2013年03月24日

Yasunao x Lilis concert  ・  後半

この記事は、「 Yasunao x Lilis concert  ・ 前半 」の続きのレポートです。
前半はこちら → http://nihedon.hama1.jp/e897333.html

Yasunao x Lilis concert series #6
日時 : 2011年02月26日(土)
   14:30 開場 / 15:00 開演
会場 : 栄区民文化センター リリス
料金 : 一般 3,000円
出演 : 石田泰尚 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
中島剛 ( なかじま ごう ) / ピアノ
演目 : ルクレール / ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品9-3
フォーレ / ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 作品13

〈 休 憩 1 5 分 〉

フォーレ / シシリエンヌ 作品78
ドビュッシー / 「 小組曲 」より 小舟にて
サン=サーンス / 交響詩「 死の舞踏 」
フランク / ヴァイオリン・ソナタ イ長調

アンコール : 1. ドビュッシー /  亜麻色の髪の乙女
          2. ラヴェル( コハンスキー編 )/ 亡き王女のためのパヴァーヌ
          3. ドビュッシー ( ハイフェッツ編 ) /
           ゴリウォーグのケークウォーク

********************

16:00 第2部の開始です。
石田様は黒いスーツに着替え、マイクを持って登場しました。
石田「 えー、今日はありがとうございます。
    えー、えー、中島君です。
    今年、中島君とは初の共演と言う事ですね。
    相変わらず上手いんで、楽しい。」
中島「 楽しいです。 そう言えば1週間前、誕生日だったでしょ?」
客席から拍手が巻き起こります。
中島「 そう言えば、この間、N響と一緒に演奏しました。」
石田「 仙台の方で、僕、誕生日の日にもオーケストラで、
    次の日にN響のメンバーと演りました。
    1st 4人、2nd  4人と言う小編成で『 愛の喜び 』とか
    有名どころで演りましたけど、あのー、やっぱり流石!
    流石ですね。 日本一ですね。
中島「 凄いですね。 その日本一のN響をバックに従えて。」
石田「 N響と言う事で、スーツに着替えまして、やっぱり、
    いつもの格好じゃね。 ま、ね!!
    後半もいっぱい曲弾かなきゃいけないんで、お楽しみに!!」
そして一旦、はけました。

再度、石田様が登場した時には、あれ? 上着を脱いで来ましたよ。
また、袖に切り込みの有る、オーバーブラウスだけで登場です。
石田様は中島さんの方を向いて念入りに調弦を行います。

後半の1曲目は、「 フォーレ / シシリエンヌ 作品78 」です。
石田様ったら、左手の人差し指と中指を立てているよ~!
この曲、二へドンがヴァイオリン教室のレッスンで今弾いている曲やねん!!
二へドンが大の苦手の所を正しく当たり前に弾いています。 ため息。
mf の所をまったく力まずに美しく弾く所は流石です!!

音量の大小は余り激しく出していないのに、メリハリが有るんです。
参った。 二へドン、降参です。

後半の2曲目は、「 ドビュッシー / 「 小組曲 」より 小舟にて 」です。
月光の雫の様な透明感にため息ばかり出てしまいます。
これを聞いたら、どんな悪党の心も澄み渡るでしょう。
最後のハーモニクスのフレーズで二へドンは泣きました。

後半の3曲目はサン=サーンス / 交響詩「 死の舞踏 」。
石田様は演奏前に念入りに調弦をします。
演奏が始まると、二へドンは客席で固まってしまいました。
石田様の余りの迫力の演奏に気おされてしまったのです。
こんな演奏をする石田様は、初めて聞いた様な気がしました。
神奈川フィルの定期演奏会でも、トリオ・リベルタでも、トリオ Beeでも、
YAMATO弦楽四重奏団でも、石田泰尚でも無い、全然別の演奏家が其処に居て
演奏を聴かせてくれている様です。
石田様、新境地を拓く!! って感じです。

うう・・・・・。 二へドンは興奮し過ぎて、この曲を弾く事を、自分の生涯の目標にしよう!
ととんでもない野望を抱いてしまいましたよ!
石田様が今までに聴かせてくれた名演奏は数々有ります。
例えば、フィリップ・グラスやシェラザード等です。
これ等の演奏の時にも、二へドンは魂を奪われたけれども、今日の演奏は、もうそれ以上!!
す・ご・い!!
ツィゴイネルワイゼンどころじゃ、ありません!!
 
後半の4曲目は、「 フランク / ヴァイオリン・ソナタ イ長調 」。
第1楽章 石田様は、じっと下を見てピアノの前奏が始まるのを待っています。
       前奏が始まると、ヴァイオリンを肩に当てて準備します。
       この曲を石田様が弾くのを聞くのは、二へドンはもう数度目ですが、
       最近、富に音が大人の渋さを増して来ましたよね。
       同時に切なさも増して来ました。

       ピアノの間奏の間、石田様は顎当てを持って、ヴァイオリンを逆さに下向きに持ちます。 
       巧く弾いてやろうなんて気負いが全く無く、じっと音と向かい合っている石田様の姿は
       好感度100億倍です!!
       石田様は、これから、あの1挺のヴァイオリンから、どんな宝石を跳び出させてくれるの
       だろうか?
       音の錬金術師・石田泰尚。

第2楽章  狂おしい旋律も以前よりずっと理知的に聞こえます。
        そうすると、尚更、狂おしさがくっきりと浮かび上がって来るから不思議です。
        もう二へドンは、「 私もヴァイオリン習ってま~す!」 なんて愚かな発言は
        出来ない様な、高みに石田様のヴァイオリンは昇ってしまっています。 
        あ~!! 石田様が、どんどん遠くに離れて行く~!!

        中島剛さんの気分ものりのりの様です。
        第1部では彼の上体は比較的動きませんでした。
        でも今は、上体が、ぐるんぐるん動いています。
        二へドンは、「 シドレミ、シドレミ 」と繰り返す部分が大好きなんですぅ。
        第2楽章の終わりで、何故か客席から拍手が起こります。

第3楽章 圧倒されてしまって、もう言葉が有りません。
       ヴァイオリンの弓って、結構幅が有るのですが、石田様の弓は、
       細い1本の銀の糸の様に見えます。

第4楽章 石田様のヴァイオリンは、音がストーリーを語る様になりましたね。
       1人の演奏家を追い掛ける楽しみは、その演奏家の細かい変化を
       感じ取る事が出来る事ですね。
       石田様は、もう単なる演奏家では無いのです。
       ヴァイオリンに語らせるストーリーテラーなのであ~る。
       例えば、一般の人は或る曲の中で、どうして「 ド 」の音の次に
       「 ミ 」が来るのか、そこを説明出来ないと思います。
       でも、石田様の奏でる音を聴いていると、そんなのは愚問だと
       よく分かるのです。 石田様の紡ぎだすフレーズ全体が
       ストーリーを語っているのです。
       そのストーリーに素直に耳を傾けよう。
       ああ! もう凄過ぎて椅子の背に自分の背中がべったりと張り付いています。
       もう、身体もへなへな状態なんです。

素晴らしい演奏会でした!!
でも、まだ有ります。 当然有ります。 カーテンコールを1回した後に、アンコールです!!
アンコールその1.「 ドビュッシー / 亜麻色の髪の乙女 」
       軽~い弓で、情緒たっぷりに聞かせてくれます。
       もの静かな曲ですが、上級テクニック満載の、二へドンには弾けない曲なのぢゃ。
       皆の者、石田様の卓越した演奏を心して聴くが良い。
       あ~。 二へドンは興奮し過ぎて、背中が熱いわ~。

アンコールその2.「  ラヴェル( コハンスキー編 )/ 亡き王女のためのパヴァーヌ 」
       石田様は、右つま先を上げて調弦をします。
       石田様の奏でる音の余りの美しさに涙がボタボタ落ちてしまった。

アンコールその3.「 ドビュッシー ( ハイフェッツ編 ) / ゴリウォーグのケークウォーク 」
       おっと。 石田様は楽譜を床に落としてしまいました。
       でも、演奏は最高でございました。

17:03 演奏会は終了しました。
でも、慌てて席を立っちゃ駄目!
ほら! 場内アナウンスを聞いて!
「 本日の公演は、これを持ちまして全て終了致しましゃしゃしゃ。 ~~~~~ 」
アナウンスの声は男声です。 
語尾がふにゃふにゃの状態で喋るので、客席から笑いが起こります。
そうです。 アナウンスをしているのは、事もあろうに、石田泰尚様なのです!!
演奏で疲れているだろうに、何とお茶目な事!!
「 またのご来場を心よりお待ち申し上げておにゃにゃにゃにゃ。 」( 笑 )

***** 「 Yasunao x Lilis concert  ・  後半 」 ・ 完 *****


同じカテゴリー(コンサート)の記事画像
勝村麻由子ヴァイオリン・リサイタル
同じカテゴリー(コンサート)の記事
 勝村麻由子ヴァイオリン・リサイタル (2012-11-21 21:47)
 清塚信也 「弾-DAN-」 第3夜 ピアノ・リサイタル 後半 (2012-10-23 17:58)
 「 Super Trio 3℃ 」@東京文化会館 ・ 後半 (2012-04-04 04:04)
 YAMATO弦楽四重奏団 〜 幸松肇が贈る弦楽四重奏・後半 (2012-03-17 23:31)

Posted by ニヘドン at 23:30│Comments(0)コンサート
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。