2013年09月07日

「 メガトロン 」

「 メガトロン 」

英題 : Megatron
邦題 : メガトロン
監督 : マリアン・クリサン
制作国 : ルーマニア
種別 : ドラマ
特記事項 : 2008年カンヌ国際映画祭
         短編部門パルムドール
         ( 最優秀賞 )受賞

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両親の離婚で離れ離れになった父親を恋い慕う少年の一こまを
淡々と描いたドラマ。
日本や韓国でこういうシナリオの映像作品を作ったら、
お涙頂戴の、臭い臭~い作品に仕上がると思うのだけれども、
さすがルーマニア(?) 白い妖精コマネチの様に、サラリと描きました。

タイトルのメガトロンとは、世界の少年たちを風靡した
「 トランスフォーマー 」シリーズノロボットの名前。
実は二へドンの息子ちゃんも、小さい頃はトランスフォーマーに嵌まり、
国内で売っていたフィギュアのおもちゃは全部買い与えました。
それでも足らずに、シンガポールのトイザラスでも日本未発売のロボットを
買った程です。

だから、メガトロンが欲しい少年の心情と、自分の息子ちゃんの思い出を
重ね合わせて、それだけでもう、涙が出そうになりました。
少年にとっての絶対的なヒーローがメガトロンだとすると、
家庭の中でヒーローの役割をすべき父親が不在である少年の心が
まるで演出が施されていない様な、素っ気無さの映像の中に滲み出ていて、
切ないねえ。

少年に取って、メガトロンも手に入らなければ、父親も手に入らない。
そんな少年が悪知恵を働かせて、父親には会える様になった。
健気な少年の姿に拍手です。

やっぱ欧米人は、早くから子供を自立させようと言う意識が徹底しているよなあ。
そんな感想を抱いた二へドンですが、皆様はどの様に感じるのかしら?

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食卓に着いている7歳位の男の子の姿が映る。
マキシム 「 メガトロン有るかな? 」
母親は出掛ける支度をしている。
マキシム坊やはおもちゃのピストルを要求し、母親が手渡すと、リュックを背負って母親と一緒に外へ出て自転車に乗る。
マキシム坊やは、母親よりずっと先を走る。
2人の背中をカメラは暫く追う。

2人は駅前に到着し、自転車置き場に自転車を置くと鍵を掛ける。
プラットホームの無い駅。
鶏の鳴き声が聞こえる。
列車がやって来て、目の前で停まる。

列車に乗り込む2人。
マキシム坊やはポータブル・ゲームをやり始める。
列車のガタゴトいう音。

列車を下りると建物が1つも見えない道路っ端でヒッチハイクをする。
白いバンが停まってくれる。
助手席に座る2人。
運転手 「 坊や、名前は? 」
マキシム 「 マキシム・アドリアン。今日で8歳になったんだ。」
運転手 「 将来の夢は? 」
マキシム 「 宇宙飛行士かパワーレンジャーだよ。」
運転手 「 お父さんは? 」
母親 「 離婚したの。」

マキシム坊やはロボットのメガトロンが欲しくて町にやって来たのだ。
ヒッチハイクの車を下りると、今度はバスに乗るマキシムと母親の2人。
彼らはマクドナルドへやって来る。
ロボットがおまけに付いて来るハンバーガーセットを頼む。
生憎メガトロンは品切れ。
マキシム坊やは、メガトロンじゃないと嫌だと言う。
マクドナルドの店内は音楽が流れている。 ポップスの曲だ。
( 二へドンはルーマニアに行った事は無いが、ソ連の陣営だった時代の面影は
  影をひそめてしまったのか。 ちょっと感傷に浸る。)

レジの店員が値段を告げる。
「 13レイ20バン。」
母親は財布が無いと言って必死に探す。
店員 「 ゆっくりお探し下さい。」
結局頼んだ物を受け取らずに、そのまま店を出る。

マキシム「 パパにお金借りたら? お願い! パパに電話して!」
マキシム坊やが携帯で父親に電話して、父親に来て貰う事になった。
店の中に戻り、父親を待つ2人。
母親 「 皆と遊んでらっしゃい。」
マキシム坊やが席を立つと、エンドロール。

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え!? これでお終い!?
今まで多種多様の映像作品を見て来た二へドンも、この唐突な終わり方に
唖然。 茫然。 面食らってしまいました。
再会した夫と、よりを戻しそうな雰囲気になるとか、もうちょっとオチ付けられなかったのかしらね?

***** 「 メガトロン 」 ・ 完 ************


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Posted by ニヘドン at 18:39│Comments(0)映画
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