チンなんです。
  ( だからいつまで経っても自力で弾けないのだと言う噂有り。(笑))

   石田様の小さい「 左手くるりん 」が出ました!
  ( この、左手くるりんが何を意味しているのか分からない人は、
    石田様の生のステージをご覧下さい。見れば分かります!)
   石田様は右袖で額の汗を拭きます。
   トリオ Bee の時は、石田様は及川兄さんの無茶ぶりに、一歩譲っていた部分が有るのですが、
   このスーパートリオ3℃では、聞かせ所は石田~リンが、たっぷり聞かせてくれます。
   ニヘドンも、たっぷり聞きます。

おいおいおいおい!
客席の拍手早いし!!
何事も余韻と言う物が必要でしょう!?
ニヘドン、こういう拍手の早い人とは、きっと恋愛は出来ないなあ。
余韻の無い恋愛だなんてねえ?

きよりんと石田様は、がっちりと握手をします。
石田様、きよりん、鈴太郎さんの順に退場します。
きよりんが両手で楽譜を持って、客席に向かって左右に揺らして見せます。

清塚 「 ショパンのワルツをアンコールに弾きます。
ワルツは本来、明るいのですが…。
( 石田様に向かって ) ねえ、聞いてる?
ワルツでも、こんなに切なく儚いものも有るので、聞いて下さい。」

アンコール 1曲目 「 ワルツ第3番 34-2 」
 チェロとヴァイオリンの余りにもの切なさに涙どー!!
 失恋した時に、これを聞いたら、もう絶対に立ち直れないだろうな。
  ピアノがそーっと音を沿わせて行くのに、背中がゾワゾワ。
 きよりんのピアノはさ、鍵盤を叩いつ音を出している様に感じないの。
 まるで弦楽器を弾いている様なの。
 非常に弦楽器的に音が出る稀有なピアニストだと思います。
 だからピアノ・トリオがバッチリなんだね!!

アンコール 2曲目 ビゼー / アルルの女 第2組曲 「 ファランドール 」
  きよりんのピアノ・アレンジが超かっこいい!!
  石田様はヴァイオリンが休みの間、後ろを向いて眼鏡を外して汗を拭います。
  石田様が高~くジャンプして、客席から笑い声が漏れます。
  演奏はどんどんテンポ・アップして行き、会場の熱気もアップです。
  あのー。 3℃ではなくて、もう既に沸点を越してしまっていますよ!

  演奏が終わると客席は喜んじゃって、喜んじゃって、ブラボー! ブラボー!の大嵐。
  石田様は、さっさと1人で袖に引っ込んで行ってしまいました。
  暫くして、きよりんと鈴太郎さんも退場して行きました。

  その後、石田様が1人で再登場して来ました。
  後の2人が続いて出て来ないので、石田様はステージの上をぐるりと大回りに歩いて、
  袖に引っ込もうとした、その途端、きよりんと鈴太郎さんが出て来ました。
  上手( かみて )から、石田様、鈴太郎さん、きよりんの順に立ってお辞儀をします。
  今度は立ち位置を変えて、上手( かみて )から
  石田様、きよりん、鈴太郎さんの順に立ってお辞儀をしました。
  最後の最後で鈴太郎さんが客席に向かって高く手を上げて振りました。
  楽しい一夜が幕を閉じました。

***** 「 「 Super Trio 3℃ 」@東京文化会館 ・ 後半 」 ・ 完 *****  


Posted by ニヘドン at 04:04Comments(0)コンサート

2012年03月17日

YAMATO弦楽四重奏団 〜 幸松肇が贈る弦楽四重奏・後半

この記事は2010年09月26日に書いたコンサート・レビュー
「 YAMATO弦楽四重奏団 〜 幸松肇が贈る弦楽四重奏・前半 」の続きです。
→ http://nihedon.hama1.jp/e130055.html

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YAMATO 弦楽四重奏団
幸松肇が贈る弦楽四重奏の饗宴シリーズ3

日時 : 2009年09月26日(土)
  17:30 開場 18:00 開演
会場 : 横浜みなとみらいホール 小ホール
料金 : 3,800円 ( 全席指定 )
出演 : YAMATO 弦楽四重奏団
・ 石田泰尚 ( いしだ やすなお ) / 第1ヴァイオリン
・ 執行恒宏 ( しぎょう つねひろ ) / 第2ヴァイオリン
・ 榎戸崇浩 ( えのきど たかひろ ) / ヴィオラ
・ 阪田宏彰 ( さかた ひろあき ) / チェロ

演目 : ハイドン / 弦楽四重奏曲 ニ短調 「 五度 」作品76の2
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ・オ・ピウ・トスト・アレグレット
第3楽章 メヌエット、アレグロ・マ・ノン・トロッポ
第4楽章 フィナーレ、ヴィヴァーチェ・アッサイ

メンデルスゾーン / 弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 「 ファニーのためのレクイエム 」作品80
第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
第2楽章 アレグロ・アッサイ
第3楽章 アダージョ
第4楽章 フィナーレ、アレグロ・モルト

< 休 憩 1 5 分 >

ピアソラ 〜 幸松肇 ( こうまつ はじめ ) 編曲 / 弦楽四重奏のためのピアソラ
第1曲 ブエノスアイレスの秋
第2曲 天使のミロンガ
第3曲 ミケランジェロ '70
第4曲 オブリヴィオン ( 忘却 )
第5曲 エスクアロ ( 鮫 )
ウェルナー・トーマス=ミフネ / ハイドン風の弦の跳躍
   ペーター・ハイドリヒ / メンデルスゾーンの結婚行進曲の主題による変奏曲

アンコール
1. 山田耕筰 / からたちの花
2.ヘンリー・マンシーニ / 小象の行進

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

19:10 に第2部が開始されました。
先ずは作曲家の幸松肇さんの挨拶が有りました。
「 今日のプロデュースをしている幸松です。
  前半はハイドンとメンデルスゾーン2人の晩年の曲を聞いて頂きました。
  メンデルスゾーンは女性らしい作曲家として有名ですが、この曲を聴いてどうですか?
  男らしいと言うか、ベートーヴェンの様な感じがしますでしょう?
  メンデルスゾーンの大好きな姉ファニーが亡くなった時、悲嘆にくれまして、
  同じ年に亡くなるんですね。
  メンデルスゾーンの四重奏の中で1番注目されておりまして、初期・中期の明るい曲も
  有るんですが、これが非常に難しい曲なんです。
  昨日、銀座でこの曲をレパートリーにしているドイツの楽団の演奏を聴きましたて、
  今日、YAMATO がどの様に演奏するか楽しみだったのですが、見事でしたね。
  後半はガラリと趣を変えてピアソラの曲をお楽しみ下さい。
  楽譜は来週発売します。」

石田~リンと執行さんは、黒いシャツにお着替え。
阪田さんと榎戸さんは白いシャツにお召し替えです。

ピアソラ 〜 幸松肇 ( こうまつ はじめ ) 編曲 / 弦楽四重奏のためのピアソラ
第1曲 ブエノスアイレスの秋
     おや。 いつもトリオ・今日はリベルタでの演奏では、曲の冒頭でヴァイオリンをギコギコ
     言わせるのは石田~リンの役目なのに、執行さんがギコギコの担当でした。
     ヴァイオリン2、チェロ1、ヴィオラ1 という弦楽器4つの音が層を成す
     ピアソラもミステリアスで面白い。

第2曲 天使のミロンガ
     テンポがゆったりで、そっと弾いているのが印象的でした。
     それだけに返って哀愁の度合いが増し、胸が締め付けられます。
     演奏の途中で石田様はヴァイオリンの渦巻きを、ぐるぐるりんと回します。
     そして、「 あ、今の観てくれた? 」目線を客席に投げ掛けます。
     トリオ・リベルタ、トリオ BEE、ソロ、YAMATOと同じ石田様の演奏なのに、
     それぞれ全く違う演奏となって来るのが、素晴らしいと思います。
     演奏は生き物。 だから何度コンサートホールに足を運んでも全く飽きないのです。

第3曲 ミケランジェロ '70
   石田様が踵を2回、ドンドンと床を踏みつけると、それが演奏開始の合図です。
     チェロの音がハードボイルドでいいなあー。
     石田様が右足で前方にスローモーションで前方に蹴りを入れます。
     石田様は、いつもはピアソラを弾く時には立っているのに、今日は座っているから、
     「 もうオイラは我慢出来ない 」状態なんです。(笑)   
     最後は派手派手アクションで終わります。( 当然だわね。)
     譜面台の向こう側から、石田~リンの「 今の、見ててくれた?」目線が
     投げ掛けられて来ます。
     うん。 見たよ。 ちゃんと、見ててあげたよ、やっちゃん!!

第4曲 オヴリヴィオン ( 忘却 )
    今回のギコギコ担当は石田様。
    執行さんのアルペジオ風の旋律が心に沁みます。
    阪田さんのチェロもジャズベースの音になっていて、カッコいい事この上無し!
    沁みるー!!
    今まで聴いた、どの「 オヴリヴィオン 」よりも「 忘却 」の
    ニュアンスを色濃く出している演奏でした。
    これで、パーフェクトだと思える二へドンの耳に、更に石田様の
    E線の美音が止めを刺します。 
    二へドン、へなへな~。
   
    執行さんのピツィカートがレーダーで狙って迫撃砲弾を撃ち込んで来ます。
    全く、この4人組、乙女の心を狙い撃ちして来ますから注意が必要です。
    しっとりした秋に聞くのは、YAMATO弦楽四重奏団に決まりだね。
    ミレミ~と石田様が弾く時、指3本上げるビブラート。 うおお!
    ヴァイオリンでビブラートをかけられない二へドンは涎出ちゃうよ!

第5曲 エスクアロ( 鮫 )
    トリオ・リベルタのアレンジの方が、よりロックで格好いいと思うけれども、
    YAMATO版の「 鮫 」も、何度も聞いている内に、段々好きになって来ました。
    要するに石田様最高!! と言う事です。( 笑 )

演奏が終わると、阪田さんがマイクを持ってトークの始まり、始まり~。
阪田 「 ええと、僕が代表と言うか、まあー、営業トークの係りです。
      先ほど、袖で聞いてましたら、これとこれは言って下さいねって
      言われた事を、( 幸松 )先生が全部言ってくれたので、
      もう言う事は無いのですが、ハイドンの「 五度 」、
      もう覚えてないかもしれませんが、次の曲は、このハイドン風の
      編曲が楽しいのですが、盛り上がるのはお客様次第。
      僕達の責任ではありません。
   
      何時にも増して態度の悪いファースト・ヴァイオリンですが、
      先ほどからちょっと熱を出しておりまして、気力を振り絞って演っております。」

ええ~!? 石田~リンが発熱!? 大変だ!
石田~リン、早くゆっくり休んだ方がいいです!!
勿論二へドンが添い寝してあげます!!!!!!

ウェルナー・トーマス=ミフネ / ハイドン風の弦の跳躍
   「 五度 」を忘れちゃっていても、充分に面白い曲です、これ。
   二へドンは曲自体は初めて聞きましたが、知っている名曲のフレーズが
   随所に顔を出します。
   「 ベサメムーチョ 」。 おお! そう来るのか!!
   「 シエルトリンド 」。

ここで二へドンはふと気が付いた事があります。
石田様のポケットチーフの色が白!! 珍しくないですか、これ!?

次の曲が「 メンデルスゾーンの結婚行進曲の主題による変奏曲 」。
  石田様のソロ演奏から開始するので、石田様ファンはイチコロになりますね。
  直ぐに他の3人がジョイントしますが。 いや、別に3人が邪魔とか言っている訳では無く・・。
  え!? 石田様が左足を高く上に上げた!?
  ちょっとちょっと、執行さんを蹴っ飛ばさないでよ。( 笑 )
  その後、石田様は引き弓で左手を、うわ~んと宙に泳がせるよ。
  ワルツ風の変奏有り。 「 ラプソディー・イン・ブルー 」のメロディーが出て来る
  バージョンが最高に二へドンのお気に入りです!
  「 フニクリフニクラ 」のメロディーも微笑ましいです。

演奏が終わると、4人のメンバーは舞台袖に退場。
再び登場すると、一列に横並びになり、客席に向かって一礼。
また退場する時に、「 え? もう帰っていいの? 」みたいな戸惑いがメンバーの間に生じ、
その戸惑い振りが、下手な演出よりも微笑ましくて、阪田さんも皆んな、皆んな笑顔で退場です。
そしてアンコールの為にステージに現れてくれました!  

Posted by ニヘドン at 23:31Comments(0)コンサート