2012年12月10日

山口ザビエル記念聖堂

山口ザビエル記念聖堂2011年09月24日(土)
山口市を訪れて、ここを外す訳には行かないので、
やって来ました。
「 山口ザビエル記念聖堂 」に!
ホテルは湯田温泉に取ったので、
朝、ホテルから山口市駅を目指して
歩いて来ました。
ここの教会は、最初の「 ザ 」の
濁点を取った「 サビエル 」と言う
表記を使っていますが、
学校で使っている検定教科書の
表記は「 ザビエル 」なので、
通例通り「 ザビエル 」で
書かせて頂きますね。

10:08 山口天使幼稚園。
10:10 山口ザビエル記念聖堂。
もっと由緒正しい古い聖堂かと
思いましたら、火災焼失の後、
こんなモダンな聖堂に変化していたんですね!!
現在横浜在住で、出身は湯田温泉と言うSueさんに拠ると、
「 山口の人は新らしもん好き 」だそうです。
聖堂の斬新なモダン建築にも、そんな県民気質が現れているのでしょうか。

聖堂の概略を記しておくと、
1952年ザビエル山口来訪400年を記念して献堂。
1991年9月焼失。
1998年4月再建。
新聖堂は、光、水、テントを全体のテーマとしている。
53mの2本の塔を配し、正面にはステンドグラスと十字架。
屋根は建物全体を覆う神の幕屋をイメージしてデザインされている。
塔に付けられた9つの鐘は、それぞれに平和と幸せを告げるメッセージが刻まれ
定刻には山口の街並みに鐘の音を響かせている。山口ザビエル記念聖堂

結構急な丘の斜面を登り切ると、左手に
「 亀山公園 」が有ります。
亀に形が似ている事から、亀山と呼ばれており、
山頂公園からは山口市内が遠望出来ます。
春は桜、つつじ、秋は楓の名所としても知られています。
明治維新に功績の有った毛利敬親の銅像も有ります。

右の写真は「 井戸端の フランシスコ・ザビエルの像 」です。
彼は、山口では、井戸の横で毎日2回の説教を行い、
山口の大殿小路で布教活動をしたとされているので、
そのエピソードに因んだ像となっています。
駐車場の外側に有るので、見落とさないで下さいね。

ザビエルの像から、いざ、聖堂の建物へと通路を歩いて行くと、
「 アゴラ 」と言う名の売店が右手に有ります。
10:11~10:21 売店の中を見物します。
おお! 中の商品は結構安いので!!
書籍からグッズから、色々有って、見ているだけで楽しいです。
信者じゃなくても、楽しいお買い物が出来ますよ。

聖堂を近くで眺めてみると、ステンドグラスのポップさが、とても教会とは思えません。
オレンジ、ブルー、黄色、と、あざといとも言える色が溢れています。
イラストのモチーフは、星、手、太陽。
オルガンの音楽がCDで流されています。

礼拝室の中には入れません。 ちょっと中を覗ける程度です。
記念館は聖堂から地価へ下りた所に有ります。
ちょっとした図書室のコーナーが有り、普通の小さな書店では絶対に置いていない
キリスト関係の本が多数有り、なかなか興味深いです。
先ずは気になった本を手に取り、デスクに持って行って座って読んでみました。
ガエタノ・コンプリが著した「 聖骸布 」の本が、面白くて、ついつい読んでしまいました。

おっと、いけない。 そろそろ記念館の資料を見に行かなければ!
日本画家・満田 彗峰(みつだ せいおう)画伯の作品が最初に現れます。
「 ザビエル渡来450周年記念 ザビエル宣教伝記図 」です。
スケール感が無く、ちんまりとまとめられた感じです。
もっとザビエルや、布教に熱烈な想いを持っている人々を絵の中に描いてもらえれば
良かったのに、と思いました。
二へドンから見ると、ザビエルは、布教と言うよりは、冒険家としての認識なんです。
ヨーロッパの教会で、ぬくぬくとしていれば良いものを、
多数の外国を渡り歩いて、日本国内でも、山口から都へ2ヶ月程掛けて
旅をした時に、数度、盗人に出くわしていると、ザビエル自らが書き残しています。
決して、いい思いだけをしていたのでは無く、命の危険を感じた事も何度も有るのでしょう。
そんなザビエルをテーマにした絵は、もっとドラマチックに描いても良いのでは・・・?

あちゃ! 凄いものが入っていたとされる厨子が有りました。
1999年ザビエル渡来450周年を記念してローマからザビエルの
聖腕( 右腕 )が50年振りに10月07日に鹿児島に到着。
平戸、福岡、那覇、小倉、岡山を経て、10月21日に山口へ。
25日までの間、ザビエルの聖腕の山口巡礼が企画されたそうです。
その後、広島、大分、宮崎と巡りm11月01日にローマへ帰還。
展示されている厨子は、この西日本を巡礼するザビエルの聖腕が安置されていたものだそうです。
この厨子を製作したのは、宇都宮在住の日本美術院の院友の
馬場良治氏です。
んー。 あんまり有り難味が無いんだわ。 
古い町並みで有名な観光都市・萩を、作家の椎名誠は「 張りぼての町 」と
称しましたが、この厨子も、萩の張りぼてっぽい印象を受けました。
二へドンは、幼稚園がカトリック系で、純粋にイエス様を信じたかったのに、
普通の公立の小学校に通い始めて、他の生徒の目の前で、
神に祈りを捧げたり、アーメンと言う事が恥ずかしくて出来ず、
自分はキリストから遠い存在なのだとキリスト教徒になる事を諦めました。
その分、キリスト教に背を向けつつ、でも物凄い憧れの念が有るので、
キリスト教関係の美術品にも、とてもウルサイんです。
信者に成り切れなかったコンプレックスが有るものだから、
他人には超、厳しいのよ。 ( 笑 )

では、他に展示されているものを幾つかピックアップして行きましょう。
☆ ステンドグラス ( スペイン・ナバラ州政府から寄贈された物 )
   アルベルト・クエカ・オリテ作。
   描かれている人物は、ザビエル、大内義隆、忍空と言う高僧など。
   この作品はメッセージ性が有るのでOKです。
   そう。 音楽でも何でも、メッセージ性が欲しい二へドンなのでありました。
☆ 「 被昇天の聖母 」 木製。
   ドイツ製。 18世紀の物と推定されている。 バロック時代の物。
☆ 焼失前の旧聖堂の建物の写真のスライド上映。
☆ イラリ ( 墓石 )。
   人間を崩した形で象徴しており、2,000年前の墓石の形に基づいている。
☆ 聖母子像 ( スペイン製の木像 )。
   1,300年、1,400年代前後の物。

壁にはザビエルの弟子や、所縁の人々のイラストと説明文がズラリと並んでいます。
二へドンが興味を惹いた人々を挙げておきましょう。
◎ ベルナルド・・・ ザビエルの最初の弟子。1549年、鹿児島で洗礼を受け、
             ポルトガルのコインブラ( Coimbra )で病死。
◎ マテオ ・・・・・ 山口の人。 ゴアの学院に着いて数ヶ月で病死。
◎ パウロ・ヤジロウ ・・・・・ 日本名は池端野弥次郎。 人を殺して海外へ逃亡。
             マラッカでザビエルに出会って1548年05月インドのゴアの
             司教から洗礼を受ける。
             1549年ザビエルと鹿児島に帰り布教に貢献したが、
             その後の消息がよく分からない。
             中国の海岸沿いで帰天したとされている。
◎ イルマン・ロレンソ ・・・・・・ 1526年~1592年。 平戸( 肥前白石 )の
             盲目琵琶法師。 容貌は醜いが、知力、弁舌抜群。
             高山右近父子を受洗に導く。

☆ 「 イグナチオ・ロヨラとリバデネイラの像 」スペイン木製。
   ビクトリアノ・サルモンS.J. 作。
☆ 旧聖堂の鐘。
☆ 写真家・緑川洋一がラフした旧聖堂の写真 2枚。
☆ 「 聖フランシスコ・ザビエル 下関上陸記念像 」のレプリカ。
☆ 「 ミサ典書 」 1718年ベニス、 1765年ナポリ、1893年トリノ、1933年ローマ。
☆ 「 聖書 」 1737年 ベニス。
   『 たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、
     失ったりしては、何の得があろうか。 ルカ 9:25 』
☆ 「 ザビエルの手紙 」 1548年01月20日コーチンよりポルトガル国王ジョアン3世宛て。
☆ 「 ザビエルの生涯の絵 」1~13枚。
☆ 「 大内義長の布教許可状 」の写真。
☆ 「 島原の乱の大砲の弾 」 りんご大の大きさにビックリ。
☆ 「 キリシタン禁止立札 」 正徳元年05月。
☆ 「 踏み絵 」 結構ちゃっちい。 踏み絵に描かれているキリストの顔の目鼻立ちは
    殆ど無いし。 これは戦後、米軍大佐マイク・T・ブックレイ氏が戦時中に日本軍が
    集めた金属類の中から見つけたもの。
☆ 「 岩国城の瓦の一部 」 裏に十字架が付いている。
☆ 「 ミサで使われる祭具の陳列 」
    ・ カリス ( 聖杯 )
    ・ チボリウム ( 聖体を納める蓋付きの器 )
    ・ パテナ ( 聖皿 ) - 聖別されたホスチア( 聖体 )を入れる器。
☆ 「 十字架から下ろしたイエス・キリスト像 」
☆ 「 ジョージ・ルオー作 キリストの御顔 」 白黒のラフな一点。
☆ 「 祭服 」 ( カブラ ) - 白、黒、赤、緑、紺の刺繍が見事!

**********************************

お手洗いは、館内にはなく、駐車場の脇に有る。 館内に無いのは、雨の日など困るね。
11:15 山口ザビエル記念聖堂を後にしました。

[ 山口ザビエル記念聖堂 ]
開館 09:00~17:30 ( 入館は17:00まで )
定休日 : 毎週水曜日 ( 祝日の場合は翌日。)
アゴラ( 売店 ) 10:00~17:00

***** 「 山口ザビエル記念聖堂 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 18:06│Comments(4)旅行
この記事へのコメント
山口のザビエル記念聖堂は、日本のキリスト伝来に大きな
足跡を残した教会です。残念ながら火災で古い姿はありません。
この聖堂を建築するに当たって、ここを訪れた方達に募金を
呼びかけて再建された聖堂です。私もそこを訪ねた折に、僅かな
募金をさせてもらいました。再建されてからは訪れていませが、
娘たちは新しい建物を訪れ話には聞いています。娘の夫は山口
出身で、その教会の幼稚園に行っていたようです。山口市は
静かな街で、古い神社仏閣が多くあります。教育にも熱心な場所
ですね。
Posted by なっちゃんなっちゃん at 2012年12月10日 18:38
 おお!!山口ですか。家内の実家は山口県山陽小野田市なのですが、山口市はなかなか遠い。このお店一回行ってみたいです。
Posted by 皇帝きむち at 2012年12月10日 20:18
なっちゃん様

コメントありがとうございます。
山口は、人々も穏やかで、私のお気に入りの土地です。
年に1度は行きたいと思っています。
Posted by ニヘドンニヘドン at 2013年02月15日 10:08
皇帝きむち様

コメントありがとうございます。
そうですか。 山口所縁の方が、身近にいましたか!
二へドンは山口は夜行バスで行く人です。
( 飛行機は値段が高過ぎる。)
Posted by ニヘドンニヘドン at 2013年02月15日 10:10
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