2012年04月04日

「 Super Trio 3℃ 」@東京文化会館 ・ 後半

この記事は2010年06月15日(火)に書いたレポ( 前半 )の続きの記事です。
前半はこちらでお読み下さい。 → http://nihedon.hama1.jp/e115595.html

「 Super Trio 3℃ 」コンサート

日時 : 2010年06月15日(火)
18:30 開場 19:00 開演
会場 : 東京文化会館 小ホール
料金 : 4,800円 ( 全指定席 )
出演 : 石田泰尚 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
金子鈴太郎 ( かねこ りんたろう )/ チェロ
清塚信也 ( きよづか しんや ) / ピアノ

演目 : 第1部
ドビュッシー / ピアノ三重奏曲 ト長調
第1楽章 アンダンティーノ・コン・モート・アレグロ ( 約9分 )
第2楽章 スケルツォ・インテルメッツォ ( 約3分30秒 )
第3楽章 アンダンテ・エスプレッシーヴォ ( 約4分 )
第4楽章 フィナーレ・アパッショナート ( 約6分 )

ショパン / ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8
第1楽章 アレグロ・コン・フォーコ ( 約10分 )
第2楽章 スケルツォ・コン・モート・マ・ノン・トロッポ ( 約7分 )
第3楽章 アダージョ・ソステヌート ( 約6分 )
第4楽章 フィナーレ・アレグレット ( 約5分30秒 )

< 休 憩 1 5 分 >

第2部
メンデルスゾーン / ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49
第1楽章 モルト・アレグロ・エダジタート ( 約10分 )
第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ ( 約7分 )
第3楽章 スケルツォ・レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ ( 約4分 )
第4楽章 フィナーレ・アレグロ・アッサイ・アパッショナート ( 約8分30秒 )

アンコール
1. ショパン / ワルツ 第3番 34-2 ( 編曲 / 清塚信也 )
2. ビゼー / アルルの女 第2組曲 「 ファランドール 」( 編曲 / 加藤昌則 )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

第2部が始まる直前、客席の誰かの声が二へドンの耳に届きました。
「 こんなに真剣だとは思わなかったよ。」
ほっへっへ。 だ~か~ら~。
ルックスだけで売っている輩とは、全然違うんだってばよ!!
実力派が、たまたまルックスが良かっただけなんだよ~ん。

ところで、二へドンは、また隣のマダムから足を踏まれてしまいました。
ちょっと足先がぶつかると言う程度のものを除いても、
確かに真上から踏まれるのはこれで3回目です。
相手にクレームつけようかしらんと思った途端に、
スーパートリオ3℃の皆さんが、ステージに姿を現しました。
おお! きよりんは黒いジャケットにお着替えして来ましたよ。

きよりんがマイクを持って喋り始めます。
「 いつも楽屋でトークを誰が喋るのかって言うんですけど、誰も喋りたくないので、困っちゃう。
  この前3人で雑誌のインタビューに答えて、記者の人が
  『 ショパンを取り上げるのは、どうですか?』と質問したら、シーンとなっちゃって。
  ショパンはピアニストなので、彼の曲はピアノが1番難しいのですが、
  チェロのパートは、そうでもないんですよね。
  どうしてかって言うと、ショパンのスポンサーの伯爵はチェロを弾くので、
  伯爵に、いつもお世話になっているので、一緒に弾きませんか? みたいな話の持って
  行き方をする為なんですね。
  でも、僕達3人、ギャラは一緒です。」

次にきよりんは、石田様に向かって質問を投げ掛けます。
清塚 「 ショパンはどうですか? 初めてですか?」
石田 「 そうですね~~~~~~~。 」
清塚 「 これだよ。(笑) どうです? 」
金子 「 この人達、面白いね。 僕はね、もう伯爵になった気分で弾きました。
      でも、1箇所難しい所が有るんですよ。 伯爵は弾けたのかな?
      ところで、石田さん、僕達 スーパートリオ3℃と名前が付きましたね。 」
石田 「 ま~~~、あの~~~。 スーパートリオ3℃と言う名前が付いた訳でして、
      ま~~~、あの~~~、名前が付いてから・・・・
      初のコンサートです。」
客席から拍手が起こります。
清塚 「 誰が付けた訳でも無く、何となく名前が付きました。
      僕達3人、やる気無さそうでしょ?
      楽屋では1人弁当を食べ、1人ガーガー寝て、1人は俺、ラーメン食べに行って来るわ、
      といなくなっちゃう。
      ドルチェとかカンタービレとか、まるで似合わない。
      3℃位かな、俺達。 冷たいよね。 以上です。」
金子 「 それでは、そろそろ後半戦、行きましょう!」
3人は一旦、舞台袖に引っ込みます。

舞台の背面から、大きくチェロの調弦の音が聞こえて来ました。
演奏曲目はメンデルスゾーン / ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49 です。

第1楽章 モルト・アレグロ・エダジタート ( 約10分 )
   うわあ! チェロの深みの有る実存的な音は一体何だろう?
   そう。 非常に哲学的なんだ、彼の音は。 
   ピアノは、やや短めに音を切る感じに弾いて行きます。
   石田様のヴァイオリンは、もう滑らかに美しく
   ヴァイオリンとチェロの音がピッタリとハモります。
   そこへピアノがくっきりと音を嵌め込んで来ます。
   ジグゾー・パズルがどんどん完成して行く満足感を今日は感じる事が出来ました。
   石田様は弓を小刻みに動かす時、首も小刻みに振り大宮デンスケ状態です。
   ( 喜劇役者デンスケを知らない方は、ごめんなさい。)
   石田様の右ひじの角度がいつも 90°って言うのが凄い。
   石田様の奏でる美しい音色は、この美しいフォームの裏打ちが有るからこそ!
   石田様がソロで演奏会をやる時のソロ・ユニット名は「 右ひじ 90°」に決定!?(笑)
   ピアノがテンポを落とし、続いてヴァイオリンとチェロの音が止んだ時の
   底無しの静けさが胸に迫ります。

   ヴァイオリンとチェロの激しいトレモロの後、石田様がジャ~ンプ!!
   むっほっほ。石田~リンの、こういうパフォーマンスには、心がトキメキますわね。
   石田様は右に左に伸び上がり、もう誰にも止められませ~ん!!

第2楽章
 ピアノが哀愁に満ちた旋律を、ややゆっくりと弾いて行きます。
 ピアノの音にそっと沿う様にヴァイオリンとチェロが音を合わせます。
 3人の音のバランスが最高です!!
 余りの見事な演奏に、音の世界の中で我を忘れて、たゆたってしまいました。
 曲の最後に、そっと密やかに石田様が弓を収めます、
 ぞくぞくぞくぞく。

第3楽章
 ピアノが軽やかに鍵盤の上で指を転がして行きます。
 同じピアノ・トリオでも、Bee と、これだけ違うんですね。
 3人の調和が取れているので、各フレーズがくっきり出ていて、
  聞いていて非常に面白いです。
  石田様の弓の使い方の効果が、ちゃんと耳でキャッチ出来るのが嬉しいな。
  例えばテヌートとかマルカートとか。
  ここは3人共かなりテンポ・アップしています。
  柔らかなピツィカートでフィニッシュです。

第4楽章
  演奏は激しさを増し、もの狂おしい程です。
  石田様は足をドスンドスン。
 1人1人の音の美しさ × 調和の美 。
 もう美しさは天文学的です。
 そんな夢の様な世界の中で、1つねアイデアが浮かびました。
 「 きよりん、真っ白なピアノとか、クリスタルのピアノを弾いてみては? 」
   絶対に似合うよ。嫌味無く似合うよ!
 あれ? 石田様のピツィカート、ちょっと走り過ぎ?
 今日な石田~リンの演出?
  ニヘドンとしては、もっと思わせ振りに、ゆっくりの方が石田様らしいと思うのです。

 凄くいいなと思うのがチェロの音です。
   チェロの音がいつも安定しているから、
  聴いていて安心です。
  ニヘドンも自分が演奏する時にチェロやヴィオラの音に乗っかれると楽チンなんです。
  ( だからいつまで経っても自力で弾けないのだと言う噂有り。(笑))

   石田様の小さい「 左手くるりん 」が出ました!
  ( この、左手くるりんが何を意味しているのか分からない人は、
    石田様の生のステージをご覧下さい。見れば分かります!)
   石田様は右袖で額の汗を拭きます。
   トリオ Bee の時は、石田様は及川兄さんの無茶ぶりに、一歩譲っていた部分が有るのですが、
   このスーパートリオ3℃では、聞かせ所は石田~リンが、たっぷり聞かせてくれます。
   ニヘドンも、たっぷり聞きます。

おいおいおいおい!
客席の拍手早いし!!
何事も余韻と言う物が必要でしょう!?
ニヘドン、こういう拍手の早い人とは、きっと恋愛は出来ないなあ。
余韻の無い恋愛だなんてねえ?

きよりんと石田様は、がっちりと握手をします。
石田様、きよりん、鈴太郎さんの順に退場します。
きよりんが両手で楽譜を持って、客席に向かって左右に揺らして見せます。

清塚 「 ショパンのワルツをアンコールに弾きます。
ワルツは本来、明るいのですが…。
( 石田様に向かって ) ねえ、聞いてる?
ワルツでも、こんなに切なく儚いものも有るので、聞いて下さい。」

アンコール 1曲目 「 ワルツ第3番 34-2 」
 チェロとヴァイオリンの余りにもの切なさに涙どー!!
 失恋した時に、これを聞いたら、もう絶対に立ち直れないだろうな。
  ピアノがそーっと音を沿わせて行くのに、背中がゾワゾワ。
 きよりんのピアノはさ、鍵盤を叩いつ音を出している様に感じないの。
 まるで弦楽器を弾いている様なの。
 非常に弦楽器的に音が出る稀有なピアニストだと思います。
 だからピアノ・トリオがバッチリなんだね!!

アンコール 2曲目 ビゼー / アルルの女 第2組曲 「 ファランドール 」
  きよりんのピアノ・アレンジが超かっこいい!!
  石田様はヴァイオリンが休みの間、後ろを向いて眼鏡を外して汗を拭います。
  石田様が高~くジャンプして、客席から笑い声が漏れます。
  演奏はどんどんテンポ・アップして行き、会場の熱気もアップです。
  あのー。 3℃ではなくて、もう既に沸点を越してしまっていますよ!

  演奏が終わると客席は喜んじゃって、喜んじゃって、ブラボー! ブラボー!の大嵐。
  石田様は、さっさと1人で袖に引っ込んで行ってしまいました。
  暫くして、きよりんと鈴太郎さんも退場して行きました。

  その後、石田様が1人で再登場して来ました。
  後の2人が続いて出て来ないので、石田様はステージの上をぐるりと大回りに歩いて、
  袖に引っ込もうとした、その途端、きよりんと鈴太郎さんが出て来ました。
  上手( かみて )から、石田様、鈴太郎さん、きよりんの順に立ってお辞儀をします。
  今度は立ち位置を変えて、上手( かみて )から
  石田様、きよりん、鈴太郎さんの順に立ってお辞儀をしました。
  最後の最後で鈴太郎さんが客席に向かって高く手を上げて振りました。
  楽しい一夜が幕を閉じました。

***** 「 「 Super Trio 3℃ 」@東京文化会館 ・ 後半 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 04:04│Comments(0)コンサート
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