2013年03月16日

「 100歳の少年と12通の手紙 」

「 100歳の少年と12通の手紙 」邦題 : 100歳の少年と12通の手紙
鑑賞日 : 2011年02月02日(水)
映画館 : Cinema Jack & Betty
本日の予告編 : ☆その街の子ども
          ( 音楽:大友良英 )
         ☆Ricky
         ☆白いリボン
字幕 : 松岡葉子

******************

フランスの病院で小児白血病の為
余命12日の宣告を受けた10歳の
少年オスカーは、腫れ物に触る様な態度の
両親や主治医に心を閉ざしてしまう。
宅配ピザ屋の女主人ローズには心を開くのを
知った病院長は、ローズに毎日ピザを
注文するからオスカーに毎日会ってくれる様に頼む。
ローズはオスカーに1日を10年と考えて過ごす事、
毎日神様に手紙を書く事を提案。
オスカーはそれを実行する。

この手のストーリーを日本が製作すると、
お涙頂戴の鼻持ちならない作品になりがちだが、さすがおフランス。
客観的な視点と、静かなユーモアで、いい感じに仕上げている。
子役のアミール・ベン・アブデルムーメンが実にいい!

************************

オーケストラの音出しみたいな音が聞こえて来る。 その音がうねる。
「 やろう! 」子供の声が聞こえる。
廊下を歩く革靴の音がする。

子供たちが囁きながら、何やら仕掛けを作っている。
先生がドアを開けると、上から水が落ちる。
先生「 誰がやった? オスカー、君か? 」
オスカーは頷く。
先生が椅子に座ると、ブーブークッションがブー!と音を立てる。
先生「 次の仕掛けは? 」
オスカー「 ノート。」
先生 「 何も無い。」
先生がパタンとノートを閉じると、チョークの粉が濛々と舞い上がる。
オスカーはゴメット婦長の所に連れて行かれ、診察室でベッドに寝る。

デブの友達がオスカーに「 両親が来た。」と知らせる。
オスカーは上から「 ママ。パパ。」と呟く。
両親は何処かの部屋に入ってしまい、オスカーはよろよろしている。
その時、赤い服の口の悪いマダムとぶつかる。
オスカーは、デュッセルドルフ医師と両親が話しているのを外から立ち聞きする。
オスカーの骨髄移植が上手く行かず、もう助からない事を聞き、母は泣く。
誰かが廊下をやって来るので、オスカーは慌てて倉庫に入ると外からロックされてしまった。

オスカー、オスカー、と呼ぶ人々の顔が次々に浮かんで来る。
メイドの黒人がドアを開け、オスカーは叫ぶ。
オスカーはピンクの服を着た人に何を見たのか話せと言われる。
看護婦達は、ピザの配達に来た女だと話す。
看護婦は電話を掛ける。
相手は Pinky Pizza。

マダムのローズは病院に行く。
医師はローズとオスカーを二人で話をさせる。
医師はローズを部屋に押し込みドアを閉める。
オスカー 「 本当にプロレスラー? 」
オスカーはニットの帽子を取る。と、坊主頭。
オスカー 「 何に見える? 」
ローズ 「 火星人。泣くのを我慢すると癌になるの。」
オスカー 「 誰も僕が死ぬと言わない。」
ローズ 「 ご両親は? 」
オスカー 「 臆病者だ。 また来て。 oui と言って。」

ローズは医師に抗議をする。
ローズ 「 病院は嫌い。 病人は怖い。」
医師 「 毎日ピザを配達に来て。 ついでに彼と話す。」
ローズ 「 汚い手だわ。」

ローズは配達トラックに乗って帰る。
ローズは夜、彼氏の所に泊まる。
ローズ 「 離婚したのは自立する為よ。」
ローズの彼氏はプロレスラー。

翌朝、ローズはピザを沢山配達する。
ローズ 「 その内、私が鬱病で治療を受けるかも。」

オスカーのデブの友達のイヴは9歳で体重が 98 kg。
ローズの彼氏が、ファンから貰った水の中のリングのオーナメントを渡す。
中のリングで、ローズがピンク色のリングスーツを着て登場。
リングネームは「 ラングドックの絞殺魔 」。
対戦相手はアマゾネス。
胸に弾丸を仕込んだオランダ女。
ローズは宙を飛んで現実の世界に戻る。

ローズ 「 先生が毎日来ていいって。」
オスカー 「 どの位来るの? 」
ローズ 「 12日間。」
オスカー 「 僕、そんなに悪いの? 」
ローズ 「 1年の最後の12日間で来年の天気を占うの。」
ローズのママは派手派手のドレスメーカー。
デュッセルドルフ先生がローズに電話を掛けて来る。
ママ 「 父さんが亡くなって今日で 1998日。」

翌朝、ローズは雨の中、トラックでピザを配達する。
オスカーは部屋で退屈している。
ローズ 「 手紙でも書けば? 神様とか。」
オスカー 「 サンタには騙された。」
オスカーは神様への手紙を書いてローズに渡す。
ローズはこの手紙を風船に括り付けて空に飛ばす。

水頭症の子はアインシュタインと呼ばれている。
ローズは手紙を医師に手渡す。
デブの子のポップコーンが、院内学級のクラスの子とゲームをしている。
ペギー・ブルーはチアノーゼ。( 青色病 )
彼女はオスカーのお気に入り。

ローズ「 告白したの? 」
オスカー「 火星人だよ。 毎晩、幽霊が僕らを起こすんだ。
正午になり、ローズはオスカーに言う。
「 もう15歳よ。 勇気を出して。 告白する年頃よ。」
オスカーがペギー・ブルーに告白しに行くと、デブ友のポップコーンに
「 僕が先だ。」 と邪魔をされる。

中国人と言うあだ名の女の子サンドリーヌが、自分のカツラを取って見せる。
オスカーはサンドリーヌとファーストキス。
サンドリーヌが噛んでいたガムがオスカーの口の中へ入る。
サンドリーヌ「 ガムを返してよ。」

オスカーの両親が面会に来る。
オスカーは、やたらと両親に突っかかる。
ポータブルCDプレーヤーと、くるみ割り人形のCDをプレゼントされ、オスカーはそれを聞く。
オスカー 「 もういい。疲れた。眠いんだ。」
パパ 「 もう帰った方がいいかな?」
ママがきつくオスカーを抱き締める。
「 ジュテーム。オスカー。ジュテーム。」

1人になったオスカーは泣く。
医師はオスカーの手紙に書かれた事を両親に伝える。
「 オスカーは親御さんに対し怒っています。」
パパがオスカーの手紙を音読する。

ローズがオスカーの部屋にやって来る。
「 プラム・プディング。アイルランド。女。」
縦ロールの髪の巨デブ女。
プラムは大き過ぎて動けなかった。

ローズ 「 貴方は確かにマッチョじゃないけど、男は顔じゃいわ。心よ。
    貴方は18歳よ。」
ローズはペギー・ブルーの病室に行く。
ペギー 「 私を幽霊から守って!」
オスカーはペギーにキスをする。

ローズは彼氏のアパートに居る。
ローズ 「 あたしは、優しさ」とか思いやりって大嫌い。 愛は誰かにあげて。
       私は身体だけで充分。」
ローズは怒って部屋を出て行ってしまう。

夜、オスカーは何かの物音を聞いて、ペギーの部屋に行く。
ペギー 「 私の横で寝る? 」
オスカー 「 OK。」
きらきらと雪が降る中、ベッドが宙に飛ぶ。
オスカーとペギーの2人は白い衣装を着て踊る。

そこを婦長が見つける。「 悪い子達! こんな事をしては、いけません!! 」
ローズ 「 キスした位。」
婦長 「 細菌に感染します。」
オスカー 「 昨日、結婚したんだ。
        結婚する男女がする事は全部したよ。
       1つだけしていない事が有る。
       舌を入れるキス。子供が出来るから。」
ローズは、くるみ割り人形の CD を手に取る。
「 夢はバレリーナ。でもパートナーが見つからなかった。
全身、鋼の筋肉。」
股にくるみを挟んで割る。
ローズはリングで白いチュチュを着て敵をなぎ倒す。
オスカーは途中で眠ってしまう。

ローズは手紙を風船に付けて飛ばす。
「 ペギーの手術が成功します様に。」

ペギーが手術室に運ばれて行く。

今日のオスカーは30代。
オスカーはペギーを見送る。
オスカー 「 どうして病気になるの?
  神様の意地悪? ドジなの? 」
ローズ 「 病気は事実で有って、罰じゃない。」
オスカーは戸棚から熊のベルナールを取り出す。
オスカー 「 馬鹿な両親が新しいのを買った。
何でも話して。僕は 33歳で白血病で妻は手術中。」
ローズは大きなケーキの張りぼてを病院に持ち込み、婦長に見せると嘘を言う。
その張りぼての中にオスカーを入れて病院を脱出。
そのままオスカーを教会に連れて行く。

オスカー「 こんなの嘘だ。 プロレスラーのローズが、こんなのを信じるなんて!」
ローズ 「 苦しみには2つある。 肉体的な苦しみと、精神的な苦しみ。
       私のお婆ちゃんは死ぬ時も笑ってたわ。
       未知に直面しても恐れないで。 」
太った男が教会の中に入って来て、ローズは慌ててケーキの顔の部分を閉める。

ペギーの手術が終わり、病室に戻って来る。
呼吸器を付けられたペギー。
ペギーの両親がやって来る。
ローズ 「 義理の両親よ。 」

翌朝、ペギーが言う。「 もうお終いよ。 中国人とキスしたでしょ? 」
そこへブリジットが来る。 「 私とキスする? 」
オスカー 「 今なら、いいや。 」 そしてキスする。
中国人が来る。 「 ペギーに言うわよ。」

ローズ 「 40代はどう? 」
オスカー 「 馬鹿ばかりした。」
ローズ 「 仲直りするのよ。」
オスカー 「 みんなが僕を浮気者扱いする。」
ローズ 「 例えばデカパイとの試合。」

デカパイの凶器は、そのの強烈な臭い息。
「 カルパントラの鬼女 」。
鬼女に変身したローズは、全身にラベンダーを浴びる。
鼻挟みを使い、臭い息にも涼しい顔で対戦する。 そしてデカパイを投げ飛ばす。

オスカー 「 愛しているのは君だけだ。」
クリスマスの日、オスカーは浮かない顔をしている。
子供達がオスカーに服を着せ、ローズのトラックに入れる。
子供達は荷台のピザを持って行く。

ローズは運転をしながら、引っ切り無しに他の運転手に悪態をつき続けている。
暗さと寒さでオスカーは目を覚まし、荷台から下りる。
トラックは、雪の積もった灯りの点いた家に向かう。

ローズ達は賭けをしている。
ベルの音がチリチリと鳴り、ローズがドアを開けると、オスカーが倒れていた!
ローズはオスカーを家に入れ、ココアを飲ませる。
ローズのママと子供達は、信じられないと言う面持ちでローズを見る。
ローズ 「 連絡したわ。」
オスカー 「 手錠をされたって、2人を愛さない。
        健康な僕しか愛せないの? 」
ローズ 「 両親も死んで行くのよ。 息子と仲直り出来なかった後悔を胸に抱いて。
       皆、死ぬのよ。 私もいつか。」
オスカー 「 僕の方が先に死ぬ。」
ローズ 「 だから、好きな事をしていいの? 他の人を無視しても? 」

オスカーの両親がローズの家にやって来る。
TVで「 メフィスタ 対 ジャンヌ・ダルク 」の試合の中継を見ている。
皆でオスカーの枕元で歌を歌う。

「 神様、お願いです。 両親がこのままでいます様に。 いいクリスマスでした。」
ローズの娘 「 ママを誇りに思うわ。」
オスカー 「 60歳を過ぎました。昨日のツケが回って来ました。 身体がダルい。
       若い頃は馬鹿で、人生を味わうにはセンスがいる。でも楽しめる。
       今日は終わり。疲れました。オスカー。」

オスカーとペギーは椅子に座って手を繋いでいる。
ローズ 「 今日は何歳? 」
オスカー 「 70歳。」
ローズが一生を1日で過ごす植物を植木鉢に入れる。
ローズ 「 1日の命のサハラの植物。バオバブとは違うわ。
     次はこの種が花の命を生きるの。」

赤いほっぺをしたペギーが退院する。
ペギー 「 オスカーに会いたい。」
婦長は許してくれない。
ローズとオスカーは、車に乗るペギーを窓から見る。
ママはオスカーを抱く。 「 手紙を書く? 」
オスカー 「 Non. 神様は嫌いだ。」
ローズがピザを配達に来る。
婦長 「 よく焼けてないわ。」
ローズはオスカーの部屋に行く。
ローズ 「 何だか幸せそう。」
オスカー 「 そうだよ。来たんだ。」
オスカーは手紙をローズに見せる。
山の向こうから太陽が昇り、動物、植物、鳥の命のイメージがオスカーの脳裏に生まれる。
「 今朝、貴方が来たのを感じました。
  毎日その日を初めての様に生きる事。」

日めくりカレンダーが29から30へ。
ローズ 「 今日で 100歳ね。」
パパが本を次々に音読する。

日めくりカレンダーは 31日の次は真っ白。
ローズと両親がオスカーのベッドに付き添っている。
オスカーの寝息が聞こえる。
医師と婦長が来て、ローズ、両親は共に病室の外に出てコーヒーを飲む。

医師と婦長は顔を見合せる。
ママが突然病室に駆け込む。
パパも後を追う。
ローズも病室へ入る。
医師「 オスカーは天国に行ったよ。」
ローズ「 私達がいない間に? 」
医師 「 実際は、あの子が私達を見守っていたのだ。」
ローズは病室を走り去る。

ローズは家でぼんやりしている。
オスカーの両親がローズの家にやって来る。
ローズは居留守を使う。
両親は手紙を玄関先へ置く。
カードに「 オスカーから貴女への形見です。」と書かれている。
カードと一緒に小さなトランクに熊のベルナルドのぬいぐるみ。
ローズはベルナルドを抱き締める。

小さな白い棺が墓地の中を運ばれている。
白いローブを着た子供達が歌を歌う。
オスカーのママは、ピンクの薔薇を1輪、手に持ち、棺の上に置く。
パパは手袋を脱ぎ、素手で棺の蓋を押さえる。
ローズは遠くから教会を眺める。

ローズ「 初めてのお葬式よ。 ずっと避けて来たの。」
ローズの隣りに医師が立つ。
ローズ 「 先生は神様じゃない。 医者を続けられないわよ。」
医師 「 ピザは美味しかった。」
ローズ 「 神様。 オスカーと会えたお蔭で、私の心は一生愛に満たされます。」
オスカーの声 「 僕を起こしていいのは、神様だけ。」

みるみる雪が溶け、木に花が満開に咲く。
ローズのピザ・トラックに子供達が群がる。

エンドロール。

***** 「 「 100歳の少年と12通の手紙 」 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 14:58│Comments(0)映画
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