2014年09月01日

「 8人の女たち 」

8人の女たち
原題 : 8 femmes
邦題 : 8人の女たち
原作 : ロベール・トーマ
監督 : フランソワ・オゾン
音楽 : クリシュナ・レヴィ
上映時間 : 111分
公開日 : 2002年11月23日
ジャンル : コメディ / ミステリー /
      ミュージカル
字幕 : 古田由紀子

出演 ( )内は役名。
カトリーヌ・ドヌーブ ( ギャビー 【 妻 】)
ダニエル・ダリュー ( マミー 【 妻の母親 】)
イザベル・ユベール ( オーギュスティーヌ 【 妻の妹 】)
ファニー・アルダン ( ピレット 【 主人の妹 】)
ヴィルジニー・ルドワイヤン ( シュゾン 【 長女 】)
リュディヴィーヌ・サニエ ( カトリーヌ 【 次女 】)
エマニュエル・ベアール ( ルイーズ 【 メイド 】)
フィルミーヌ・リシャール ( マダム・シャネル 【 ハウスキーパー 】)

******************************

{ あらすじ }
1950年代のフランス。
クリスマスを祝う為に雪深い土地の大邸宅に、とある家族が集う。
主人が刺殺体となって発見されるが、電話線は何者かによって切られ
外部との連絡が取れない。
外部から隔絶された屋敷の中で、8人の女達が互いに疑心暗鬼に駆られ
そんな中で1人1人の秘密が暴露されていく・・・・・・・。

{ 二へドンの感想 }
別に犯人が誰か分からなくても構いません。
突然、歌い始めたり、一体これはミステリーなのか、ミュージカルなのか
判別できなくても構いません。
これがオール日本人キャストで撮影された日には、「 駄作 」のレッテル貼られて
お蔵入りなんでしょうが、フランス映画だから良いのです。
「 あたし、人生背負ってます。 あらんどろん。」 と言わんばかりの
フランスの女優さん達を楽しめばいいのです。
フランス映画って、何故か最近、超大作の映画が生まれないんですけど、
「 個人的に楽しむのがフランス流よ~ん。 えすかるご。」 みたいに観れば、
ムーランルージュのレビューを見ている様で、とっても楽しくて二へドンは好きです。

*********************************

スワロフスキーの暖簾の映像の後、8つの花がアップになり、女優さんの名が出て来ます。
一変して雪に覆われた屋敷の庭が映し出されます。
雌鹿が枯れ木を食んでいます。

クラシックな赤いコートを着た女性のシュゾンが屋敷に到着する所から、ストーリーが始まります。
車椅子の上で昼寝をしている母親のマミー。
ハウスキーパーのマダム・シャネル。
シュゾン 「 生まれた家に戻れて嬉しいわ。」
新しいメイドのルイーズ。
眼鏡を掛けた妻の妹のオーギュスティーヌ。( シュゾンから見ると「 叔母さん 」)
マミー「 ここで暮せるのもギャビーのおかげよ。」

妻のギャビー( マルセル )と長女のシュゾン、妹のカトリーヌの3人で
「 ♪ パパは世間知らず 」の歌を踊りながら歌う。 

眼鏡の叔母さんオーギュスティーヌが、「 夜中に電気の灯りで眠れなかった。」と文句を言う。
家に戻ったカトリーヌは2月で17歳になる。
「 ♪ パパはちょっとズレてる。」 と歌う。

メイドのルイーズが朝食のトレイを旦那様の部屋に運んで行く。
旦那様の死体を発見し、大騒ぎになる。
集った人々が次々に発言をして行く。
メイド「 犬が吠えませんでした。」
「 最後に電話をしたのは?」
カトリーヌ 「 Moi 」。
ギャビーやシュゾンも証言を連ねて行く。

ムッシュ・ファルヌーが新しい協力者となる。
メイド 「 此処に来た時、ファルヌーに喜んで犬がじゃれていました。」
「 遺産相続人は?」
カトリーヌ 「 パパの妹に電話しなくちゃ。 パリでふしだらな生活をして、マルセルを頼って戻って来たの。」
ギャビー「 マルセルとは深い絆で結ばれていたのに。」
マダム・シャネル「 オーギュスティーヌは嫉妬してるんです。 彼女はブスで貧乏だから。」
カトリーヌ「 マミーとパパと叔母さんの仲は? 」
「 母は株券を枕の下に隠していたの。 2人はケチ。」

ルイーズは10月から此処で働いている。
「 本当に・・・・・・ 」

マダム・シャネルは主人の妹のピエレットとカード遊びをしている。
ピエレットはマダム・シャネルに事情を訊く。
ピエレット 「 いつ、此処を出たの?」
マダム・シャネル「 12:00です。」
ピエレット「 誰か訪ねて来た? 」
マダム・シャネル 「 誰も。 1度も誰も来ていません。」

マダム・シャネルは「 ルイーズは男をたらし込む。」 と告発する。
マミー「 パパは破産よ。」
マミーの株券が盗まれてしまった。
娘達皆が、枕元に集って来る。
オーギュスティーヌがピアノを弾き、弾き語りを始める。
マミー、ギャビー、シャネル、カトリーヌの4人が会談に座って左右に揺れながらコーラスをする。

歌が終わるとオーギュスティーヌは眼鏡を外してピアノから立ち上がる。
オーギュスティーヌの顔がアップになり
「 ♪ 人生の重荷になっても私を想って ♪ 」と歌う。

ギャビーが戻って来た。 車が動かない。
カトリーヌ「 探偵小説では相続人が犯人よ。」
シュゾン 「 見て! 誰かが庭に! 」
黒髪のネッカチーフを被った女だった。
それは、主人の妹のピエレットで、ヒッチハイクをして屋敷までやって来たのだった。

ギャビー 「 来た事も無いのに、何故、部屋が分かるの?」
ピエレットがピアノの上に有った鍵で部屋を開けようとしたが、開かない。
「 開かない。 別の鍵よ。 誰かがすり替えたのね。」
ピエレットは笑い、歌い出す。
ピエレットが黒いコートを脱ぐと、真っ赤なスリット入りのスカートに、黒いジャケット姿。
「 ♪ 自由に生きて何になるの? ♪ 」
ピエレット 「 マルセルとは1~2度会ったわ。 偶然に。 」
マミー「 私はマルセルの義理の母よ。」

ピエレットとオーギュスティーヌは同じ読書クラブに入っている。
「 週に5冊は借りているわ。」
ピエレットは本に挟んであった兄への手紙を読んでしまう。
『 マルセルへ。 株の事では母の同意無しで。 貴方に貢ぐ為よ。」

オーギュスティーヌ 「 ギャビーを見返してやりたいの。 愛人は他にもいたって。」
シュゾン 「 ピエレット、 此処に来たの初めて?」
ピエレット 「 Oui. 」
シュゾン 「 嘘よ。 シャネルとカード遊びを。」

ピエレットはマルセルにお金の無心を何度かしていた。
ギャビー 「 私は部屋に居たわ。 物音がしてカトリーヌだと思ったわ。」
カトリーヌ 「 トイレだけ。 読書して気が付かなかった。 
         そう言えば寝る前に、叔母さんがナイフを砥いでいたのよ。」
ピエレット 「 真珠飾りを磨いていたのよ。」
マミー 「 編み物の毛糸を取りに1階へ下りたわ。」
ルイーズ 「 お茶を運んだ時にオーギュスティーヌと会ったわ。」
シャネル 「 5分後に台所を見たの。 ルイーズがお茶を頼まれて。」
ギャビー 「 夫に最後に出会ったのはルイーズね。」
ルイーズ 「 お茶を運んだら、部屋にピエレットが。 私は直ぐに部屋を出ました。
        1万フラン渡して、この事を黙っていないと。」

カトリーヌ 「 昨夜 04:00頃、パパの部屋でシュゾンを見たわ。」
シュゾン 「 パパに認めてもらいたかった。」
ギャビー 「 妊娠したの。」
ルイーズ 「 大雪で門が閉まって外に出られません。」
カトリーヌとシュゾンは窓辺で雪を見ながら話す。
2人で歌と踊りの場面。

ギャビーはシュゾンを娼婦と罵る。
ピエレット 「 貴女も兄と結婚した時、貴女も妊娠してたわね。」
ギャビー 「 おしゃべり! 」

オーギュスティーヌが何か言いかけ、心臓発作で倒れる。
皆はルイーズに注射をする様に言う。
部屋から注射液が消えている。
チラっと目を開けて様子を確かめるオーギュスティーヌ。
オーギュスティーヌは、今、気がついた振りをする。
オーギュスティーヌ 「 死んでもいいのね。注射も打たずに。」
注射液はギャビーのベッドの下に有った。
ギャビー 「 1週間前、夫は貴女に200万遺すと言っていたわ。」
ピエレット 「 自分に取り分が少なくなるのね。」
オーギュスティーヌのお尻にルイーズが注射をする。

シュゾン 「 荷造りしたスーツケースが有ったけど、旅行に行く積もりなの?
       私の本当の父親は? 」
ギャビー 「 私が愛した人よ。」
シュゾン 「 今どこなの? 」
ギャビー 「 お前が生まれる前に死んだわ。交通事故で。」
マミー 「 ルイーズが注射を拒否するなんて怪しいわ。
         お前のコートとショールが居間に有ったわ。」
シャネル 「 01:00に戻って来ました。」
シュゾン 「 何故? 」
シャネル 「 迎えに。愛するピエレットを守る為です。」
シュゾン 「 レズなの? 」
ギャビー 「 治さなきゃ。病気よ。」
マミー 「 レズビアンと未婚の方、意見が合うわね。」
シャネルは1人でキッチンのテーブルに座って歌を歌う。
♪ 独りは寂しいから あなたを待ち続ける

ピエレットが告白する。
「 兄とルイーズは5年間深い関係なの。
  在宅の愛人よ。」
ルイーズ 「 Oui. お互いに好きでした。」
ギャビー「 こんな下品な娘と…。」
ルイーズ 「 上品な女は嫌いだと言っていました。」

オーギュスティーヌがやって来る。
「 母親の教育が悪いからこうなるのよ。」
ギャビーがマミーへ向かって言う。「 足の悪い振りをするアル中女!」
シャネルは「 全て解決です。」 と言って外へ出て行く。

シャネルが戻って来ると、皆は隠れてしまう。
パンと音がしてシャネルは倒れてしまう。
ギャビー「 分かったわ。 彼女はシロよ。」
目を剥くシャネル。
オーギュスティーヌ 「 どうやったら誘惑出来るの?」
ルイーズ「 女の魅力は有るか無いかよ。」
ルイーズは歌う。
カトリーヌ「 可哀想な叔母さん。 パパと寝たかったのにメイドに寝盗られると。」
シュゾンは目配せをする。
マミー 「 ルイーズは嘘を。
     刀がめり込んでいるのに、どうして短刀だと…。
     お前のパパはあらゆる問題から私を守ってくれたの、分かるの?
     私には優しかった。本物の紳士よ。
      でも最低の男。今みたいに離婚や別居の出来ない時代よ。」

オーギュスティーヌがマミーの首を絞める。
其処へギャビーがやって来て、マミーを瓶で叩く。
「 納戸で休ませますね。」と言って気絶したマミーを納戸に押し込める。
泣きじゃくるオーギュスティーヌ。
「 何故、毒殺した事を黙っていたの?」
ギャビー「 最悪の1日。」
カトリーヌがシュゾンを不感症呼ばわりして掴み合いの喧嘩になる。
シュゾン「 マルセルは本当。お腹の子はマルセルの子なの。」
突然、態度がデカくなるルイーズ。
ルイーズ 「 風格の無い無能な女主人ね。」
ルイーズはエプロンを取り、白い襟を取り、髪を下ろす。
ギャビーは、エプロンのポケットかろはみ出していた写真を取り出す。
ギャビー 「 この写真は、貴女の昔の女主人ね。」
ルイーズ 「 Oui, madam. 」

ギャビー 「 シャネルは無言。 妹は泣いてばかり。ルイーズは大威張り。」
ピエレットの鞄が有り、シュゾンが開けると、中からピストルが出て来た。
オーギュスティーヌがドレスアップして階段を下りて来た。
ドンっ!と階上からピエレットが下りて来て「 トイレよ!」と言う。
シュゾン 「 私達は犯人に閉じ込められたのよ!」
ピエレット 「 愛人が居るわね? 」
ギャビーは歌う。
ピエレット 「 男を誘惑するには、悪女の魅力が無いとね。
     私が昼に来た時、彼は私をドアも開けずに追い返したわ。
     それで夜中にまた来たの。」
ギャビー 「 私に愛人が居るのを黙っててくれて、ありがとう。
      荷造りも済んでいた。
      でも別れの日に殺されてしまった。
      夫が拒絶したお金をあげるわ。」
ピエレット 「 50万フラン、男にあげたわ。」
「 ファルヌーが愛人!?」
ピエレット 「 私からお金もファルヌーも奪ったわね。」
2人は揉み合うのですが、流石にフランス映画だなと笑っちゃうのは、
揉み合う内に、二人はキスするんですけど。(笑)

そこへ、4人が外から帰って来る。
シュゾン 「 何してるの? 」
「 お喋りよ。」
彼等は納戸の中からマミーを引っ張り出す。

シャネルが起き上がって全てを話す。
シャネル「 これにはカラクリが有るの。
      カトリーヌ、話して。」
カトリーヌ 「 正直な男がいて、8人の女にくたくた。
     1、義理の母は株券を渡さなかった。そして盗まれた。
     2、オーギュスティーヌがご機嫌伺いに来た。
     ギャビーは好きだけど。
      3、ママは別れ話を突き付けた。
      そしてファルヌーと逃げる。
      4.ルイーズ。 得意技は家族の破滅。
      5. ピエレット。 50万フランせしめた。
      6. シャネル。 嫉妬に狂った。
      最後はシュゾン。 妊娠を告げた。
      That is a question.
       まだ登場していない人が1人いるわ。 パパは泣いていた。
       お前はいい子だね。 俺が死ねば全ては上手く行くって。
       パパは死んでないわ。 生きてるわ。
       みんなの本性を暴く為よ。
       みんなは殺人事件だと思って震えたわね。
       パパを愛して守ってあげるから。 」

カトリーヌがドアを開けると、パパはピストル自殺をする。
カトリーヌ 「 皆が殺したのよ! 」と叫ぶ。
ギャビーがカトリーヌを抱き寄せ、 階段に座って歌う。
後の6人は静かに踊る。
シャネルとルイーズがペアになって踊り、
ギャビーとオーギュスティーヌがペアになって踊り、
ピエレットとシュゾンがペアになって踊る。
♪ 人生を悟ったときには既に手遅れ

女8人が横一列に並んで静かに立つ。
ヴァイオリンの音とピアノの音が響く中、 右端から次々に手を繋いで行って FIN。

***** 「 8人の女たち 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 18:00│Comments(0)映画
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